「毎月の残業時間」公表義務化へ 採用への効果も期待
今年5月、厚生労働省は2020年をめどに従業員の残業時間の公表を大企業に義務付ける方針を発表した。対象は従業員数301名以上の企業、約1万5000社で、月あたりの平均残業時間の開示が求められる。これにより、企業の労働実態を可視化し、長時間労働を未然に防ぐ狙いだ(日本経済新聞より)。
すでに月ごとの残業時間公開を行っている企業もある。リスティング広告の専門会社である株式会社カルテットコミュニケーションズでは、今年1月から、毎月の平均残業時間を公開している。同社の残業時間は2016年平均で月9.5時間と、業界平均を大きく下回っており、今後も月ごとに公開を行うことで、労働環境維持の後押しとしたい考え。
近年では、働き方改革への意識の高まりにより、企業を選ぶ際の基準として「残業時間の長さ」をあげる就活生や転職者が増えている。社員の残業時間を減らし、外部に向けて公開することで、こうした人材へのアピールにもつながるだろう。本格的な義務化を前に、月ごとの残業時間公開を検討する企業は、ますます増えるのではないだろうか。
(『日本の人事部』編集部)