「認めとやる気」
~働きぶりを評価して、きちんと相手に伝えよう~
小杉 雅和(こすぎまさかず)
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“やる気”は仕事ぶりを左右する
「人は自分を認めた人を認める」と言われますが、会社や仕事においても同じです。「人は自分を認めてくれた職場を認め、さらなる認めを得よう」として頑張るのです。
“認め”には形がありません。人はこれを、相手からの言葉がけで感じます。ねぎらいは、相手の存在を認め、評価しているからこそできることです。働きぶりをよく見て、言葉に出してきちんと評価することが、パート・アルバイトのやる気を高めます。
少し古い調査ですが、平成17年版パートタイマー白書では、人の行動を左右する「やる気」についても聞いています。パート・アルバイトに、やる気になったとき勤務態度は変わるのか、聞いたところ、「大きく変わる」18.7%、「ある程度変わる」55.4%、合わせて7割以上が、勤務態度は「変わる」と回答しています。
どのように変わるのかを聞いた結果が、下記の図です。上位三つは「仕事への集中力が高まる」61.7%、「テキパキと働き仕事の能率が上がる」59.4%、「積極的に仕事に取り組む」57.1%が拮抗し、“やる気”が自身の仕事ぶりを左右することを、パート・アルバイト本人が自覚している結果となっています。
やる気になったとき勤務態度はどのように変わるか(複数回答)
自分に対する評価が“やる気”の源泉
また、現在の勤務先でやる気になったことがあるパート・アルバイトに、どんなときにやる気になったかを聞いた結果が下記の図です。
「お客様に喜ばれたとき」が最も多く52.5%、次いで「自分の仕事に対する評価があったとき」が46.8%となり、この上位2つが他を引き離しています。評価するのがお客様か、会社かという違いはあるにしろ、自分に対する評価が“やる気”の源泉になっていることが窺えます。次いで「仕事の成果が実感できたとき(34.5%)」、「上司から信頼されていると感じたとき(33.8%)」、「責任のある仕事を任せられたとき(32.9%)」と続き、「賃金があがったとき(21.8%)」は11番目の回答でした。
現在の勤務先でやる気になった事柄(複数回答)
働く上で、賃金があがれば、誰もが嬉しいと感じるでしょう。一方、引用した調査結果では、賃金があがることよりも、“自分に対する評価”を確認できることの方が、やる気につながるとの結果が出ています。
「パート・アルバイトの働きぶりをよく見て、努力や頑張りを認め、言葉で伝えていく」こんな当たり前のことが、パート・アルバイトのやる気を高めるのです。
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●文/小杉 雅和(こすぎまさかず)
【担当分野】賃金統計・アンケート調査等の作成、分析。
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