BANI
BANIとは?
「BANI(バニ)」とは、Brittle(もろい)、Anxious(不安な)、Non-linear(非線形の)、Incomprehensible(不可解な)の頭文字を取った言葉で、複雑で混沌とした現代社会を表す概念です。「VUCA(ブーカ)」に代わるフレームワークとして注目されています。過去の経験則が通用しない「未知の領域」への適応力が問われる現代において、経営や人事戦略の新たな羅針盤となっています。
VUCAからBANIの時代へ
組織に求められる考え方とは
長らくビジネス界の前提とされてきた「VUCA」ですが、パンデミックや地政学リスク、AIの急激な進化など、従来の枠組みでは捉えきれない事象が増加しています。そこで、現在の「混乱」や「質的な変化」をより精緻に描写するために提唱されたのがBANIです。
「Brittle(もろい)」は、一見強固なシステムや組織が、突如崩壊するリスクを指しています。「Anxious(不安な)」は、先が見えないことによる集団的な無力感。「Non-linear(非線形の)」は、小さな原因が不釣り合いなほど大きな結果を招く現象。「Incomprehensible(不可解な)」は、情報過多やAIのブラックボックス化により、論理的な解釈が困難な状態のことです。
類似の概念に、Turbulent(激動の)、Uncertain(不確実な)、Novel(新奇な)、Ambiguity(曖昧さ)の頭文字からなる「TUNA(トゥナ)」もあります。VUCAの考え方をベースに、現代の変化の激しさなどをより的確に捉える言葉です。
カオスな状況下では、「レジリエンス(回復力)」や、不安を和らげる「心理的安全性」が不可欠です。BANIやTUNAの概念は、人事が「管理」から「適応支援」へと役割を変える必要性を示唆しています。BANIが示す「不安」や「不可解」に対処するためには、直感を信じることや、情報の透明性を高めて信頼関係を築くことが求められます。TUNAが示す「新奇な」状況下では、既存の成功体験を持つベテランの判断が正しいとは限りません。
多様な視点を取り入れるダイバーシティ推進や、失敗を学習のプロセスと捉えるアジャイルな組織文化、何事もオープンに話し合える透明なコミュニケーションは、競争力の源泉となります。不確実な未来を恐れるのではなく、新たな現実を正しく認識するためのレンズとして、BANIやTUNAを活用することが重要です。
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