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【ヨミ】ピープルアナリティクス

ピープルアナリティクス

ピープルアナリティクスとは?

「ピープルアナリティクス(People Analytics)」とは、社員の人事データや行動データを収集・分析して、人材活用のための知見を得る技術のことです。社員の行動を、カード型やウェアラブル型端末に組み込まれたセンサー技術から得られるビッグデータとして取得し、オフィス環境の最適化などにつなげる手法などがあります。グーグルやフェイスブック、アクサ生命保険など、ピープルアナリティクス専門の部署を設立する企業も増えてきました。

更新日:2021/02/08

1.ピープルアナリティクスとは

ピープルアナリティクスは最新技術を使い、社員のモチベーションや活動状況などのデータから、最適な職場や働き方を考えるための手法です。採用や人材育成、タレントマネジメントなどにうまく活用することで、企業はもちろん、働く社員一人ひとりにとっても、大きなメリットが期待されます。

調査プロジェクト「Project Oxygen」

2009年ごろにグーグルが始めた「Project Oxygen」という取り組みがピープルアナリティクスの先駆けとされています。同社のピープルアナリティクスチームでは、「Project Oxygen」というプロジェクトを立ち上げ、優れたマネジャーの要件を研究しました。その結果、評価の高いマネジャーにあてはまる10の共通項を特定することに成功しています。

共通項は、マイクロマネジメントを行わないことや専門知識の有無、スキル面の特徴、コミュニケーション方法など多岐にわたります。

同様に「優れたチーム」をテーマに研究を行い、五つの要素を研究。こちらは自分の仕事に意味を見出せるか、心理的安全性があるか、などという要素の発見につながりました。

参照:優れたマネージャーの要件を特定する|Google合同会社

●心理的安全性をご存じですか?
上記のグーグルの研究により明らかにされたのが、「心理的安全性」がチームに与える大きな影響です。

心理的安全性とは|日本の人事部

PwC Japanの調査

PwC Japanの調査によると、人事データの分析に取り組み済み、または取り組む予定があるという企業は、2016年の44%から2019年には51%に増加。従業員5,000名以上の企業に絞り込むと85%に上ります。

また、どのようなデータを3年後に活用していたいかという調査項目では、「スキル情報」や「キャリアプラン情報」、「従業員意識調査」など、社員のモチベーションや育成に関する情報が上位となりました。

社員の「働きがい」や「エンゲージメント」を高め、そのパフォーマンスをフルに発揮させたいという企業のニーズが浮かび上がっているともいえます。

出典:ピープルアナリティクスサーベイ 2019調査結果|PwC

専門ツール・機関による推進

ピープルアナリティクスを名称に冠した専門のサービス・ツールの提供や、ピープルアナリティクスを推進する団体の設立など、その技術や取り組みへの関心が年々高まっています。ピープルアナリティクスを推進する「一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会」では、データ活用を行う上で避けて通れない個人情報との向き合い方を提示した「人事データ利活用原則(ガイドライン)」を2020年3月に公表。データの正しい取り扱い方を身につけた人材を育成するための資格講座の開講準備も進めています。

中長期的な人材不足が見込まれる現代において、ピープルデータ(従業員に関するさまざまな情報)の利活用は、重要なテーマの一つといえるでしょう。

2.ピープルアナリティクスの活用法やメリット

ひとくちにピープルアナリティクスといっても、活用法はさまざまです。代表的な活用法や、具体的なメリットを見ていきましょう。

タレントマネジメント

タレントマネジメントとは、メンバーそれぞれの個性を生かしたマネジメントのことを指します。従来よりも深く個人の特性やパフォーマンスを理解することで、適切な人材配置に生かし、パフォーマンスを向上させることができます。

人事異動や抜てきを行う際、主観的な印象や偏った情報で意志決定をすると、ミスマッチが生じる可能性もあります。異動後の活躍の可能性やチームとの相性などをデータとして可視化できれば、人事異動やプロジェクトメンバー選定における意志決定の精度を上げ、ミスマッチを減らす効果が期待できるでしょう。

人材育成

個人のスキルや個性をデータとして可視化することで、効果的な人材育成ができます。仕事の得手不得手や本人がイメージするキャリアパスといった定性的な情報は、上長やチームメンバーが把握するだけで、共有されていないことがよくあります。

定期的なサーベイやヒアリング・過去の成果などをデータとして可視化することで、より「個」にフォーカスした育成プログラムを開発することも可能です。

人材採用

人材採用を行う際の合否判定の指標としても、ピープルアナリティクスは活用できます。過去の書類選考のデータを分析し、活躍できる可能性の高い人材の共通項を抽出する、といった方法を採用する企業も増えつつあります。活躍しやすい職種や部署などがある程度特定できれば、新入社員のオンボーディングもスムーズに進み、早期退職の抑制にもつながります。

退職率の抑制やリテンション

人材流出は多くの企業にとって悩みの種ですが、従業員満足度のサーベイなどをもとに、退職する社員に共通する傾向やタイミングがわかれば、独自の「退職予測モデル」を構築できます。

退職予測モデルを活用し退職予備群を検知できれば、社員から退職を切り出される前にフォロー面談などの施策につなげられ、効果的なリテンションを行えます。

人事評価や制度の構築

従業員の人事評価や報酬制度にピープルアナリティクスを活用するケースもあります。人事評価は被評価者への主観的な印象に左右されがちです。公平で納得感のある評価を行うために、客観的なデータを裏づけとして使うことは、非常に有効だといえるでしょう。

ただし、AIなどを活用し評価する場合は、最終的には「人」が意志決定をしなければならないことに注意しておく必要があります。また、下した評価についてのアカウンタビリティ(説明責任)の担保も重要です。評価にAIを導入したことで、トラブルに発展したケースもあります。

健康経営やウェルビーイング

企業が健康経営やウェルビーイングに取り組む際、データを活用するケースもあります。サーベイなどのデータ収集以外に、ウェアラブルデバイスなどを使用し、従業員の状況や行動データを計測して蓄積したデータを活用するという流れです(※)。

デバイスで得た情報を分析し、オフィス改善や福利厚生の見直し、急な体調の変化がある人のフォロー面談などにつなげられます。

※従業員からデータを収集するときは、丁寧な説明と同意が必要です。

現場理解、人材理解の促進に必要

上述した活用法はつまるところ、包括的な現場への理解、人材理解の促進とまとめることもできます。主観的な情報だけでなく、客観的なデータも参照することで、より正しく組織の現状を把握できます。

例えばテレワークが急速に普及する中、テレワーク時の部下のマネジメントに悩む管理職も少なくありません。仕事への取り組み状況や成果もデータと合わせて見れば、メンバーの状況も把握しやすくなります。

3.企業でのピープルアナリティクスの取り組み事例8選

企業でのピープルアナリティクスの取り組みについて、8社の事例をピックアップして解説します。

株式会社 日立製作所

従業員約33万人を抱える株式会社 日立製作所は、2018年からピープルアナリティクスに取り組んでいます。

多岐にわたる事業それぞれに適した人材像が異なるため、採用に課題を抱えていました。そのため同社が初めに取り組んだのが、採用領域でのピープルアナリティクス活用です。社内で活躍しているハイパフォーマーの特徴や、人材についてカテゴリ分けしたデータを分析した上で採用ポートフォリオを見直しました。

現在は各種サーベイや行動データなどを掛け合わせた、ピープルアナリティクスに取り組んでいます。

取り組み例

データに基づいた採用ポートフォリオを構築

社内でハイパフォーマーや活躍人材に関する情報を収集。収集したビッグデータに基づき、採用すべき人材のポートフォリオを新たに構築しました。このポートフォリオを基に採用活動を進めたことで、以前とは異なるタイプの社員の採用に成功しています。

筑波大学との産学連携

筑波大学の指導により開発した指標を基にピープルアナリティクスを行っています。調査の結果をAIで分析、その結果を人材の適正な配置などに生かしています。

ノー残業デーの実施

社内における生産性に関する調査から判明した、「金曜日に残業しているチームは生産性が低い」という結果を基に「金曜日ノー残業デー」を実施しています。日中の業務に集中しやすくなり、定時退社が増え、在宅勤務もしやすくなるという効果が得られています。

参照:人財|株式会社 日立製作所

株式会社セプテーニ・ホールディングス

株式会社セプテーニ・ホールディングスでは2009年から社員データの蓄積をスタートさせており、2014年からピープルアナリティクスを実践しています。

同社では人材育成を科学的に測定するため、方程式として「G:成長 = P:個性 × E:環境(T:チーム + W:仕事)」を定義しています。

独自のアセスメントによって社員それぞれの個性を分類し、チームと仕事の相性を高めることで、生産性を高めていることも特徴です。また同理論を採用にも応用、活躍度を予測するなど、現在では選考プロセスの中核をなしています。

取り組み例

個別最適化教育システム

2019年より、新卒採用時には内定者に個別の育成計画「キャリアシミュレーション」を提供しています。集合研修だけでなく、個々人にカスタマイズした育成を実施しています。

社員1名に対し2名のコーチが指導、育成

業務に関する指導と、ビジネスマンとしての基本的な能力の指導を両輪で行うため、1名の社員に対して2名のコーチが付き指導を行う制度です。事業部門からはビジネスコーチが、人事部からはキャリアコーチがそれぞれ選ばれ指導と育成を行います。

キャリアに関するフィードバック

社内で収集したキャリアに関するデータを基に、社員一人ひとりに対して今後のキャリアにおいてどのような可能性があるかを、具体的にフィードバックします。フィードバックを受けることにより、自分のキャリアについて中長期的な見通しが立てられ、モチベーションや生産性が向上する効果も見込めます。

参照:人材育成の取り組み|株式会社セプテーニ・ホールディングス

ソフトバンクグループ株式会社

ソフトバンクグループ株式会社には、ピープルアナリティクスのチームが設置されています。専門組織の立ち上げ以前からピープルアナリティクスに積極的に取り組んできた実績があり、その最大の特徴は、最先端のテクノロジーをいち早く取り入れていることでしょう。

最新テクノロジーにより人事領域の業務効率化を実現しつつ、ピープルアナリティクスを実践しています。

取り組み例

新卒採用にAIを活用

守りの採用ではなく、攻めの採用をするという方針の下に2017年から新卒採用エントリーシート選考時にIBMのAI「Watson」を導入・活用しています。AI導入以前は人が行っていた選考時のエントリーシートの確認業務が約75%削減できるなど、大幅な効率化に成功しました。

動画面接の評価にAIを導入

2020年からは、動画面接の評価に対してAIを導入しました。完全にAIのみで合否判定を行うわけではなく、不合格となった動画も担当者がきちんと確認することでエラーや不公平さを回避しています。

参照:新卒採用選考における動画面接の評価にAIシステムを導入|ソフトバンクグループ株式会社

株式会社ディー・エヌ・エー

株式会社ディー・エヌ・エーでは2017年にピープルアナリティクスの専門チームを設置しました。2019年には人事データについて収集し分析するHR Techチームを設置し、各事業部を担当する人事チームである「HRビジネスパートナー」と連携した取り組みを行っています。

社内における各種サーベイから得られるデータを統合的に分析することで、組織の状況を可視化。同社では、ウェアラブルデバイスを使って、行動データを可視化するなどのユニークな取り組みも行っています。

取り組み例

マンスリーアンケート

月次で全社員を対象にアンケートを行っています。毎月のやりがいを7段階で評価する項目と、フリーコメントで振り返りをする項目で構成されています。

組織状況アンケート

半年に一度行われる、所属組織に対する評価を行うアンケートです。このアンケートを材料に、組織の改善点などを模索します。

360°フィードバック

通常の評価は上司が部下に対して行うものですが、360°フィードバックではメンバーがマネジャーを評価します。部下が上司を評価することによって公正な評価を実現しています。

データ収集ツールを社内で開発

データ収集の際、必要な要件に柔軟に応えるため、フィードバックや評価などに使用する専門ツールを社内で開発しています。

参照:「社員の個性・能力を活かす仕組みを強化していきたい」HR Techチームが進めるモノづくりとは|株式会社ディー・エヌ・エー

株式会社フジクラ

株式会社フジクラは健康経営にデータを活用するため、2011年に「ヘルスケア・ソリューショングループ」を設置しました。

同社では従業員の同意のもと、検診データや活動量計、社内に設置された計測機器などのデータを収集し、分析の結果「活動量の不足と生産性の低下の相関関係」を特定しました。
ウォーキングイベントを実施するなど、実際の施策に生かしています。

取り組み例

フジクラグループ健康増進プログラム

社内で収集した健康データに関する情報を分析し、仮説を立て、具体的な施策に落とし込む独自のプログラムです。データを基にして実施した取り組みの評価についてKPIを設定し、中期経営計画と同じ5年タームで評価を行っています。

データ活用により導入された施策の一例として「活動量を上げるためのウォーキングイベント」が挙げられます。活動量の低下が生産性の低下を招くということがデータ分析でわかったため、いつでも取り組める運動「歩くこと」を推進しようと考えた結果です。

参照:人財の価値を高める健康経営|株式会社フジクラ

※取り組み内容、経歴は取材当時のものです

パーソルホールディングス株式会社(旧テンプホールディングス)

パーソルホールディングス株式会社(旧テンプホールディングス)では、「人事情報を活用し、未来を予測し先手を打つ人事を実現する」というミッションの下に、ピープルアナリティクスや各種人事施策の展開に取り組んでいます。

取り組み例

独自の人事予測モデルを開発

社内に蓄積されていたデータを基に、独自の予測モデルである「退職予測モデル」「異動後活躍モデル」を開発。個人情報と人事データを掛け合わせた退職予測モデルは約90%の精度を実現しました。特に人材流出を防ぐリテンションに役立てています。

部署異動した際に活躍できるかどうかという「異動後活躍モデル」は人材戦略会議で活用されています。

システム上でデータ収集しやすい仕組みを設定

データ活用で壁になりがちな「データの収集」については、システム上で入力項目を制御することによる入力時に「誤りを生まない仕組み」と、「間違えたらすぐに直せる仕組み」によって正しくデータが収集されるよう工夫する仕組みを構築しています。

複数のシステムにちらばったデータはシステムを連携させることで統合し、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールなどを通じて可視化を行っています。

※取り組み内容、経歴は取材当時のものです

株式会社サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェントの新卒採用チームは、社員入社後の活躍状況をデータ化し、ピープルアナリティクスに活用しています。自社の開発力を生かして施策を展開していることも特徴です。

取り組み例

オリジナルのアンケートツールを開発、サーベイを毎月実施

サイバーエージェントでは従業員のコンディションを可視化するために、社内で開発したアンケートツールによるサーベイを毎月実施しています。

質問数は少なく抑えており、回答する社員が気軽に取り組めることも特徴の一つです。回答欄にはフリーコメント欄も設けており、組織に関するさまざまな情報を収集しています。定期的なサーベイの実施により、フォローの必要な人員が速やかに把握できる状態になっています。

サーベイの結果に応じた面談の実施

人事担当者は毎月上記のサーベイ結果を読み込み、結果をもとに必要に応じて人事部との面談やフォローなどの施策へつなげています。

※取り組み内容、経歴は取材当時のものです

サトーホールディングス株式会社

2020年10月に創業80周年を迎えたサトーホールディングス株式会社は、ハンドラベラーやバーコードプリンタなど、小売ビジネスに欠かせない製品を長きにわたって生産しています。

現場主義を貫き、会社の改善点を社員がいつでも提出できるシステムを社内に持つなど、積極的に社員とコミュニケーションをとる仕組みを展開しています。

取り組み例

三行提報

社員が、会社に提案や改善案を提出する制度です。制度自体は1976年から行われていますが、現在は専用システムが導入されています。日々定性的なデータ収集が行われていて、よいアイデアや意見に対しては、インセンティブを与えていることもポイントです。

タレントマネジメント

「自ら考え行動し変化を起こす人財」を育成するため、2018年からタレントマネジメントシステムを導入しました。給与以外の人事データや目標設定、360度評価など、あらゆる情報をシステムで一元管理しています。

同社では異動や抜擢の意志決定にタレントマネジメントシステムを活用、事業を成長させるために「感覚」ではなく「データ」に基づいた納得感のあるポジショニングを重要視しています。

※取り組み内容、経歴は取材当時のものです

4.ピープルアナリティクスにおける四つの課題

ピープルアナリティクスを導入・実施する際には、どのような課題が考えられるのでしょうか。

活用できるデータがない

ピープルアナリティクスを実践する際の一つめの壁は、「そもそも分析するデータがない」ことです。

採用や異動、給与などの労務管理上に必要な人事データは組織内にあるかもしれませんが、一歩踏み込んで従業員がどのように活躍したのか、現在のモチベーションの状態はどうか、健康状態はどうかなど、行動や活動に関するデータが存在しないことが少なくありません。組織的なサーベイを行っていない企業では、従業員満足度などのデータも不足してしまいます。

まずはピープルアナリティクスの目的を定め、データ活用のために必要な情報を定義し、蓄積することから始めるとよいでしょう。

人事データなどがあちこちに散在している

もう一つありがちなのが、人材に関するデータがあちこちに散在しているケース。評価面談や1on1面談などの履歴や、個々人のスキルや特性といった定性データを、マネジャーなどの事業部側のみで保有している場合も多く、フォーマットもさまざまです。

データが散在している場合には、それぞれのデータを活用しやすい形式に統合する作業が必要です。データを整理するチームがない場合は、部署横断プロジェクトを発足させるのも一つのアイデアです。

通常業務で忙しく取り組む時間がない

人事担当が評価や採用、労務管理などのルーティン業務に多くの時間を取られ、ピープルアナリティクスをはじめとしたデータ活用に取り組む時間がないこともよくあります。人事部は少数精鋭で業務を行っていることも多く、業務効率化が必要となってきます。

ITツールなどを活用し、Excelや紙を使った業務について効率化するだけでも、大きな工数削減になることが少なくないため、導入してみる価値があるでしょう。

分析できる人材がいない

高度なデータ分析やその環境整備には、データサイエンティストの力が求められます。しかしながら、データサイエンティストなどのデータ分析に長けた人材は少ないのが現状です。

どのような人材が必要かは、どんなデータ分析を行いたいかによります。Excelなどの表計算ソフトを用いた統計分析であれば、ある程度の統計の知識があれば行うことができます。一方、退職モデルの構築のように、ディープラーニングなど最新技術を用いた本格的なピープルアナリティクスを行うなら、専門人材が必要です。中途採用や人材派遣などを活用して外部から人材を確保するか、社内でリクルーティングして体制を整えるなどの施策を検討することも必要でしょう。

個人情報の取扱い

ピープルアナリティクスをビジネスに活用する上で避けて通れないのが個人情報の取扱いの問題です。人事情報や行動ログなどを情報収集する場合には、個人のプライバシーなどにも十分に配慮しなければなりません。間違った扱い方をしてしまうと、後々トラブルに発展する可能性も考えられます。

先に述べたピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会では、データを活用する際の留意すべき九つの原則を以下の通り発表しています。個人情報をどのように活用すればよいか迷ったときに、参考にしてください。

  • データ利活用による効用最大化の原則
  • 目的明確化の原則
  • 利用制限の原則
  • 適正取得の原則
  • 正確性、最新性、公平性の原則
  • セキュリティ確保の原則
  • アカウンタビリティの原則
  • 責任所在明確化の原則
  • 人間関与の原則

引用:ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会

5.ピープルアナリティクスが学べる書籍

ピープルアナリティクスが学べる書籍をご紹介します。人事戦略からデータの扱いまで、それぞれテーマが異なるので、知りたいテーマに近いものを選んでみてください。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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