公益社団法人日本プラントメンテナンス協会
海外製造現場の従業員を対象とした資格認定試験「Monodzukuri Test」を創設
―2014年度はタイにて実施、日本流モノづくりを支援
公益社団法人日本プラントメンテナンス協会(以下、JIPM)は、生産活動において直面する安全、省資源、環境、効率性追求等の諸課題について、国内外において解決の支援を行う団体です。モノづくりへの投入資源(人材、設備、材料、情報)を軸に、モノづくりとの共栄、創造的経営の推進、環境保護への積極的参画を理念とした支援活動を行っております。
近年は日系企業による生産のグローバル化が加速しており、JIPMに対しても海外拠点への各種支援要求が高まってまいりました。その中で、日本におけるモノづくりの知識や考え方を、日系企業を中心に広く海外へ普及することが前述の支援につながるものと考え、「Monodzukuri Test」を創設いたします。2014年度、タイにて運用を開始いたしますが、順次、開催地域を拡大していく計画です。
「Monodzukuri Test」は、製造現場における設備トラブルの未然防止や日常保全といった、現場力向上に欠かせない知識を判定する資格認定試験です。関連科目のペーパーテストにより知識レベルを測り、一定の基準を満たした受検者をJIPMが認定します。
現地の第一線で働く管理・監督者や保全員を主な対象とし、日本発のモノづくり知識によって、日系を含む多くの海外製造現場で課題とされる人材育成を支援いたします。
2014年度はタイのみでの開催で、5月に受検案内の公表、11月に試験実施を予定しています。また、試験に向けた学習支援として、タイ語によるテキストの販売および教育講座の開催も、5月以降、併せて行う予定です。
タイ以外の国・地域への展開については、一部で現地調査を進めており、順次、開催地域を拡大していく計画としています。
JIPMは、日本発の製造現場向け認定資格として、Monodzukuri Testの普及、推進に取組んでまいります。
1.2014年度 Monodzukuri Test 実施概要
-1 実施地域:タイ
-2 試験方法:タイ語によるペーパーテスト(二者択一式、多肢選択式)
-3 主な対象者:製造業の生産部門、保全部門に従事する方
-4 試験の評価:JIPMが定める基準により、試験の得点から認定者を決定
-5 主なスケジュール
2014年5月 Monodzukuri Test受検案内の公表 / Monodzukuri Testテキストの販売および関連講座の開講
2014年11月 試験実施
2.Monodzukuri Testの特徴
<日本の製造現場における16万人以上の実績がベース>
Monodzukuri Testは、設備に強い人材づくりのため、2001年にJIPMが日本で創設した自主保全士制度をベースとしています。自主保全士制度は、製造現場における異常発見、処置・回復、条件設定、維持管理の4つの能力を養成、評価する資格として業種を問わず認められ、累計受検者数は16万人を超えています。
日本におけるこうした制度づくり、運営ノウハウをもとに、Monodzukuri Testを構築しております。
<2013年にはトライアルテストを実施し、企業の声を反映>
Monodzukuri Test創設を前に、2013年11月に、タイに拠点を持つ製造業8社(グループ会社含む)の協力を得て、トライアルテストを実施しました。
テストには計286名が参加し、試験問題、運営方法などを確認しています。また、この結果を参考に検討をすすめ、企業の声も反映させた制度を構築しております。
<将来的には、国・地域間の工場レベルが比較可能に>
タイに止まらず、国・地域をまたいでMonodzukuri Testが運用されれば、国籍の異なる複数の工場において人材という視点から比較することも可能になります。
多国籍に展開する企業においては、工場間の強み、弱みの把握に役立ちます。
<教育資料の整わない領域をカバーしたタイ語テキストおよび教育講座>
設備に関するロスあるいは効率化の知識や考え方は、生産性を上げるためには欠かせないものですが、海外において、特にMonodzukuri Testが主な対象とする層に対してはその教育資料がほとんど整っていません。Monodzukuri Testの関連事業として、そうした領域をカバーしたタイ語テキストの作成するほか、併せて関連の教育講座を開催いたします。
<タイ語対応の窓口を設置>
Monodzukuri Testでは、申込み等を行う企業担当者がタイ人の方であるケースがほとんどであると想定し、受付・問合せ窓口をタイ国内に設置し、現地語での対応をいたします。
試験運営に際しては、現地機関と提携し、広報~試験実施をタイ語にて行います。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください(PDF)。
(公益社団法人日本プラントメンテナンス協会 http://www.jipm.or.jp /2月25日発表・同社プレスリリースより転載)