緑視率
緑視率とは?
「緑視率」とは、人の視界に占める緑の割合のこと。国土交通省の調査には、緑視率が高まるほど安らぎを感じる人が多くなることがまとめられています。緑視率は公共施設や中心市街地などといった街づくりに活用されてきた指標ですが、近年はオフィス環境整備の一環として注目されています。緑視率の割合(%)は、「(緑の部分の面積)÷(視界の面積)」という式で求めることができ、緑の面積には、樹木や草花、芝生、壁面緑化なども含まれます。集中力を高めるには10〜15%の緑視率がよいと言われています。
「緑は目にいい」は本当か?
職場の緑がもたらすさまざまな効果
「緑色は目にいい」という言説を、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。私たちは光によってモノを見ることができますが、光の性質の一つである「波長」の長さによって、見える色が変わってきます。緑色に見える波長は、可視光線の中でもおよそ真ん中に位置し、他の色よりも目に負担をかけることなく知覚することができるのです。
単に色を知覚しやすいだけでなく、緑にはさまざまな効果があります。最近では、オフィス内の緑視率を高めることで職場環境を向上させようという動きが広がってきました。デスクワークの場合、仕事中はどうしても長時間パソコンの画面を見ることが多くなりますが、職場に緑を取り入れることで目への負担が軽減され、疲労感を減らすことが可能です。
緑は疲労感だけでなくストレスも軽減させることが、千葉大学、兵庫県立大学、大阪大学の調査によってわかりました。植物のある空間では、人がストレス状態にあるときに分泌される「コルチゾール」というホルモンの増加率が軽減されるそうです。また、植物の配置方法による効果の違いを見ると、植物を左右対称に設置するレイアウトがもっともストレス軽減効果が高いこともわかりました。
昨今、テレワークが働き方の中心になっている人も多いでしょう。オフィス勤務と在宅勤務で働く時間は同じなのに、在宅勤務のほうがなんだか疲れやすい。そう感じている人は、自宅のワークスペースにおける緑視率をあげてみるといいかもしれません。視界に占める緑視率が10〜15%のとき、集中力が高まりパフォーマンスが発揮しやすいと言われています。デスクに観葉植物を置いてみるなど、緑を意識した空間づくりが効果的でしょう。
・参考
都市の緑量と心理的効果の相関関係の社会実験調査について(国土交通省)
屋内空間における植物のストレス緩和効果に関する実験(日本緑化工学会誌 2006年32巻1号 p.247-249)
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