グローバル人材の「キャリア形成」調査、目指すはジェネラリストよりもスペシャリスト
ビジネス・プロフェッショナル×バイリンガルのための転職・求人情報サイト「Daijob.com」を展開するヒューマングローバルタレント株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:横川 友樹、以下「当社」)は、同サイトの登録者に、「キャリア形成」についての独自調査を実施しました。
【調査結果のポイント】
■現在の職場に対する「満足/不満足」の要因は「キャリアアップ」「スキルアップ」両方が上位にあがった
■仕事をする上の優先度を、「スキルアップ」と「キャリアアップ」で比較すると、スキルアップの方が18.5%多い
■グローバル人材のキャリア形成は、語学力アップに加えて、ジェネラリスト(※1)よりもスペシャリスト(※2)として、スキルアップを目指す傾向が強い
※1. 広範囲の知識や経験を持ち、複数の分野をまとめ上げる役割を担う人材
※2. 特定の分野において専門的な知識・スキルのある人材
【はじめに】
近年、日本で進められている‟働き方改革“やコロナ下の影響で、多くのビジネス・パーソンが、これまでの仕事のやり方やキャリア形成を見直すこととなりました。特にオンラインでの業務を強いられることが多いコロナ下では、仕事の可視化や自主性、専門的なスキルが、より重要になってきています。日本で長く続くメンバーシップ型雇用から、ジョブ型雇用の必要性について取り上げられることが増えている背景から、Daijob.comの登録者に、キャリア形成の現状について独自アンケート調査を行いました。
【調査の詳細】
期間:2021年10月13日(水)~10月19日(火)
対象:Daijob.com登録者
方法:WEBフォームによる回収
人数:日本人:138名 外国人:164名 (合計:302名)
※質問により未回答もあるため、集計結果は必ずしもこの人数と合致していないことをご了承ください。
内容:グローバル人材のキャリア形成について
【調査結果】
1.転職サイト登録者でも、現在の仕事に満足している割合は40%存在している
現在、「積極的に転職活動中:54%」、現在の仕事に「満足している:40%」、「満足していない:60%」でした。転職サイトの登録者を対象にした調査のため、「転職活動を行っている」や、「仕事に満足していない」割合が多いことは、見込み通りでしたが、転職サイト登録者の中でも、「現在の仕事に満足している割合:40%」「良い会社があれば転職したい:36%」と、現状の仕事に対して肯定的に捉えている割合が一定数いました。
2.職場の「満足/不満足」の原因は、どちらの場合も「給料」「キャリアップ」「スキルアップ」「ワークライフバランス」の4つが上位
「Q2.現在の仕事に満足していますか?」の質問に対して、「はい」と「いいえ」それぞれ答えた理由を聞いてみると、どちらの理由も上位4つは同じ項目になりました。「給料」「キャリアアップできる/できない」「スキルアップできる/できない」「ワークライフバランス」、この4つの項目が、職場に対しての「満足/不満足」を分ける大きな要因になっているようです。その他の目立った結果は、「評価基準」の順位で、「満足していない」理由では6位にあげられ、「満足している」理由でも13位と低かったため、仕事における自己評価と職場での人事評価に乖離している傾向がわかります。
3.仕事をする上での優先度を、「スキルアップ」と「キャリアアップ」で比較すると、スキルアップの方が18.5%多い
「仕事をする上で、キャリアアップとスキルアップのどちらを優先的に意識しているのか」聞いてみると、スキルアップの方が18.5%多い結果となりました。上記の「調査結果2」によると、職場の「満足/不満足」の原因は、「キャリアアップ」と「スキルアップ」の項目が、どちらも微差程度でしたが、普段の仕事をする上では、「スキルアップ」が優先的な人材が多いことがわかります。
4.グローバル人材のキャリア形成は、語学力アップに加えて、ジェネラリストよりもスペシャリストとしてのスキルアップを目指す傾向が強い
「社外と社内でスキルアップ/キャリアアップするために行っていること」を聞いたところ、社外で最も多かったのは、「語学学習」29.3%でした。Daijob.comは、バイリンガルを武器に仕事をする人が多数のため、語学学習が習慣づいている人が多いです。社内での取り組みにおいては、業務の「実績アップ」が最も多く、続いて「研修受講」や「語学学習」となりました。「部署異動や転勤」「ジョブローテーションの利用」は4%以下に止まり、日本の会社で多く見られる“ジェネラリスト”としてのキャリア形成は少数となりました。上記の「調査結果3」にも表れているように、各分野のスキルアップを図りながら、スペシャリストとしてのキャリア形成に重点を置いている人材が多い結果となりました。
【調査結果を受けて】
ヒューマングローバルタレント株式会社 代表取締役 / 一般社団法人外国人雇用協議会 理事 横川 友樹
「スペシャリストとしての転職意向が増加傾向。生産性向上への良い流れあり」
日本の就業者数・約6676万人(2020年平均)(※3)のうち、転職実施者数は319万人(2019年:351万人)となり(※4)、2010年より増加し続けてきた転職者数が、2020年は一変して減少しました。コロナの影響により、企業のデジタル化・DX化が促進され、働く環境や事業の変化を目の当たりにした不安や希望により、会社に依存する意識でなく、自身のスキルをもう一段上げていくべきだと感じた人材が、増加したように感じます。転職を機に約半数の方は年収が下がるという従来のデータがありますが、今後こういったスキルアップ傾向により同職種で、スペシャリストとしての転職が増加することで、転職を機にスキルの実践と年収が上がる人材が増え、生産性の向上にもつながっていく可能性を感じます。
※3:出典:2021年11月公表 、総務省統計局「労働力調査」
※4:出典:令和3年(2021年)度版、厚生労働省「労働経済の分析(労働経済白書)」
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(ヒューマングローバルタレント株式会社 / 12月22日発表・同社プレスリリースより転載)