「働き方」のグローバル調査結果を発表 企業の約 60%が、ハイブリッドワークを取り入れなければ既存・新入社員を失うと認識
有意義な人と人とのつながりやコラボレーションを推進するグローバル コミュニケーション カンパニーである Poly (Plantronics, Inc.:旧 Plantronics とポリコム)は、従業員が望む、理想的な仕事をする空間・場所に対する企業の対応状況に関してのレポート「Recruit, Retain and Grow(人材の確保、定着、育成)」を発表しました。
本レポートでは、日本を含む世界 16カ国の 2,500社以上の意思決定者を対象に、職場の方針、文化、ウェルネスについて分析。パンデミック後における、企業の従業員の働き方に対する考え方や期待が明らかになりました。
<TOPIC>
- ハイブリッドワークの未来に万全の準備ができている - 日本の企業は 16カ国中最下位の 30%
- ハイブリッドワークの短期的な準備はしているが、長期的な計画は考えていない - 日本の企業は 16カ国で最も多い 51%
- ハイブリッドワークを継続するつもりはない - 日本の企業は 16カ国で最も多い 9%
日本の主な調査結果
- ハイブリッドワーク戦略の現在のアプローチ状況について、「ハイブリッドワークの未来に万全の準備ができている」と回答した日本の企業は 16 カ国中最下位の 30%でした。また、「短期的な準備はしているが、長期的な計画は考えていない」と回答した日本の企業は、16カ国で最も多い 51%にのぼりました。さらに、「ハイブリッドワークを継続するつもりはない」と回答した日本の企業は、16カ国で最も多い 9%でした。
- 従業員がどんな場所でもより生産的に働くことができるようカメラ、スピーカーフォン、コラボレーションツール、クラウドアプリケーションのようなテクノロジーへの投資については、どのテクノロジーに対しても「投資する予定はない」と回答した日本の企業は 16カ国で最も多い割合でした。
- どの国でも約 70%以上の企業が、新しい働き方に対応するために、オフィスのレイアウトを見直す、または設計する予定があると回答し、その見直しに関して日本の企業は、「より小さいオフィスへ移る」との回答が 16カ国で最も多い 32%にのぼりました。
- オフィスでの業務再開後 1週間のオフィスの平均稼働率について、「76 – 100%の従業員数」と答えた日本の企業の割合は 22%で、その他 15カ国に比べると約 2倍にのぼりました。なお、日本の回答の中で最も多くの回答数があったのは、「26 – 50%の従業員数」(31%)でした。
グローバルの主な調査結果
■安定した採用、定着が望めない
調査対象となった企業の半数以上(56%)が業務計画や業務プロセスのハイブリッド化を取り入れない限り、従業員の離職が増え、新たな人材の採用も難しいと考えています。この傾向は、EMEA - Europe、Middle East、Africa(55%)や南北アメリカ(53%)と比較した場合、APAC (60%)で顕著に見られます。世界全体で見ても、調査対象者の 58%が「ハイブリッドワーク非対応」の影響を痛感しており、パンデミック以降、従業員の離職が増加していると回答しています。また、従業員の「退職の主な理由」としては、以下の通り「事業主のハイブリッドワークへの取り組み」に関わる事由が挙げられています。
・より自分に合った職を見つけた(19%)
・ハイブリッドワークで、期待したほど柔軟な働き方ができなかった(16%)
・事業主の新型コロナ対策に不満があった(9%)
■戦略と公平性のミスマッチ
アジャイルな働き方に対して「十分対応できている」と回答した企業は全体の半数以下(48%)で、「期間限定で対応した」という企業は 37%でした。また、52%が「ハイブリッドワークは暫定的なもの」と考えていることがわかりました。一方、南北アメリカと APAC の事業主それぞれ 24%が、また EMEA の 17%の事業主が、従業員に対してフルタイムでの出社再開を望んでいます。事業主によるその他の主な回答は以下の通りです。
・従業員は出社再開の初日から柔軟な働き方を申請する権利が与えられるべきだ(80%)
・従業員が出社すべき日数について、社内規則で規定している(84%)
・従業員の出社は散発的であるため、オフィススペースの縮小を予定している(22%)
■企業文化や従業員のウェルネスに対する配慮不足が生産性向上の足かせに
調査対象となった企業の 72%が、「ハイブリッドな働き方へ移行した結果、生産性が向上した」と回答しました。一方で APAC の 62%、EMEA の 61%、南北アメリカの 56%の企業が、「キャリア向上に必要な人間関係の構築には、出社することが不可欠」と考えています。その他主な懸念事項は以下の通りです。
・労働衛生の観点から「恒常的なオーバーワーク」への懸念(49%)
・従業員が「四六時中、仕事に追われている」と感じずに済むような対策を講じていない(49%)
・リモートワークによって職場文化の醸成や維持がこれまで以上に難しくなった(74%)
■ハイブリッド時代の働き方における採用・維持・成長の鍵とは
今回の調査によると、大多数の企業(64%)が「企業の価値を決めるのは、豊富な経験と技術力であり、仕事をする空間・場所のみでは推し量れない」としています。事業主が強固なハイブリッドワーク戦略を展開するには、バーチャル、オフサイト、リモート、ハイブリッドなど、その定義にとらわれず、仕事をする空間・場所として利用できる選択肢を広げることが重要です。
■会議の平等性:従業員のバーチャル体験の均等化
先見性のある企業の 92%が「ソフトウェア/デバイス」と「クラウドアプリケーション/コラボレーションツール」に均等に投資しており、またヘッドセット、カメラ、スピーカーフォンに関しては、それぞれ 89%、 86%、 83%の企業が既に投資していると回答しています。
■オフィス設計の見直しによるオフィスワークの均等化
企業の 77%がオフィス設計の見直しに着手しており、壁などで区切らず、間仕切りを少なくしたオープンプランオフィス、コラボレーション用スペース、作業に集中できるクワイエットエリア、従業員同士が交流できるラウンジエリアなどを採用しています。つまり、事業主はこれらの空間の主な使用者となる従業員のことを第一に考え、オフィス設計に取り組んでいることが分かりました。
Poly日本法人の代表執行役社長、野村宜伸は次のように述べています。「今日の競争力のある企業にとって“ハイブリッドワーク”という選択肢を提供することは、最終目標ではなく出発点であると考えており、今回の調査は私たちの考え方を裏付ける結果となりました。従業員は、高度なテクノロジーの導入により、効率的に働ける空間や場所を提供する企業を求めています。企業戦略では、テクノロジーだけではなく『人』と『空間』が重要です。それの提供次第では、従業員の生産性の維持・向上の成功と失敗の分かれ目になることもあるのです。」
*本調査の実施期間は2021年12月から2022年2月です。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(Poly/ 3月24日発表・同社プレスリリースより転載)