企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】セイジョウセイバイアス 正常性バイアス

「正常性バイアス」とは、予期せぬ事態に遭遇したときに「自分は大丈夫だろう」という先入観やバイアスが働き、正常の範囲だと思い込んでしまうことをいいます。心理学の用語で、社会心理学や災害心理学、医療用語としても使われています。

正常性バイアスのケーススタディ

「うちの会社は不祥事とは無縁」
その考えこそが正常性バイアス

正常性バイアスは、心の平穏を保つための脳による防御反応でもあります。日常生活において、起こりうる危険な出来事に対して常に敏感でいると疲れてしまうからです。一方、正常性バイアスが働いた結果、危機的状況が目の前までやってきて初めて、重大な事態にあることに気付くケースもあります。特に自然災害や火事などが発生したとき、正常性バイアスによって対応が遅れると、被害が拡大することも考えられるので、注意が必要です。

被災の状況を伝えるニュースを見て「どうしてすぐに避難しなかったのだろうか」と思い、企業の不祥事が報じられると「不祥事につながるとなぜ想像できなかったのだろうか」と感じたことがあるのではないでしょうか。しかし、そこには当事者にしかわからない現場感があるのです。テレビの向こうから冷静に見ている人たちも、同じ状況下に置かれたら、正常性バイアスの影響を受けて冷静に行動できなくなるかもしれません。

大切なことは、「将来」起こりうる危機に対して、「今」どう備えるか。例えば企業の場合、常日頃から経営層へのメディアトレーニングを行っていると、有事の際に記者会見で失敗する可能性は低くなるでしょう。将来、起こり得ることを想定し先回りして対策を講じることで、正常性バイアスに陥らず、ピンチをチャンスに変えることができます。不祥事に対する素早い対応が、企業イメージを高める可能性もあるのです。

パニックに陥らないように私たちを守ってくれている正常性バイアスと上手に付き合うには、目先の業務だけでなく、広い視野を持って将来に備えることが大切です。とはいえ、日々慌ただしく業務をこなす中で、訓練を行う余裕がない企業も多いでしょう。その場合、訓練自体を社内イベントにしてしまう、という方法もあります。例えば、防災の日にあたる9月1日に従業員を含めた避難訓練を実施したり、メディアトレーニングを行ったりするなどして、「備えるための日」を演出すれば、従業員への啓蒙もできるので一石二鳥です。正常性バイアスの存在を知ることが、危機に対する意識を高めることの第一歩となります。

記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

あわせて読みたい

企業風土
企業風土とは、組織における共通の思考や行動様式を生み出す、その企業独特の環境や性質のことです。「風土」という言葉には、その土地の気候や地形などの条件から影響を受けて様相が形成されていくという意味合いがあるように、長い年月を経て醸成されます。
クライシス・コミュニケーション
「クライシス・コミュニケーション」(Crisis Communication)とは、非常事態の発生によって企業が危機的状況に直面した場合に、その被害を最小限に抑えるために行う、情報開示を基本としたコミュニケーション活動のことです。リスクマネジメントの一環として、事実関係や実施する危機管理対策の内容...
EVP
EVPとは、Employee Value Propositionの頭文字をとった略語で、直訳すると「従業員価値提案」。つまり、企業が従業員に提供できる価値のことを指します。従来の「従業員は会社にどのような利益をもたらすか」という視点ではなく、「企業は従業員に何を提供できるか」という視点に立つのが、E...

関連する記事

コンプライアンスと労働法 ~企業・従業員とコンプライアンスの関係
さまざまな形で関わっている「コンプライアンス」と「労働法」――。第1回では、両者の基礎知識について紹介します。
2005/06/20掲載人事・労務関連コラム
「人口減少」と「団塊の世代の大量定年」は、企業の人事戦略にどのような影響を与えるか?
国立社会保障・人口問題研究所の2002年1月の推計では、日本の総人口は「2006年をピークに減少していく」と見込まれています。しかし昨年8月に発表された厚生労働省の「人口動態推計」(2005年上半期)では、統計開始以来、初めて減少を示し、もうすでに日本の人口が...
2006/03/13掲載人事・労務実態調査
2016年「ホワイト企業」認定がスタート! 日本次世代企業普及機構(JWS)が取り組む、次世代に残したい良い会社の基準とは?
一般財団法人日本次世代企業普及機構(Japan White Spread:以下、JWS)は、将来性やビジョン、働きがいといった要素において、これからの時代に残すべき素晴らしい中堅中小企業を発掘し、「ホワイト企業」として認定・表彰を行うことを目的に誕生しました。...
2016/02/10掲載注目の記事

関連するQ&A

26業務について
26号業務内で2つ以上の業務を行う契約書(○号業務と○号業務のような形式)は有効となるのでしょうか?
08年賃上げ
お疲れ様です。 08年度の全国平均昇給額と昇給率のデーターをお持ちでしたら、教えて頂きたくお願い申し上げます。 大企業・中企業・小企業別にあれば、なお幸でございます。
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

注目のキーワード解説をメールマガジンでお届け。

Withコロナ時代は社内研修をオンライン化! 「よくわかる人事労務の法改正」ガイドブック無料ダウンロード

50音・英数字で用語を探す

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


新しいエクスペリエンスの時代へ- タレントデータの活用と働き方の未来 -

新しいエクスペリエンスの時代へ- タレントデータの活用と働き方の未来 -

タレントデータの一元管理や活用はもとより、いま、企業人事にも、社員一人...


いま求められる「ハラスメント対策」<br />
~人事部が果たすべき「役割」とは何か?

いま求められる「ハラスメント対策」
~人事部が果たすべき「役割」とは何か?

近年、職場ではさまざまな「ハラスメント」が増加してきている。しかし、な...