マンパワー雇用予測調査 2009年第2四半期(4−6月期)結果発表
総合人材サービスのマンパワー・ジャパン(本社・神奈川県横浜市、取締役・代表執行役会長兼社長:ダリル・グリーン)は、2009年第2四半期(4−6月期)における企業の雇用計画を尋ねた「マンパワー雇用予測調査」の結果を3月10日付で発表します。
調査結果は「2009年 4−6月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員等を含む)は今期と比べてどのような変化がありますか?」という質問に基づいています。尚、本調査はマンパワー社が四半期ごとに世界33ヵ国・地域で行っている世界で最も広範囲にわたる事前調査です。
今回、日本で行った調査では、東京・大阪・名古屋の企業1006社から回答を得ました。その結果、季節調整後の純雇用予測は−5%で、初めてマイナスの数字に転じると共に、調査開始以来の最低値を記録しています。更に前四半期比は10ポイント減、前年同期比では25ポイント減と、雇用意欲は著しい減退傾向にあることを示しています。
また、マンパワー雇用予測調査は、東京、大阪、名古屋の3地域で地域別の調査を行うと共に、業種別 7業種*での調査も行っています。
地域別の純雇用予測(季節調整後)は、3地域全てにおいて調査開始以来の最低値となっています。東京(−4%)における雇用意欲の低迷は深刻さを増しており、前四半期比では14ポイント減と、調査開始以来初の二桁台の下げ幅を記録しています。3地域中で雇用意欲が最も低い名古屋(−9%)でも、高水準を維持していた前年同期と比べて 31ポイント減と、30ポイントを超える数値の低下は調査開始以来初となっています。
業種別を見ると、7業種全てにおいて雇用活動の低迷が予測されます。7業種中純雇用予測が最も低い「製造」は(−14%)前四半期比 14ポイント減、前年同期比 33ポイント減と、調査開始以来最大の下げ幅となっています。また、「運輸・公益」(−5%)においても前四半期比と前年同期比でそれぞれ14ポイントおよび 49ポイント減と、調査開始以来初の減少幅を記録しています。
* 純雇用予測:
調査結果のうち「増員する」と回答した企業数の割合(%)から「減員する」と回答した企業数の割合(%)を引いた値。
*季節調整値:
月々の変動の癖(季節的要因)を除去したことを推計した値で、調査開始から3年以上経っている国で適用しています。日本では2006年第3四半期から適用しており、全て季節調整値をもとにした分析値を指標にしています。
*7業種:「金融・保険・不動産」「製造」「鉱工業・建設」「公共・教育」「サービス」「運輸・公益」「卸・小売」
【 調査結果 】 2009年第2四半期(2009年 4- 6月期)
(1) 純雇用予測は -5%と、初のマイナス数値に転じると共に調査開始以来の最低値を記録
2009年第2四半期の純雇用予測では、東京・大阪・名古屋の企業 1006社からの回答のうち、従業員を「増員する」と回答した企業は 27%、また「減員する」との回答は 15%、「変化なし」は 52%で、「増員する」が 16ポイント増加しているものの、雇用意欲は依然として低水準に留まる見通しです。
純雇用予測(季節調整後)は−5%で、調査開始以来初のマイナスの数値を記録したことに加え、2003年第3四半期に調査を開始して以来の最低値となっています。前四半期比は 10 ポイント、前年同期比では 25ポイント減少しており、雇用意欲は引き続き減退傾向にあることがわかります。
(注:2008年第3四半期より「TRAMO−SEATS」法を採用しており、遡及改定を行っているため、過去のデータが変動しておりますので、ご了承下さい)
(2) 地域別の雇用意欲は、3地域(東京、大阪、名古屋)全てにおいて調査開始以来の最低値を記録
地域別の純雇用予測(季節調整後)では、3地域全てにおいて調査開始以来の最低値を記録すると共にいずれもマイナスの数値に転じています。名古屋が−9%と3地域中最も低い値を示しており、前四半期比で 11ポイント減、前年同期比では 31ポイントの大幅減となっています。また、東京および大阪の雇用意欲も共に−4%と非常に低い値を示しており、前四半期比では東京では14ポイント減、大阪で2ポイント減、前年同期比では東京で 29ポイント減、大阪では16ポイント減と、引き続き雇用活動の停滞が見込まれます。
(3) 業種別の純雇用予測は「製造」が 7業種中最も低く−14%
2009年第1四半期にすでに純雇用予測が大幅に落ち込んでいた「金融・保険・不動産」(−3%)を除き、その他の6業種全てで雇用予測値が減少しています。具体的には 7業種中最も低い「製造」は前年同期比 33ポイント減の−14%で、「公共・教育」「運輸・公益」および「卸・小売」と共に調査開始以来の最低値を記録しており、雇用意欲の回復の兆しは未だ見受けられません。「公共・教育」は−9%、「運輸・公益」では−5%と、前年同期比 26ポイントおよび46ポイントの大幅減となっています。
また、「金融・保険・不動産」は−3%で、前四半期と比べると1ポイント増とわずかに数値が回復していますが、前年同期と比較すると17ポイント減と、依然として先行き不透明な雇用活動が予測されます。続いて「鉱工業・建設」の純雇用予測は−1%と、前四半期比で 12ポイント減少しています。
7業種中最も数値の高い「サービス」が6%、「卸・小売」が 4%とプラスの数値を維持しているものの、他の5業種全てにおいてマイナスの数値となっており、大幅に雇用意欲が低下していることを示しています。
(4) 世界の結果は、シンガポール、ニュージーランド、台湾、アイルランド、スペイン、イタリア及び イギリスで雇用意欲が大幅に減退
世界の2009年第2四半期の純雇用予測では、72,000社から回答を得ました。その結果、調査対象となった33ヵ国・地域のうち、前四半期と比べ、季節調整前の純雇用予測は 13カ国・地域で増加しているものの、前年同期と比べると全ての国・地域で深刻な雇用意欲の減退が見受けられます。特にアジア・太平洋の 8ヵ国・地域の雇用予測は大幅な減退傾向にあります。さらに、23ヵ国・地域においてはマンパワー社が調査を 開始して以来の最低値を記録しています。
地域別に見ると、アジア・太平洋の8ヵ国・地域のうち、インド(季節調整後 25%)が前四半期比で6ポイント増加していることを除き、前四半期比および前年同期比共に全ての国(中国(季節調整後4%)、オーストラリア(季節調整後−1%)、香港(季節調整後−3%)、日本(季節調整後−5%)、ニュージーランド (季節調整後−10%)、台湾(季節調整後−10%)、シンガポール(季節調整後 −45%))において純雇用予測は減少しています。特にシンガポールでは前年同期比 99 ポイント減と、急激な雇用意欲の低下が見受けられます。
【 調査概要 】
■ 調査時期: 2009年1月14日〜1月27日
■ 調査対象:
東京・大阪・名古屋の次の7業種における企業の人事部門長
(1) 金融・保険・不動産、(2) 製造、(3) 鉱工業・建設、(4) 公共・教育(役所、学校関係)、(5) サービス(情報処理、ソフトウェア、娯楽など)、(6) 運輸・公益、(7) 卸・小売
■ 質問内容:
「2009年4-6月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員などを含む)は今期(2009年1-3月)と比べてどのような変化がありますか?」
■ 調査方法: 次のいずれかの方法で回答を収集。
(1) 電話による聞き取り (2) 電子メールによるアンケート
■ 有効回答数:
日本国内 1006社、世界33カ国・地域では72,000社
■ 誤差の範囲:
調査国、地域、及び世界レベルでのデータ全体に関して、誤差の範囲は±3.1%以内となっています。
■ 調査の歴史:
45年以上の歴史をもつ当調査は、世界で最も信頼されている雇用予測調査の一つです。1962年に米国およびカナダで開始し、1966年にはイギリスが加わりました。その後、2002年に、メキシコとアイルランドが調査を開始し、2003年には、日本を含む世界13ヵ国・地域が調査に参加することとなりました。その後も、参加国は増え続け、現在では33ヵ国・地域で調査が行われています。
※ 次回のマンパワー雇用予測調査(2009年第3四半期)の結果発表は、2009年6月9日の予定です。
※ 本リリースの詳細はこちらをご覧ください。
マンパワー・ジャパン http://www.manpower.co.jp//同社プレスリリースより抜粋・3月10日