ジョブ・カード
ジョブ・カードとは?
フリーターや育児を終えた女性などの就職活動を支援する制度のこと。政府が「経済財政改革の基本方針2007(骨太の方針)」で掲げた成長力底上げ戦略の柱の一つです。
職業訓練暦や能力評価を記録したカードを交付
求職者の就業機会の創出と就業者数の増加を図る
「ジョブ・カード」制度は、英国のNVQ(全国職業資格)という制度を参考にしています。職業訓練の機会が少ないフリーターやニート、育児を終えた女性、新卒者などの求職者を対象に、職業能力の向上や就業機会の創出を目的として、政府と「ジョブ・カード構想委員会」(委員長・森下洋一松下電器産業相談役)がまとめたものです。
同制度は、これまで厚生労働省や経済産業省、文部科学省など各省庁がそれぞれ取り組んでいた就職支援策、人材育成策を政府が一体化させたもので、2008年度から開始されます。同制度導入後の3年間で20万人、5年間で40万人の職業訓練修了者を見込んでいます。
求職者はまず、ハローワークや民間の人材紹介会社などに申し込み、キャリアコンサルタントによるコンサルティングと、個々に応じた訓練プログラムの紹介を受けます。プログラムには企業が実施する職業訓練や、大学や専門学校で開講されている教育プログラムなどがあり、受講修了後、その証明として訓練内容や基礎能力・技術能力に関する評価などが記された「ジョブ・カード」が交付されます。求職者はこの「ジョブ・カード」を活用して就職活動を行う仕組みです。同制度は、求職者の就職活動が円滑に進み、定職に就きやすくする効果を高めるほか、求職者の訓練履歴や詳細な能力評価が客観的に分かるので、企業が求める人材像とのミスマッチが軽減すると期待されています。
2008年度の導入に向け、制度の実効性を高めるには、業種ごとの実践的な訓練内容の構築や、求職者に対する明確な能力評価の基準づくりが必要となります。政府は、具体的な運用方法を年内までにまとめるため、経済団体、業界団体などと共同で能力評価基準の作成を急いでいますが、基準のある業種は30弱にとどまっているのが現状です。
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