9割近くの企業が「戦略人事」の重要性を認識しているが、
実際に「戦略人事」として機能できている企業は約3割
9割近くが「戦略人事」の重要性を認識。市況よりも良い企業では、「当てはまる」が68.9%に
「戦略人事」が重要であるかを聞いたところ、「当てはまる」(59.5%)、「どちらかというと当てはまる」(29.5%)が合わせて89.0%と、9割近くが戦略人事の重要性を認識している。それに対して、「当てはまらない」(3.2%)、「どちらかというと当てはまらない」(4.0%)は少数派だ。
業績別に見ると、「当てはまる」とする割合が市況よりも良い企業で68.9%と極めて高く、市況よりも悪い企業の46.7%を大きく上回っている点が目立つ。
「戦略人事」を実践できている企業は31.6%にとどまる
では、人事部門は実際に「戦略人事」として機能しているのか。回答を見ると、「当てはまる」が5.5%と少なく、「どちらかというと当てはまる」(26.1%)を合わせても、31.6%にとどまっている。一方、「当てはまらない」(28.1%)、「どちらかというと当てはまらない」(36.6%)は合わせて64.7%。戦略人事の重要性は強く認識していても、人事部の抱える業務が多岐にわたり、スタッフ数も制限されることが多いため、実際には戦略人事として機能していない実態が浮き彫りとなっている。
業績別に見ると、市況よりも良い企業では「当てはまる」(11.4%)、「どちらかというと当てはまる」(28.7%)が合わせて40.1%に達しており、その割合は市況よりも悪い企業の割合(20.0%)の2倍に及んでいる。
戦略人事が機能していない理由は「人事部門のリソースの問題」が54.6%と過半数
戦略人事が機能していない理由を聞いたところ、最も多かった理由は「人事部門のリソースの問題」で、54.6%と過半数を占めている。次いで、「経営陣の問題」(45.4%)、「人事部門の位置づけの問題」(43.8%)、「人事部門のメンバーの能力の問題」(43.6%)が4割台で続き、以下、「人事部門の経営視点欠如の問題」(35.3%)、「人事部門の意識の問題」(31.2%)、「コミュニケーションの問題」(23.6%)と続く。回答結果を見ると、「経営陣の問題」もあるが、機能していない理由の中心はリソースや位置づけ、メンバーの能力など、人事部門自体が抱える問題が多いことが分かる。
業績別に見ると、最も多かった「人事部門のリソースの問題」は、市況よりも良い企業(54.4%)と市況と同程度の企業(58.5%)が、市況よりも悪い企業(41.2%)より10ポイント以上上回っている点が注目される。それに対して、市況よりも悪い企業では「経営者の問題」(61.4%)や「人事部門の経営視点の欠如の問題」(48.2%)など、経営手腕に関する理由が多くなっている。
実施時期 | 2018年4月2日~4月23日 |
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調査対象 | 『日本の人事部』正会員 |
調査方法 | Webサイト『日本の人事部』にて回答受付 |
回答数 | 4,630社、4,907人(のべ) |
質問数 | 184問 |
質問項目 | 1.戦略人事/2.採用/3.育成/4.制度・評価・賃金/5.ダイバーシティ/6.働き方/7.HRテクノロジー/8.新しい人事課題 |
出典:『日本の人事部 人事白書2018』
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