海外赴任帯同者に関する調査および赴任先での不妊治療の取り扱いに関する調査
- 自社社員が配偶者の海外赴任に帯同する際、キャリア継続のための配慮として「休職制度」を有していると回答した企業は37%、「再雇用制度」は30%
- 海外赴任に帯同する配偶者の就労について、「条件付きで認めている」、「認めている」と回答した企業は合わせて41%
- 2022年4月から一般不妊治療や生殖補助医療が新たに健保適用となったことを受け、28%の企業が海外赴任者の不妊治療費用の取り扱いを変更、もしくは見直しを検討中と回答
組織・人事、福利厚生・ウェルビーイング、年金・資産運用のグローバルリーダー、マーサーの日本法人であるマーサージャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 草鹿 泰士)は、海外赴任に帯同する配偶者への支援および赴任先での不妊治療に関する実態調査の結果を発表した。
コロナ禍を経て人々の就労に対する意識が大きく変化し、企業が人材確保・活用に向けた様々な取り組みを進めている中、海外赴任者に関しても、赴任者本人だけでなくその家族も含めたウェルビーイングの重要性が再認識されている。また、人材の多様化やライフスタイルの変化により、従来の赴任者モデルには収まらない赴任者が増加しつつある中で、海外赴任に帯同する配偶者への支援はウェルビーイングに資する施策の一つとして今後ますます重要課題となるだろう。
また、2022年4月に一般不妊治療や生殖補助医療が新たに健保適用となったことを受け、海外赴任者の不妊治療費用の取り扱いについて検討を始める企業が増えており、実態への関心は高い。
マーサーは、クライアント企業が海外赴任者の配偶者に対しどのような支援策を設けているのか、海外赴任者の不妊治療費への対応状況について収集した。調査はマーサーの生計費指数、生活環境指数等のデータを利用している企業を対象に、2023年9月5日-11月24日に実施し、299社から回答を得た。
調査結果ハイライト
本サーベイ(全15問)では、自社社員が配偶者の海外赴任に帯同する場合の取り扱い、海外赴任に帯同する配偶者の就労に対する考え方、海外赴任に帯同する配偶者への支援策、海外赴任先での不妊治療費用の取り扱いの各テーマに沿って、マーサーのクライアント企業各社の実態を調査した。
1. 自社社員が配偶者の海外赴任に帯同する場合の取り扱いについて
- 自社社員が配偶者の海外赴任に帯同する場合の制度・施策として、「休職制度」を有している企業は37%、「再雇用制度」は30%だった。キャリア継続のための配慮を行っている企業が一定数あることがうかがえる
- 休職制度を有する場合、休職を認める期間は51%の企業が「1年以上3年未満」と回答
2. 自社の海外赴任者に帯同する配偶者の就労について
- 海外赴任に帯同する配偶者の就労については、31%の企業が「関与しない」、つまり認めることも否定もしないと回答
- 「条件付きで認めている」、「認めている」と回答した企業はそれぞれ26%と15%であるのに対し、「認めていない」と回答した企業は14%
3. 自社の海外赴任者に帯同する配偶者への支援策について
- 調査で聞いた9つの支援策のうち、最も多くの企業が自社の海外赴任者に帯同する配偶者に対し支援策があると回答したのは「帯同前や帯同中の語学教育費補助」で81%
- キャリアに関わる支援策を有する企業は、「キャリアカウンセリングの実施」は3%、「任地での就職に関するアドバイスや就業先の斡旋」は2%と、支援策がある企業はごく少数に限られる
4. 海外赴任先での不妊治療費用の取り扱いについて
- 自社海外赴任者あるいはその帯同配偶者が赴任先で不妊治療を希望する場合に健保適用対象となる不妊治療費をどのように扱うかを聞いたところ、「すべて自己負担」を選択した企業が20%、「日本の健康保険の3割を超える部分を会社負担」が17%、「全て会社負担」が11%と、取り扱いが分かれる結果となった。また、「その他」の詳細としては「グローバル医療保険を導入予定」、「国内健保の適用範囲について全て会社負担」などの様々な回答がみられた
- 海外赴任先での不妊治療に関して課題と感じていることについては多くの回答が得られたが、最も多かったのは「治療費が高額になる」ことへの懸念であった。他には「治療内容の幅が広く、国による違いもあり、健保の適用対象かどうかの判断が難しい」、「国内社員との公平性」といった回答や、「現行の規定では対応できない」、「事例がなく、他社事例を参考にした上で制度設計を検討したい」という回答もみられ、高額な不妊治療の取り扱いに悩む企業の様子がうかがえる
<調査概要>
調査方法:インターネット調査
調査期間:2023年9月5日-11月24日
回答企業:299社
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(マーサージャパン株式会社/ 12月12日発表・同社プレスリリースより転載)