【入社直前意識調査】理想の社会人像は「助ける人」 理想の職場は「互いに協力する文化」69.6%で1位
累計13,000社420万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り🄬」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所🄬は、2025年1月21日~3月7日の期間で、2025年に企業に入社する新入社員に対し、入社直前意識調査を行いました。本リリースでは「理想の社会人像」について調査・分析した結果を公表いたします。
〈背景〉
4月1日は多くの企業で入社式が行われており、新入社員の姿に懐かしい想いを馳せるビジネスパーソンも多いでしょう。
人材不足の慢性化により、若手人材の確保は年々難易度を増しており、最近では初任給の引き上げや採用直結型インターンシップの解禁など、新卒採用のニュースが多く見られました。また、2025年入社の新入社員は、Z世代としてデジタルネイティブ、多様性への理解などの多くの特徴が挙げられています。
ビジネス環境が大きく変化する時代に入社をする彼らは、どのような理想を描いているのでしょうか。本調査では、理想の社会人像や職場文化について調査しました。
調査結果の概要
● 理想の社会人像は「助ける人」、約3人に1人が回答
● 理想の職場文化は「チームワークを重視する文化」と約7割が回答
● 将来会社で担いたい役割は「今後決めていきたい」と約半数の新入社員が回答
● 自身のキャリア形成で支援してほしいこと「上司に相談できる機会」が1位で40.7%
〈考察〉新入社員の活躍を支える育成の“仕組み”とは
調査結果の詳細
1. 理想の社会人像は「助ける人」、約3人に1人が回答
まず、2025年入社の新入社員が抱く、理想の社会人像について質問しました。
結果、「助ける人(周囲の気持ちに寄り添い、支援を惜しまない)」がトップで、31.9%となりました。次いで、「達成する人(成功・目標を追求し、行動する)」が15.0%、「誠実な人(慎重に行動し、周囲の期待に応える)」が13.2%となりました。
上記の質問に対し、なぜその選択肢を選んだのか、自由記述で質問しました。非常に多くの回答が集まった中で、よく見られた回答理由をまとめました。
●「助ける人」を選択した新入社員の主な回答理由
・助け合いや配慮、コミュニケーションが重要だと思うから
・他者をサポートすることが自身のモチベーションや社会貢献につながるから
・チームワークや協力は、会社の成長に寄与すると考えているから
・他者の役に立つことが喜びであり、社会人としての目標に挙げているから
●「達成する人」を選択した新入社員の主な回答理由
・会社で成果を出し、目標を達成することを重視しているから
・自分自身が挑戦し続けることで、その過程で得られる学びを身につけたいから
・自信をつけたいから
・チームに貢献したいから
●「誠実な人」を選択した新入社員の主な回答理由
・誠実さと信頼を重視しているから
・計画的かつ慎重に行動することが重要だと思うから
・周囲の期待に応え、信頼される社会人を目指しているから
2. 理想の職場文化は「チームワークを重視する文化」と約7割が回答
次に、どのような文化がある会社で働きたいと思うか質問しました。
結果、「互いに協力し合い、チームワークを重視する文化」がダントツで、69.6%の新入社員が選択しました。次いで、「多様な考え方や働き方を尊重する文化」が39.2%、「学ぶことや自己成長、スキルアップを支援する文化」が37.4%と続き、「高い目標に向かい、切磋琢磨して成長する文化」と「新しいアイデアや創造を推奨する文化」は同率で22.0%となりました。
この質問に対しても、なぜその選択肢を選んだのか自由記述で質問しました。主な回答理由は下記の通りです。
●「互いに協力し合い、チームワークを重視する文化」を選択した新入社員の主な回答理由
・協力し合うことで仕事が円滑に進み、成長やスキルアップが促進されると考えているから
・意見を言い合える活気ある環境が理想だから
一部の意見では、「ベンチャー気質に期待している」「創造力・クリエイティビティが求められる職場のため意見交換を重視したい」などの声がありました。
●「多様な考え方や働き方を尊重する文化」を選択した新入社員の主な回答理由
・働きやすい環境があることで、期待される役割が発揮できるから
・デジタルネイティブとして効率と合理性を優先しているから
・自分らしさを尊重できる環境を求めているから
●「学ぶことや自己成長、スキルアップを支援する文化」を選択した新入社員の主な回答理由
・技術力の向上や自己成長を支援する文化を重視しているから
・資格取得や専門的な業務を通じて成長したいから
3. 将来会社で担いたい役割は「今後決めていきたい」と約半数の新入社員が回答
次に、将来会社で担いたい役割について質問しました。
結果、47.3%が「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」と回答しました。「専門性を極め、スペシャリストとしての道を進みたい」は29.3%、「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい」は21.6%となり、「特にキャリアについての志向はない」は1.1%という結果になりました。
本回答の理由を聞いたところ、キャリアを今後決めていきたい層は、仕事をしながら自分の適性を見分けたいという強い意向が見受けられました。詳細は下記の通りです。
●「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」を選択した新入社員の主な回答理由
・自分の適性や将来のキャリアビジョンが不安だから
・入社後に経験を積みながら、自分の役割や適性を見極めたいから
・具体的なビジョンを描くためには、まずは実際に働いてみてから判断したいから
・自分のスキルや能力がどの程度通用するのかを見極め、徐々に決めていきたいから
●「専門性を極め、スペシャリストとしての道を進みたい」を選択した新入社員の主な回答理由>
・専門技術を向上し、自身のスキルを磨いていきたいから
・自分の技術を高め、会社に貢献し、キャリアアップを目指していきたいから
・自分自身の価値向上も実現したいというビジョンがあるから
●「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい」を選択した新入社員の主な回答理由
・リーダーシップやマネジメントに強い関心を持っているから
・人を引っ張るビジネスパーソンになりたいから
・成長や責任ある仕事を通じて、自信をつけたいから
●「キャリア志向はない」を選択した新入社員の主な回答理由
割合は少ないですが、キャリア志向がない新入社員は、昇進や昇給への関心があまりないという声が挙がりました。
4. 自身のキャリア形成で支援してほしいこと「上司に相談できる機会」が1位で40.7%
自分自身のキャリアは今後決めていきたいという結果が前項でありましたが、実際にキャリアを形成するうえでどのような支援を企業に求めているのか質問しました。
結果、「上司に相談できる機会」が40.7%でトップとなりました。次いで「新たなスキル習得支援」が24.5%、「上司以外の先輩社員に相談できる機会」と「資格取得支援」が同率で22.3%という結果になりました。
まとめ
社会人という人生の新たな一歩を踏み出した2025年入社の新入社員が、どのような理想や未来を描いているのか明らかにすべく、本調査を実施しました。
結果、理想の社会人像は「助ける人」、理想の職場文化は「チームワークを重視する文化」が1位となりました。今年の多くの新入社員は、新型コロナウイルスの猛威を学生時代に経験し、様々な社会の変化を目の当たりにした世代のため、人と手を取り合って協力して仕事をしていきたいという価値観が強く表れたのではないかと推察します。
将来のキャリアについては、「今後決めていきたい」という割合が最も高くなりました。会社に求める支援では、「上司に相談できる機会」がトップとなり、自身が目指す方向への助言や、他者から見た自身の強みを知ることで今後のキャリアを明確にしていきたいという考えがあるのではないかと考えられます。
また、スペシャリストやマネジメントを志向する層がそれぞれ2割以上であったことから、市場や会社で自分自身の価値を発揮していきたいという想いも垣間見られました。
【考察】新入社員の活躍を支える“育成の仕組み”とは
本調査では、新入社員が理想とする社会人像は「助ける人」、理想の職場文化は「互いに協力し合い、チームワークを重視する文化」の割合が最も高いことがわかりました。ビジネス環境がますます複雑化し、先が見通しにくい時代の中で、社会人になる今年の新入社員は、関わる人との関係性をより重視し、周囲の人や組織、社会に早く貢献できる人になりたいと考える傾向があるようです。
多くの企業では、今年の新入社員の受け入れ準備はできていると思いますが、改めて新入社員とのコミュニケーションプランや関係構築の取り組みが適切かを確認してください。特に現場配属後は、先輩や上司が忙しく、コミュニケーションの頻度が低くなったり、関係構築が後回しになったりすることがありますので、あらかじめ「仕組み」にしておくことが重要です。
例えば、社内の社員との人脈を形成するための交流の場を定期的に設け、職場の雰囲気に触れて馴染んでもらうようにするとよいでしょう。単発の開催ではなく継続して実施することで効果を発揮します。自然創発的なコミュニケーションに触れることで、社会人・組織人としてどう人と関わるべきかを学ぶことができます。
加えて、先輩社員や上司がOJTトレーナーを担う場合は、マイクロOJT(当社が提案する、通常のOJTよりも細かい頻度・粒度で指導やサポートをするOJTのこと)の実施も有効です。業務指導やフィードバックにおいて、上司や先輩社員が新入社員の間違いを的確に指摘し、正しい知識ややり方を頻度高く指導することにより、新入社員のスキルアップに加えて、コミュニケーションの量も増えることが期待できるでしょう。
また、周囲との関係性を大事にする今年の新入社員は、周囲からの評価をより気にする可能性があります。できるようになった点や、前よりも成長した点を見つけて、努力を称えたり、貢献への感謝を伝えたりすると、より貢献への意欲も高まるでしょう。このような成功体験の積み上げが、自信と次の活躍へとつながります。
(1)業種
(2) 企業規模
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(ALL DIFFERENT株式会社/4月1日発表・同社プレスリリースより転載)