がんと診断されたとき、有職女性の不安は 「仕事への影響」が最多~『がんの罹患経験を持つ20代~50代の女性と、企業の人事担当者を対象とした調査』:アデコ
世界最大(*1)の人財サービス企業であるアデコグループの日本法人で、総合人事・人財サービスを展開するアデコ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:川崎健一郎、以下「アデコ」)は、がんの罹患時に正社員として就業し、現在も何らかの形で就業している20~50代の女性200人と、企業の人事担当者596人(従業員数300人以上:300人、従業員数300人以下:296人)を対象に、働く女性におけるがん治療と仕事の両立についてアンケート調査を実施しました。
平成29年6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2017」(骨太方針)において、働き方改革の一つとして、治療と仕事の両立推進が盛り込まれました。日本では2人に1人ががんに罹患すると推計されています。高齢になるほど罹患者が増えるとされる一方で、20代後半から50代前半の働く世代においては、男性よりも女性の「がん罹患率」が高い状況にあります(*2)。そこで、アデコでは、治療と仕事の両立推進の現状を把握するために、がん罹患時に正社員として就業していた20代から50代の女性と、企業の人事担当者を対象として、がん罹患経験と働く環境を調査しました。
*1:Staffing Industry Analysts 2016、人財サービス企業売上ランキングより
*2:国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計」
<結果サマリー>
1.がんと診断されたときの不安は、「仕事への影響」(56.5%)が最多。「家族への影響」(43.0%)や「治療による体調の変化」(42.5%)を上回る
・具体的には、「職場への迷惑」(59.0%)、「業務遂行への影響」(46.0%)、「治療や療養のために休暇を取ること」(43.0%)を不安視。
・「周りから必要以上に気を遣われること」(30.0%)、「不特定多数に知られ詮索されること」(25.5%)など、職場におけるコミュニケーションを懸念する声も。
2.治療と仕事を両立できたのは、「職場の上司・同僚・部下等の理解・協力」(64.0%)がトップ
・職場での理解・協力を促す意識啓発が、治療と仕事の両立の鍵を握っている。
・92.5%が「直属の上司」にがん診断を伝えることから、上司のチームマネジメントが重要。
3.がんに罹患した有職女性は、勤務先に「傷病休暇・休業制度の充実」(40.0%)や「柔軟な勤務形態の容認」(37.5%)を望む一方、企業の各制度の導入率は半数を下回る
今回の調査結果から、がん治療と仕事の両立支援において「上司や同僚等の理解・協力」が最も重要であることがわかりました。現状、がんを罹患した有職女性にとって、就労継続のための勤務制度は十分ではなく、企業は早急な対応が求められます。しかしながら、制度や体制などのハード面のみを強化しても、現場での理解・協力といった支援がなければ運用はうまく進まないと考えられ、ソフト面での職場環境の整備は大きな鍵となります。一方で、がんの病状や治療などは個別性が高く、現場のみでの対応が困難な場合もあります。そのため、今後は、対応マニュアルの策定やがん治療への理解啓発などへの重要度が高まっていくことが予想されます。
アデコは人財開発を担う立場として、がんを罹患した社員の個々の希望を踏まえたキャリア開発の支援と、企業の職場環境の整備・改善に貢献することで、治療を受けながら安心して働ける社会の実現を目指してまいります。
■調査対象
1)5年以内にがんを罹患し入院経験がある20代~50代の女性200人
(診断時に正社員、現在も何かしらの形で就業中)
2)企業の人事担当者596人(従業員数300人以上:300人、従業員数300人以下:296人)
■調査方法:インターネット調査
■調査実施時期:2017年7月21日~31日
◆ 本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(アデコ株式会社 http://www.adecco.co.jp/ / 8月15日発表・同社プレスリリースより転載)