「AI時代のリーダーに必要なスキル・性質に関する実態調査」を実施
上位に「変化への柔軟性」「新しい技術への好奇心」「データ分析力」など
株式会社グロービス(東京都千代田区、代表取締役:堀 義人)が提供する定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」は、若手リーダーを対象に「AI時代のリーダーに必要なスキル・ 性質に関する実態調査」を実施しました。
<背景>
AI技術の進化により、組織運営や業務プロセスは大きな変化を迎えています。AIやデジタルツールの導入は、業務効率化だけでなく、意思決定の迅速化やデータ活用に基づく新しい戦略の構築などを可能にします。
一方で、人間ならではの創造性や柔軟性が、価値創出のカギとなっています。顧客の体験価値向上はもちろん、組織メンバー間の連携においても、テクノロジーを活用しつつ最適な形を構築することが求められています。このような時代において、組織のリーダーには、何が必要なのでしょうか。
そこで「GLOBIS 学び放題」は、新しいテクノロジーを業務に柔軟に取り入れていると考えられる若手社員の中でも、自身が率いる組織でAIを導入しているビジネスリーダー層を対象に「AI時代のリーダーに必要なスキル・ マインド」に関する実態調査を行いました。
<調査サマリー>
・AI活用の目的、「定型業務の最適化」が約半数
・AI活用で直面した課題1位は「メンバー間でのAI活用スキルや知識の格差」
・組織のリーダーとして重要な役割、1位は「AI活用による業務効率化の推進」
・AI時代のリーダーが持つべき性質、上位は「変化への柔軟性」と「新しい技術への好奇心」
・AI時代のリーダーが持つべきスキル、上位は「データ分析力」「コミュニケーションスキル」「リスクマネジメントスキル」
・ビジネスにおけるAI活用、期待が不安を上回る
AI活用の目的、「定型業務の最適化」が約半数
「現在、あなたが率いる組織では、AIをどのような目的で活用しているか」を尋ねる設問への回答は、1位が「定型業務の最適化」で47.7%、次いで2位が「データ分析・予測」で38.7%、3位が「コンテンツ制作の支援」で35.4%でした。この結果から、若手リーダーによる組織へのAI導入のうち、現段階で比較的進んでいるのは、議事録作成やデータ入力などの「定型業務の最適化」であることが明らかになりました。
AI活用で直面した課題1位は「メンバー間でのAI活用スキルや知識の格差」
「あなたが率いる組織のAI活用にあたって、リーダーとして直面した具体的な課題は何か」を問う設問の回答で最も多かったのは「メンバー間でのAI活用スキルや知識の格差」(35.7%)でした。続いて「AIのアウトプットの品質を確保・管理する難しさ」(32.0%)、「既存の業務プロセスやシステムへのAI導入の難しさ」(28.4%)が挙がり、4位以降も回答率25%を超える回答が続く結果になりました。ここから、組織でのAI活用にあたってリーダーが直面する課題には、様々なパターンがあることがうかがえます。
組織のリーダーとして重要な役割、1位は「AI活用による業務効率化の推進」
「ビジネスにおけるAI活用が進む中、自身が率いる組織に対して、あなた自身がリーダーとしてどのような役割を果たすことが重要だと思うか」を尋ねたところ、1位が「AI活用による業務効率化の推進」で48.0%、2位が「メンバーのAI活用スキルや知識の向上支援」で43.2%、3位が「AI活用を支える体制や仕組みの構築」で32.9%という結果になりました。ここから、若手リーダーは組織の業務効率化の推進だけでなく、メンバーのスキルアップ支援や組織体制の構築・組織文化の醸成も、重要な役割と認識していることがわかります。
AI時代のリーダーが持つべき性質、上位は「変化への柔軟性」と「新しい技術への好奇心」
「ビジネスにおけるAI活用が進む中、リーダーが持つべき重要な性質は何だと考えるか」を尋ねる設問への回答では、1位が「変化への柔軟性」で55.6%、2位が「新しい技術への好奇心」で43.2%、3位が「挑戦心」で34.1%という結果になりました。回答の多くが「変化への柔軟性」と「新しい技術への好奇心」に集中しており、この2つの性質が重要であるという実感を、現場でAI活用を推進する若手リーダーがこれらの2つの性質が重要であると実感していることがわかります。
AI時代のリーダーが持つべきスキル、上位は「データ分析力」「コミュニケーションスキル」「リスクマネジメントスキル」
また、「ビジネスにおけるAI活用が進む中、リーダーが持つべき重要なスキルは何だと考えるか」を尋ねる設問への回答では、1位が「データ分析力」で42.6%、2位が「コミュニケーションスキル」で38.4%、3位が「リスクマネジメントスキル」で37.2%、4位が「論理思考力」で36.0%という結果になりました。
AI活用の基盤となる「データ分析力」に最も票が集まるとともに、AIでは代替しにくい「コミュニケーションスキル」「リスクマネジメントスキル」「論理思考力」が僅差で続いたことから、若手リーダーが、人間ならではのスキルも重要だと認識していることがわかります。
ビジネスにおけるAI活用、期待が不安を上回る
「ビジネスにおけるAI活用が進むことについて、どう感じているか」を尋ねる設問への回答では、1位が「組織の生産性向上への期待」で39.6%、2位が「自身の業務負担の軽減への期待」で39.3%、3位が「クリエイティブな業務に集中できると期待」で32.6%が上位となり、4位の「AIを使いこなせるか不安」(27.5%)を上回る結果となりました。
この結果から、AIリテラシー不足や雇用・人間関係の変化に対する懸念は一定程度あるものの、生産性向上や業務負担の軽減といった期待の方が、若手リーダーにとって大きいことがわかりました。
まとめ
今回の調査から、自身が率いる組織でAIを活用している若手リーダーの約半数が、現在は「定型業務の最適化」を目的にAIを活用していることがわかりました。組織でのAI活用にあたって直面する課題は「メンバー間でのAI活用スキルや知識の格差」「AIのアウトプットの品質を確保・管理する難しさ」など多岐にわたっており、若手リーダーは、業務効率化の推進だけでなく、メンバーのスキルアップ支援や組織体制の構築・組織文化の醸成も重要視していることが分かります。
また、AI活用という新たな挑戦において、リーダーが持つべき重要な性質は「変化への柔軟性」と「新しい技術への好奇心」、重要なスキルは「データ分析力」に加えて「コミュニケーションスキル」などのソフトスキルが上位となりました。
さらに、ビジネスにおけるAI活用が進むことについて、若手リーダーは、不安よりも期待を大きく持っていることが明らかになりました。
<調査概要>
調査期間:2025年3月31日~4月3日
調査方法:インターネット調査
調査対象:会社員で主任クラス以上の職位を持ち、自身が率いる組織でAIを活用している30代の男女
調査人数:331名
モニター提供元:RCリサーチデータ
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社グロービス/5月12日発表・同社プレスリリースより転載)
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