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ニュース
人事サービス 雇用・採用
掲載日:2021/09/14

シニア社員3000人に聞く「職場との関わり」に関する意識調査

働く意欲のカギはやはり職場でのコミュニケーション。仕事の悩みを話す相手、女性に比べ男性は限られるー男性の3割は「特にいない」

今年4月の法改正により、企業へ70歳まで就労機会確保への努力義務が生じました。サイボウズ チームワーク総研では、55歳以上のシニア社員約3000人を対象に「職場との関わり」についての意識調査を行いました。

[調査概要]
◆調査目的:シニア世代の「組織に関わる就労意識」を探り、今後の就業者高齢化を見据えた、組織内協業のあり方の参考とする。
◆調査対象:企業などの雇用者 3093名(正規職員・従業員、派遣社員、契約社員、嘱託)
※役員、パートアルバイトは含まない
*年齢:55-64歳
*エリア:全国
*割付条件:就業実態に寄せるため、男女/年代/勤務先の従業員規模 で割付
- 総務省統計局「平成29年就業構造基本調査」「平成26年経済センサス-基礎調査」参照
◆調査期間:2021年6月4日(金)~6月7日(月)
◆調査方法:パネルを活用したインターネット調査

《 調査結果のサマリ 》

  • 70歳までの就労機会拡大や65歳定年といった「就業年齢の上昇」に対し7割が歓迎
  • 66歳以降も働きたい人は、55-60歳層/61-64歳層それぞれ4割ほど
  • 辞めてもよいと思える早期退職割増金額、「501万円~1000万円」16%
  • 職場でコミュニケーションが取れている人は、職場との関係性がポジティブ
  • 職場での雑談時間「10分~30分未満」4割
  • 仕事の悩みを話す相手、女性に比べ男性は限られる。男性の3割は「特にいない」


■70歳までの就労機会拡大や65歳定年といった「就業年齢の上昇」に対し7割が歓迎
21年4月、改正高年齢者雇用安定法の施行により「70歳までの就業確保」が事業主の努力義務となりました。2025年には「65歳への定年引上げ」が全企業へ適応される見込みです。そのような中「就業年齢の上昇」について意識を聞いたところ、「歓迎する」が7割となりました。

理由を自由回答で聞いたところ、「歓迎する」と回答した人では「収入の確保」「年金などの生活不安」が大きな理由としてあがりました。また「社会とのつながりや貢献」「元気だから働ける」「良い選択肢やチャンスの増加」といった声もあがりました。

一方、「歓迎しない」と回答した人では「体力的な厳しさ」「早く退職/リタイアしたい」「年金支給年齢を遅らせるためのものだから」「人生をゆっくり楽しみたい」、また、高齢者が働き続けることで「若い人の雇用・成長への影響」を懸念する声もありました。

■66歳以降も働きたい人は、55-60歳層/61-64歳層それぞれ4割ほど
「何歳まで働きたいか」について、55-60歳の方々・61-64歳の方々それぞれに聞きました。両層とも「61-65歳まで」が多いものの、「66歳以上」も4割ほどとなりました。
※55-60歳の方は、「60歳以下」「61-65歳」「66歳以上」3つの選択肢から回答
※61-64歳の方は、「61-65歳」「66歳以上」2つの選択肢から回答

■辞めてもよいと思える早期退職割増金額、「501万円~1000万円」16%
様々な企業で早期退職の制度がみられるなか、早期退職の割り増し分がいくらであれば辞めてもよいかを聞いたところ、「501万円~1000万円」16%、「1001万円~1500万円」13%でした。一方で「お金では辞めない」とした人が約2割おり、最も多い割合となりました。※退職金全体ではなく「割り増し金額のみ」について回答

■職場でコミュニケーションが取れている人は、職場との関係性がポジティブ
働きたい年齢ごとに、職場とのコミュニケーション実感の有無をみました。55-60歳層/61-64歳層ともに、長く働きたいと思う人ほど、職場でのコミュニケーションがとれている実感も高くなっています。

また、職場とご自身との関係性について、職場でコミュニケーションがとれている実感がある人/ない人で傾向を見ました。「職場で役に立っている実感」「職場になじんでいる実感」「経験や知見がいかせている実感」いずれの質問でも、「コミュニケーションがとれている実感がある」人の方が多くなりました。そして、「職場で自分の役割が明確だという実感」「職場全体の使命(果たすべきこと)への共感」といった、職場のチームワークに影響する項目においても、「コミュニケーションがとれている実感がある」人の方が多くなっています。「業務効率を高めたい」でも差がみられ、働く意欲への影響もありそうです。
円滑なコミュニケーションが、シニア層の働く意欲や、職場のチームワークに対して良い影響をおよぼしている様子がうかがえます。

■職場での雑談時間は「10分~30分未満」4割
職場での雑談(業務には直接関わらないコミュニケーション)の時間数を聞きました。「10-30分未満」が4割で最多となり、雑談をしていない人は6%に留まりました。
※過去1週間の勤務日について、1日あたりの平均時間を教えてください
※対面だけではなく、E-mail(メール)・電話・グループウェア・チャット・web会議ツールの使用も含めます

■仕事の悩みを話す相手、女性に比べ男性は限られる、男性の3割は「特にいない」
「仕事の悩み・モヤモヤを、話したり相談したりする相手」を複数回答で聞いたところ、男女で傾向に差がみられました。男女とも「同じ部署の同期/同僚」が最多ですが、男性の25.9%に対し女性は39.6%でした。「家族」「社外の友人知人」でも、女性の方が高くなっています。逆に「特にいない」とした人は男性で3割を超え、女性は2割を切る結果となりました。
 

<まとめ>
今回の調査から、就業機会の上昇について「歓迎する」との声が7割、「66歳以降も働きたい」人は約4割となりました。シニアワーカーの方々が、年金などの生活不安を背景にしながらも、長く働くことを受け入れていることがわかりました。
そして、長く働きたい人ほど、「現在の職場でコミュニケーションをとれている実感がある」とする人が多いことが分かりました。「コミュニケーションがとれている実感がある」人の方が職場との関係性をポジティブにとらえており、シニア層の働く意欲や、シニア層を交えた職場のチームワークには、円滑なコミュニケーションが欠かせないことがうかがえます。
「職場での雑談」は、ほとんどの人がしている結果となりました。ただ、「仕事の悩み・モヤモヤの話し相手相談相手」では男女差があり、男性の場合は女性に比べ、相手が限られたり、特にいないとする人が多かったりするようです。
定年延長などにより、今後数年で職場には今以上にシニアの方々が増え、それ以外の年齢層とともにチームとなる機会が増えるものと思われます。日々変わりゆくビジネス環境のなかで、世代による価値観やスキルのギャップが顕在化する可能性もあるでしょう。どちらかが負担を強いられる関係性ではなく、チーム全体をプラスに導くポイントとして、適切なコミュニケーションとはなにかを模索することが重要だと考えます。


◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(サイボウズ株式会社/9月2日発表・同社プレスリリースより転載)

この記事ジャンル 高齢者活用

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