【ヨミ】マネル

マネル(Manel)

マネル(Manel)とは?

「マネル」とは、男性ばかりで構成されるカンファレンスや会議を批判の意味を込めて表す造語です。英語で識者や登壇者、討論会を指す「パネル(Panel)」に、「男性(Male)」の要素を加えたのが「マネル(Manel)」。現代社会において、リーダーの役割を担う経営者や政治家などには男性が圧倒的に多いため、イベントやカンファレンスでも男性の登壇者が多くなる傾向があります。社会的マジョリティばかりが公の場に立つことによって、結果的にマイノリティの意見が排除されやすいといった問題が指摘されています。
 

掲載日:2023/03/16

なぜ「登壇者が男性ばかり」になるのか?
人選がオーディエンスに与える影響

近年は、登壇者・出演者が男性ばかりのカンファレンスやイベントが問題視されています。なかには「ジェンダーギャップのあるイベントには今後登壇しません」と表明する登壇者も。とはいえ、イベントを企画・運営する側からすると「登壇を依頼するようなリーダーには男性が多いから仕方がない」という思いもあるかもしれません。まずは、「そもそも登壇を依頼できるのが男性ばかり」という事象に目を向けてみましょう。

大勢の前でスピーカーの役割を担うことが多いリーダーや上位役職者ですが、帝国データバンクによると、2021年の女性管理職割合は8.9%。役員に占める女性割合は平均11.8%で、役員が全員男性という企業は半数を超えています。

政府はもともと2020年までに管理職の女性割合を30%程度まで引き上げることを目標に掲げていましたが、20年には「30年まで」と先送りにする判断をしました。前出の調査において、現在と比較して今後は女性の管理職割合がどのように変わるかを聞いたところ、「増加する」と見込んでいる企業が22.6%に対し、「変わらない」は58.9%となっています。

なぜ女性リーダーは増えないのでしょうか。「リーダーを志望する女性自体が少ない」という声も聞こえてきますが、無意識のうちに、性別によって役割を分担しているのかもしれません。人の価値観は、日々の生活やメディアで目にするものによって形成されていきます。「マネル」を解消することが、ジェンダー意識を変革していくことにつながるのではないでしょうか。

「マネル問題」が指し示すものは、ジェンダーに限らず、障がいの有無や国籍などの属性にも当てはまります。多様性の推進が求められている今、イベントを企画・運営する担当者は、登壇者の人選にどのようなメッセージや意味があるのか、立ち止まって考えなければなりません。

参考:女性登用に対する企業の意識調査(2021年)|帝国データバンク

 

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企画・編集:『日本の人事部』編集部

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