仕事と家庭、どっちが大事?
パートタイマー白書や学生を対象にした就職活動に関する意識調査など、当研究所が独自で行っている調査から見えてくることを考察します。
夫を雇用主とし、従業員である妻が業務として家事を担当する。そんな、結婚を雇用契約に見立てた男女の生活を描いた社会派ラブコメディ『逃げるは恥だが役に立つ』というテレビドラマが人気です。回を追うごとに評判を呼び、高視聴率を記録しました。
ドラマは、仕事と結婚という人生における普遍的なテーマを軸に、若者の就職難、草食系男子、女性の活躍推進、男女の役割など、今どきの世相をたくみに盛り込みながら、良質のエンターテインメントとして成立させています。
1日の家事・育児時間
ドラマには、主人公の雇い主である夫の手による雇用契約書が登場します。本物の雇用契約書のように、労働時間、休日、給与など、さまざまな規定があります。
実際の既婚女性は、家事にどのくらいの時間を費やしているのでしょうか。今年、弊社が発行した『平成28年版パートタイマー白書』は、女性活躍の現状と課題をテーマにしています。白書には、仕事を持つ既婚女性に「仕事がある日における自分と配偶者の家事・育児時間」を聞いた調査があります(図1)。
回答者である女性本人の家事・育児時間を見ると、「子供なし」では平均2.10 時間、「子供あり」では平均3.96 時間となり、子供の有無で差が大きくなっています。
雇用形態別では、正社員の家事・育児時間は平均3.12 時間、パート・アルバイトでは平均4.58 時間となっており、約1.5 時間の差が生じています。それぞれの配偶者の家事・育児時間は、「子供なし」家庭は1日平均0.77 時間で、1 時間を切っています。一方、「子供あり」家庭は平均1.18時間となっており、「子供なし」家庭との差は女性ほどではありませんでした。
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。