サバティカル休暇
サバティカル休暇とは?
長期間勤務者に与えられる長期休暇のこと。通常の有給休暇や年次休暇とは異なり、使途に制限がなく、期間は少なくとも1ヵ月以上、長い場合は1年間の休暇となる場合もあります。
ワークライフバランスを考えた長期休暇取得制度
海外では人材流出対策として定着
1990年代、ヨーロッパの企業で、将来を期待された優秀な人材が次々に辞めてしまうという現象が発生しました。主な原因は個々の企業の事情に起因するものより、むしろ、“仕事も大事だが、家族やその人自身の生活もまた重要だ”という、ワークライフバランス(Work Life Balance)という価値観の登場が背景にありました。当時は好景気で、労働者の立場が強かったこともあり、人材流出対策の一環として、1年以上の長期休暇を取れる制度を導入する企業が増えました。
休暇制度が充実しているフランスには、目的別の休暇(「企業の創設または再生のための休暇」、「職業教育休暇」)のほかに、使途に制限がないサバティカル休暇があります。
条件としては、
(1)そのとき勤めている企業における勤務年数が3年間以上、かつ通算の勤務年数が6年以上
(2)そのとき勤めている企業で過去6年間に長期休暇を利用していない労働者
(3)期間は6〜11ヵ月
となっています。
使途は自由(ただし競業禁止義務あり)で、休暇取得後は取得前と同じ仕事またはそれに類する仕事に復帰でき、給与についても、取得前と同等またはそれ以上が支給されます。使用者は同時期にサバティカル休暇を取得する従業員の人数が一定水準を超える場合に休暇の取得時期を遅らせることができるほか、その従業員がいなくなり企業の円滑な業務に支障が出る場合には休暇の取得を拒否することができます。 休暇中は無給ですが、2003年、有給休暇を積み立てて(年間最大22日)無給休暇の際の給与補償に充てる休暇貯蓄制度が導入されました(厚生労働省 「2003〜2004年 海外情勢報告」より)。
スウェーデンのサバティカル休暇制度は、最長1年間、休暇を取得でき、その間、労働者は手当てを受給できます。休暇中、企業は代替要員として一時的に失業者を雇い入れることになっています。
一方、日本の休暇制度をみると、育児休暇、ボランティア休暇、社内留学制度などが導入されている企業はありますが、全般的に長期休暇の認知度・理解度は低く、サバティカル休暇どころか、既存の休暇制度の活用も定着しているとは言い難いのが現状です。
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