日本能率協会、第4回「ビジネスパーソン1000人調査」(ダイバーシティ)
外国人・女性管理職・シニア・障がい者と働く人の半数以上は、職場への影響を実感
企業の人材育成やものづくり革新、調査・システム開発などの経営支援サービスを提供する日本能率協会グループは、このたび、全国のビジネスパーソン1000人に対して意識調査を行いました。この調査は働く人びとに焦点を当て、その時々の旬の話題をデータで紹介するシリーズです。
今回、人材の多様性について聞いたところ、外国人・女性管理職・シニア人材・障がい者と一緒に働いている人の半数以上は職場に何らかの影響があると感じていることがわかりました。「アイデアの広がり」や「価値観尊重」「助け合いの風土」を感じていますが、女性管理職に対しては「気を使うことが増える」という回答が最多です。
また、ポジティブな影響については、一緒に働いていない人のイメージを上回る効果を実感しているという結果が得られました。
1. 大企業を中心に進む人材の多様化。
女性が「女性管理職」と働き、60代が「シニア人材」と働く傾向。人材配置には偏りもうかがえる
2.一緒に働いている人の半数以上は、多様な人材が職場に与える影響を実感している。
外国人は「アイデアの広がり」、シニア人材は「価値観尊重」、障がい者は「助け合いの風土」。
しかし、女性管理職は「気を使うことが増える」という回答が最多に
3.一緒に働いている人の「実感」と、働いていない人の「イメージ」にはギャップあり。
ポジティブな効果については、おおむね期待以上の実感が得られている
4.女性管理職と働いている男性(28.3%)は、女性(17.5%)よりも「気を使うことが増える」と実感。
一緒に働いていない男性がイメージ(20.0%)するよりも多くの人が感じている
5.多様な人材と一緒に働いている人の3割強は、職場への影響は「特にない」と感じている
<コメント>
ビジネス環境変化への対応やイノベーションの源泉として、人材の多様性(ダイバーシティ)が注目されています。その推進には、ダイバーシティが企業の競争力につながることを示せるかがカギです。
今回の調査では、外国人、女性管理職、シニア人材、障がい者を取り上げましたが、総じて大企業の方が採用や登用が進んでいるという結果になりました。従業員数が多ければその分、人材が多様化しやすいという側面もありますが、取り組みへの意識が高いこと、組織や制度を整備する体力があることも背景にありそうです。
また、一口にダイバーシティといっても、外国人、女性管理職、シニア人材、障がい者それぞれで職場への影響には違いがあることが分かりました。一緒に働いている人が最も実感しているのは、外国人、シニア人材、障がい者に対しては「アイデアの広がり」「価値観尊重」「助け合いの風土」などポジティブな影響ですが、女性管理職については「気を使わなければならないことが増える」というネガティブな影響が最多です。
ポジティブな影響については社内で事例を共有し横展開を図る、ネガティブな影響については克服するためのマネジメントが必要です。それに加え、本人のモチベーションが維持されているか、ダイバーシティを推進する意義が周囲に共有されているかという、マネジメント、本人、組織の3つの視点で考えるべきでしょう。
ダイバーシティは単に多様な人材を揃えることや、制度や仕組みを整えることが目的ではありません。採用や登用の際に、性別や年齢、国籍、身体的特徴という属性にとらわれずに個人の能力や可能性を評価した結果として、多様な人材から成る組織が生まれるのが理想です。
先進企業では次のステップとして、彼・彼女らが活躍できる機会と場が与えられているかが問われる局面へと移ってきました。全ての従業員が能力を最大限に発揮し働くことができてこそ、異なる価値観や着眼点の違いからくる相乗効果が生まれます。その帰結として、環境変化への柔軟な対応、新しい事業の創造につながることが真のダイバーシティの効果です。
【本件に関するお問合せ先】
日本能率協会グループ 広報委員会(担当:亀山 TEL:03-3434-8620)
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Email:jmapr@jma.or.jp
◆ 本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(一般社団法人日本能率協会 http://www.jma.or.jp/ /2月10日発表・同協会プレスリリースより転載)