シニア・女性向け人材サービス市場に関する調査を実施(2022年)
2021年度のシニア・女性向け人材サービス市場は前年度比5.2%増の743億円
~アクティブシニアの増加、女性活躍推進の動き等を背景に、企業と働き手双方からのニーズが順調に高まる~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のシニア・女性向け人材サービス市場の調査を実施し、シニア向け人材サービス市場、女性向け人材サービス市場の動向や、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
1.市場概況
2021年度の国内シニア・女性向け人材サービス市場規模は、提供事業者売上高ベースで前年度比5.2%増の743億円となった。内訳は、シニア向け人材サービス市場規模が404億円(前年度比2.8%増)、女性向け人材サービス市場規模が339億円(同8.3%増)である。総務省統計局の「労働力調査」によると、2020年以降2年連続で労働力人口が減少しており、それに伴ってシニアや女性に対する採用需要が高まったことで、当該市場は拡大傾向にある。
シニア向け人材サービス市場では、定年退職後の人材による利用が多いシニア向け人材派遣業や、50代~60代前半の人材を中心に利用されているシニア向け人材紹介業で順調に需要が高まっている。また、コロナ禍以降はシニア向け再就職支援サービスも利用が活発であり、市場を拡大している。
女性向け人材サービス市場においては、女性役員等のハイクラス人材を扱うサービスや時短正社員に特化したサービスなどが展開されている女性向け人材紹介業のほか、幅広い年齢・職種に展開されている女性向け求人情報サービスにおいて、企業・働き手双方からのニーズを取り込み堅調である。
2.注目トピック
シニア向け、女性向けともに市場成長が見込まれるも、課題がある
シニア向け人材サービス市場においては、就業意欲の高いアクティブシニアの増加や、高年齢者雇用安定法等の法整備によってシニアの就業機会が拡大しており、これらが今後の当該市場を成長させる要因となることが見込まれる。一方で、シニア人材の雇用が若年層・中堅層人材の就業機会の減少に繋がっていることを指摘する声があることなどは、今後のシニア向け人材サービス市場の成長における課題といえる。
女性向け人材サービス市場においても、女性活躍推進法などの法改正や社会的な価値観の変化などによって、今後、企業における女性の登用・活躍施策や女性の就業意欲が活発化するものとみられ、市場拡大につながると考える。ただ、企業による“女性が働きやすい職場環境づくり”については現状課題が多く、市場全体で改善が必要である。
3.将来展望
2022年度の国内シニア・女性向け人材サービス市場規模は、784億円(前年度比5.5%増)と予測する。2022年度も企業による採用活動の活発化、法改正や各種政策によるシニアや女性の活躍推進の動き、働き手の就業意欲の高まりなどによって、シニア向け、女性向けのいずれの人材サービス市場においても拡大を続ける見通しである。
少子高齢化の進行に伴って今後も労働力人口の減少が見込まれる中、就業場面におけるシニアや女性の活躍は、日本の経済成長にとって重要な役割を担っている。2022年度以降もシニアや女性の雇用・就業を支援する人材サービスに対する需要は今以上に高まっていき、当該市場は長期的に成長を続けるものと推察する。
■調査要綱
1.調査期間:2022年4月~6月
2.調査対象:シニア向け人材サービス提供事業者、女性向け人材サービス提供事業者
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・電子メールによるヒアリング、ならびに文献調査併用
<シニア・女性向け人材サービス市場とは>
本調査におけるシニア・女性向け人材サービス市場とは、シニアおよび女性をメインターゲットとしてその雇用・就業を支援する人材サービス(人材派遣業、人材紹介業、再就職支援サービス、求人情報サービス)を対象としている。
<市場に含まれる商品・サービス>
シニア向け人材サービス(シニア向け人材派遣業、シニア向け人材紹介業、シニア向け再就職支援サービス、シニア向け求人情報サービス)、女性向け人材サービス(女性向け人材派遣業、女性向け人材紹介業、女性向け求人情報サービス)
■お問い合わせ先
株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
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メールアドレス press@yano.co.jp
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(株式会社矢野経済研究所 / 7月22日発表・同社プレスリリースより転載)