2026年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)
就活準備と学業の両立に悩んだ学生は73.2%。エントリーシート選考のAI導入ついて、半数以上の学生から「評価基準が不透明で、すべてを正確に評価できない」と疑問の声
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2026年卒業予定の全国の大学生、大学院生を対象に実施した、「マイナビ 2026年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)」の結果を発表しました 。
【TOPICS】
◆73.2%の学生が1月にインターンシップ・仕事体験への参加や就職活動準備と、学業・定期試験の両立で悩んだり苦労したと回答
◆企業がエントリーシート選考にAIを導入することに対して、「AIの評価基準が不透明で、すべてを正確に評価できるわけではないと感じる」という回答が50.1%で最多に
◆「タイパ」を意識したインターンシップ参加・就活準備、就職活動について、メリットが多いと回答した学生は44.1%で前年比6.1pt増
【調査概要】
◆73.2%の学生が1月にインターンシップ・仕事体験への参加や就職活動準備と、学業・定期試験の両立で悩んだり苦労したと回答
多くの大学で定期試験が行われる1月に関して、73.2%の学生が、インターンシップ・仕事体験への参加などの就職活動準備と、学業・定期試験の両立で悩んだり苦労したと答えた。また、両立に悩んだり苦労したことがある学生に、就職活動準備と学業の両立に関して当てはまるものを聞くと、「学業を優先したい」学生は47.6%、「就職活動準備を優先したい」学生は41.3%となった。
多くの大学では1月から2月にかけて定期試験が行われ、3月からは就職活動が本格化するため、特にこの時期は就活準備と学業の両立に悩む学生が多いことがわかる。
◆企業がエントリーシート選考にAIを導入することに対して、「AIの評価基準が不透明で、すべてを正確に評価できるわけではないと感じる」という回答が50.1%で最多に
エントリーシート(ES)の選考に企業がAIを導入することに対して、どのような印象を持つか聞いたところ、50.1%が「AIの評価基準が不透明で、すべてを正確に評価できるわけではないと感じる」と回答した。
また、面接にAIを導入することに対しての印象を聞くと、48.3%が「AIがどのように回答内容を評価しているのかについて、疑問を持つ」と回答した。
ES選考のAI導入について自由回答で聞くと、「AIと人間の評価を総合的に合わせることで、公平な選考になると思う。」という前向きな意見がある一方、「AIを信用しすぎることはして欲しくない。人が全然内容を見ないとなってしまうと学生側も納得できないことになる」、「不正確に要約されたりする可能性があるため、推奨して欲しくはない」などがあがった。学生は自分たちの努力や個性が正確に評価されるか不安に感じていることがわかる。
面接へのAI導入について自由回答で聞いたところ、「場所や時間を選ばずに面接を受けられるため、学生、採用担当者どちらにもメリットがあると思う」といった、使い方次第では学生側と企業側の双方に恩恵があるという考えがうかがえた。しかしES選考へのAI導入に関する設問と同様に、「評価基準が不透明」、「確実にその人の意欲や感情を捉えきれているのか定かではないため、導入に違和感がある」などのAIの評価基準に対する懸念の声が多くみられた。AIのアルゴリズムや、どのようなデータを元に評価するのかが明確でないと、学生は自分の評価結果に対して納得感を持つことが難しい。面接は単なるスキルや知識の評価だけでなく、候補者の意欲や人間性を理解する場でもあり、AIがこれらの要素をどの程度正確に評価できるかについて疑問に思っているようだ。
◆「タイパ」を意識したインターンシップ参加・就活準備、就職活動について、メリットが多いと回答した学生は44.1%で前年比6.1pt増
「タイパ(タイムパフォーマンス)」を意識したインターンシップ・就活準備・就職活動について、どのように考えているかを聞いたところ、「メリットとデメリットが半々だと思う」と回答した学生は50.7%で最多となった。「メリットが多いと思う」と回答した学生は44.1%で、前年の38.0%から6.1pt増加した。
同質問の自由回答では、「タイパを意識するあまり、情報収集など準備がおろそかになる可能性がある」というデメリットを危惧する意見がある一方で、「研究活動や授業と就職活動を両立する必要があり、効率よく進める必要がある。」「効率よく動くことが出来れば、他の企業との比較やその他のことを見ることができるから」など、効率を重要視する声もあがった。
【調査担当者コメント】
キャリア形成活動や就職活動では「タイパ(タイムパフォーマンス)」に対してメリットを感じている学生の割合が増えており、限られた時間や制約の中で効率的に自身の学びを深めていこうとする学生の様子がうかがえました。
また、ESや面接の選考にAIが導入されることについては、選考基準の不透明さに対して懸念を持つ声が多くあがりました。多くの企業ではAIを補助的に利用していると思いますが、AIは効率化や選考基準の均一化が図れる半面、その判断基準が明確でない場合は学生の不信感を強めてしまう可能性もあります。AIを導入する際は、AIの出すアウトプットをどのように選考に用いるのかを明確に示すことで、公平かつ学生との信頼関係を損なわない選考を行えるのではないでしょうか。
マイナビキャリアリサーチラボ 研究員 服部 幸佑
【調査概要】「マイナビ 2026年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)」
○調査期間/2025年1月20日(月)~1月31日(金)
○調査方法/マイナビ2026の会員に対するWEBアンケート
○調査対象/2026年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生
○調査機関/自社調べ
○有効回答数/1,440名(文系男子227名 文系女子561名 理系男子325名 理系女子327名)
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社マイナビ /2月14日発表・同社プレスリリースより転載)