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ニュース
人事サービス 人材育成・研修
掲載日:2025/01/23

一般社員編|心身の不調とパフォーマンスの相関に関する実態調査

52.6%が、勤務中に心身の不調による「パフォーマンス低下」を実感するも、「そのまま我慢して働き続ける」社員は6割以上の実態

「見えない生産性低下」を防ぐためにできることは? プレゼンティーズムが企業にもたらす影響も明らかに


株式会社Smart相談室(本社:東京都港区、代表取締役・CEO:藤田 康男)は、一般社員507名を対象に、「一般社員編|心身の不調とパフォーマンスの相関に関する実態調査」を実施しましたので、お知らせいたします。

■調査サマリー
01|一般社員の52.6%が、勤務中に心身の不調による「パフォーマンス低下」を感じた経験あり
02|62.5%が、パフォーマンスが低下しても「そのまま我慢して働き続ける」と回答。「上司や同僚に相談する」人はわずか6.7%
03|42.8%から、パフォーマンス低下について、職場外の専門家やサポート窓口に気軽に相談できる機会があれば「利用したい」との声

<一般社員・管理職の比較見解>
一般社員を対象にした「前編」の調査では、自身のパフォーマンス低下を実感しても、そのまま我慢して働き続ける意向の方が大半の結果になりました。その背景には、最も身近な上司や同僚にも相談できていない実態が明らかになっていますが、管理職を対象にした「後編」調査では、管理職の約半数が「パフォーマンスの低下について、部下から相談されている」と認識しており、認識にずれが生じていることがわかります。結果として、一般社員・管理職ともに「社内に相談できる環境」が整っていない実態が明らかとなり、それを補う外部の相談窓口の利用意向が一定数あることが判明しました。

※1|合計を100%とするため、一部の数値について端数の切り上げ処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。
※2|プレゼンティーズム(Presenteeism)とは:就業しているものの、健康上の問題によって業務の能率が落ちている状態を指します。

■一般社員の52.6%が、勤務中に「心身の不調によるパフォーマンス低下」を感じた経験あり
「Q1.あなたは、勤務中に体調が優れない、もしくは気分が落ち込むなどの心身の不調によるパフォーマンス低下を感じたことがありますか。」(n=507)と質問したところ、「頻繁にある」が7.8%、「時々ある」が44.8%という回答となりました。

・頻繁にある:7.8%
・時々ある:44.8%

・ほとんどない:29.2%
・全くない:15.0%
・わからない/答えられない:3.2%

■パフォーマンス低下の要因、「人間関係のトラブル」が44.9%で最多
Q1で「頻繁にある」「時々ある」と回答した方に、「Q2.あなたが感じた不調によるパフォーマンス低下はどのような要因に起因していると思いますか。(複数回答)」(n=267)と質問したところ、「人間関係のトラブル」が44.9%、「業務量の多さ」が34.5%、「不規則な生活習慣」が31.5%という回答となりました。

・人間関係のトラブル:44.9%
・業務量の多さ:34.5%
・不規則な生活習慣:31.5%

・アレルギーや偏頭痛などの健康問題:21.7%
・家族や将来への不安などの心理的要因:21.7%
・コミュニケーション不足:21.0%
・照明や室温管理:12.4%
・その他:3.0%
 -仕事内容のミスマッチ
 -会社の環境
 -ストレス
 -持病
 -収入の不安定さ
 -パソコンやスマホ
 -目を使うから
 -介護職だから
・わからない/答えられない:11.2%

■62.5%が、パフォーマンスが低下しても「そのまま我慢して働き続ける」と回答。評価への影響を懸念した行動か
Q1で「頻繁にある」「時々ある」と回答した方に、「Q3.パフォーマンスが低下した際、どのような対策を取っていますか。(複数回答)」(n=267)と質問したところ、「そのまま我慢して働き続ける」が62.5%にのぼり、多くの社員が不調を抱えたまま業務を続けている実態が明らかになりました。この背景には、キャリアへの不安や評価への影響を恐れる心理があると考えられます。特に、自分一人で完結できる方法として「我慢」や「リフレッシュ」を選択する傾向が見られ、他者に頼らず問題を自己解決しようとする姿勢が浮き彫りとなりました。
また、「休憩を取ってリフレッシュする」が34.8%、「仕事を早めに切り上げる」が18.0%という回答も上位にあがり、こうした現状を改善するためには、社員が安心して相談できる環境整備や、キャリアへの不安を軽減する取り組みが求められます。

・そのまま我慢して働き続ける:62.5%
・休憩を取ってリフレッシュする:34.8%
・仕事を早めに切り上げる:18.0%

・仕事の負担を減らす、または調整する:13.5%
・家族や友人に相談する:11.2%
・上司や同僚に相談する:6.7%
・その他:1.5%
 -薬を飲む
 -頭痛薬を服用する
 -薬
・わからない/答えられない:5.2%

■6割以上が、上司や同僚に相談したことでパフォーマンスが改善するも、相談する人はわずか6.7%の実態(Q3より)
Q3で「上司や同僚に相談する」と回答した方に、「Q4.上司や同僚に相談した結果、あなたのパフォーマンスは改善しましたか。」(n=18)と質問したところ、「全く改善しなかった」が5.6%、「あまり改善しなかった」が22.2%という回答となりました。

・全く改善しなかった:5.6%
・あまり改善しなかった:22.2%

・やや改善した:50.0%
・大きく改善した:11.1%
・わからない/答えられない:11.1%

■約4割が、「職場に、パフォーマンスが低下しても無理をして働いている人がいる」と回答。連鎖的不調を阻止するべく声がけの必要性あり
「Q5.あなたの職場に、不調によりパフォーマンスが低下しているにも関わらず無理をして働いているように見える人はいますか。」(n=507)と質問したところ、「かなりいる」が5.1%、「ややいる」が32.5%という回答となり、パフォーマンス低下が職場全体で見過ごされている実態が浮き彫りになりました。

こうした連鎖的不調を防ぐためには、異変を感じた時点で迅速にサポートを行うことが重要です。具体的には、上司や同僚が声がけを行い、早期に状況を確認することや、必要に応じて職場外の専門家への相談を促す仕組みが求められます。特に、サポート体制が整っている職場環境を構築することで、不調がさらなる悪化や連鎖を引き起こすリスクを軽減できるでしょう。

・かなりいる:5.1%
・ややいる:32.5%

・あまりいない:30.6%
・全くいない:14.8%
・わからない/答えられない:17.0%

■パフォーマンス低下時、「上司や同僚に相談できていない」人は約6割。自発的に相談できる環境の必要性あり
Q1で「頻繁にある」「時々ある」「ほとんどない」と回答した方に、「Q6.あなたは勤務中に、自身のパフォーマンスの低下を感じた際に、上司や同僚に相談できていますか。」(n=415)と質問したところ、「できている」が24.9%、「できていない」が59.0%という回答となりました。

特に心理的な要因に起因する不調については、外部からわかりづらく、上司や同僚も声がけしづらいという特性があります。そのため、本人が自発的に相談できる環境を整備することが不可欠です。例えば、プライバシーが守られた相談窓口の設置や、日頃から相談しやすい職場文化を醸成することで、社員が安心してサポートを求められる仕組みを構築することが重要です。

・できている:24.9%
・できていない:59.0%

・わからない/答えられない:16.1%

■61.1%が、パフォーマンス低下について「相談や支援を受けられる環境が整っていない」と実感
「Q7.あなたのお勤め先では、勤務中の不調によるパフォーマンス低下について、相談や支援を受けられる環境が整っていると感じますか。」(n=507)と質問したところ、「あまりそう感じない」が32.1%、「全くそう感じない」が29.0%という回答となりました。

・非常にそう感じる:4.4%
・ややそう感じる:20.9%
・あまりそう感じない:32.1%
・全くそう感じない:29.0%

・わからない/答えられない:13.6%

■42.8%から、パフォーマンス低下について、職場外の専門家やサポート窓口に気軽に相談できる機会があれば「利用したい」との声
「Q8.もし、勤務中の不調によるパフォーマンス低下について、職場外の専門家やサポート窓口に気軽に相談できる機会があった場合、利用したいと思いますか。」(n=507)と質問したところ、「非常にそう思う」が7.3%、「ややそう思う」が35.5%という回答となりました。

・非常にそう思う:7.3%
・ややそう思う:35.5%

・あまりそう思わない:28.0%
・全くそう思わない:13.8%
・わからない/答えられない:15.4%

■まとめ
今回は、一般社員507名を対象に、心身の不調とパフォーマンスの相関に関する実態調査を実施しました。

まず、一般社員の52.6%が、勤務中に心身の不調によるパフォーマンス低下を経験していることがわかりました。また、パフォーマンス低下の要因では、「人間関係のトラブル」が44.9%で最も多く、不調を感じた際の対応としては、62.5%が、パフォーマンスが低下しても「そのまま我慢して働き続ける」と回答し、「上司や同僚に相談する」人は6.7%に留まります。一方で、相談した人のうち6割以上は、「上司や同僚に相談したことでパフォーマンスが改善した」と回答していることから、自発的に相談できる環境整備の必要性が示されました。最後に、61.1%が、パフォーマンス低下について「相談や支援を受けられる環境が整っていない」と感じており、42.8%から、パフォーマンス低下について、職場外の専門家やサポート窓口に気軽に相談できる機会があれば「利用したい」との声が寄せられました。

今回の調査では、一般社員の多くが、心身の不調を抱えながらも我慢して働いている実態が明らかになりました。この状態は「プレゼンティーズム」と呼ばれていますが、まだまだ認知率も低く、企業がこの問題を見過ごしてしまうケースが多いのが実態です。加えて、職場内での相談・支援を受けられる環境が不十分だと指摘する声が多数寄せられるなか、外部の専門家によるサポートへのニーズが高いことが伺えました。心身の不調によるパフォーマンス低下は、企業活動においても重大な影響を及ぼします。企業がこの「隠れた損失」を防ぐためには、従業員が安心して相談できる環境づくりや、専門家による適切なサポート体制により、いきいきと働き続けられる環境の整備が重要となるでしょう。

■「Smart相談室」スーパーバイザー鵜飼柔美さんコメント
メンタルヘルスケアは「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(平成18年3月制定、平成27年11月30日改正)に則って4つのケアのうちの「セルフケア」が成されるよう、正しい理解やストレスへの気づき、ストレスへの対処などを中心に教育研修や情報提供が行われてきました。しかし今回の調査をみると「セルフケアのタイミング」についての理解が十分に周知されていないと言えるのではないでしょうか。「まだやれる」と思いたい。この状態こそがプレゼンティーズムであり、だからこそ気兼ねなく相談できる環境が必要です。そういった環境のなかで早めに相談する文化やマインドが定着していくと思われます。

■調査概要
調査名称:一般社員編|心身の不調とパフォーマンスの相関に関する実態調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年11月27日〜同年11月27日
有効回答:一般社員507名
 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(株式会社Smart相談室 /12月25日発表・同社プレスリリースより転載)

この記事ジャンル メンタルヘルス

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