大企業の採用広報における課題調査
経営・人事責任者の8割以上が「求職者へのアプローチ」に限界を実感
〜「届けたい人材に自社の魅力を伝えられない」「人事部と広報部との連携不足」などが課題に〜
「働く人」から企業の魅力を伝える採用広報サービス「talentbook」を提供する株式会社PR Table(所在地:東京都千代田区、共同代表取締役:大堀航/大堀海)は、大企業(従業員数1,000名以上)の経営者・役員、人事責任者208名を対象に、採用広報における課題調査を実施いたしましたので、お知らせいたします。
<調査の背景>
昨今、産業構造の変化や労働人口の減少により採用市場の競争は激化し、IT人材をはじめとするさまざまな職種の有効求人倍率が増加。大手企業を中心に、自社の採用競争優位性を確保するため、採用候補者に情報を届ける手段が多様化してきています。
同時に、学生の就職活動早期化などを背景に、潜在層へ向けた早期認知・理解を獲得するリクルーティング活動の重要性も高まり、人事・採用担当者に求められるスキルも拡張しています。
そうした中、3月1日に2024年度卒の学生を対象にした採用広報活動が解禁となりました。コロナ禍の収束が視野に入り、採用人数増加、初任給引き上げと企業の採用意欲に「本気」の傾向が見られる中、各社がどのような採用施策を実行し、採用広報においてはどのような課題を抱えているのか実態を調査しました。
<調査結果サマリー>
1.8割以上が「求職者へのアプローチ」に限界を実感
2. 採用施策を十分にできていない理由トップ3は
・必要なスキルを持つ専門人材が不足
・どのような採用手法が効果的かわからない
・時間/工数の不足
3. 72.6%が採用広報を行う中で、「人事部と広報部との連携」に課題あり
自社の情報を求職者に届ける採用手法は多様化。潜在層向けの施策比率はまだまだ少ない結果
「Q1.あなたの会社で現在実施している、採用施策について教えてください。(複数回答)」(n=208)と質問したところ、トップ3は「人材紹介会社」「ナビサイト」「ダイレクトリクルーティング・スカウトサービス」という回答となりました。「リファラル(社員紹介)」の実施は50%以下、「各種SNS」や「オウンドメディア」などを活用して情報を届ける施策の実施比率は30%を切る回答となりました。
さまざまな施策を実施するも、直近1年間における「採用施策」に「かなり満足」は21%にとどまる
Q1で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q2.あなたの会社の、直近1年間における「採用施策」の実施度合い/成果に対する満足度を教えてください。」(n=191)と質問したところ、「かなり満足(十分にできている/成果が出ている)」と回答した方は21.5%にとどまる結果となりました。
さまざまな施策を実施している一方で、本来求める結果に繋がっている企業はまだまだ少ないと言えるでしょう。
採用戦略を立案・実行する「専門人材の不足」や「時間/工数の不足」が大きな課題に
Q2で「どちらかというと不満」「かなり不満」と回答した方に、「Q3.採用施策を十分に実行できていない理由を教えてください。(複数回答)」(n=54)と質問したところ、「必要なスキルを持つ専門人材が不足しているから」が63.0%、「どのような採用手法が効果的かわからないから」が48.1%、「時間/工数が不足しているから」が40.7%という回答となりました。
採用施策が多様化しているからこそ、それぞれの特徴を理解し、採用の全体戦略を立案・実行することのできる専門人材や、そこにかける時間/工数が必要となってきています。にもかかわらず、そうした人材や工数が確保できておらず、結果として満足のいく結果に繋げることができていない、ということが実態として見えてきました。
大企業の経営・人事責任者の8割以上が「求職者へのアプローチ」に限界を実感
ここからは求職者に情報を届ける「採用広報」に特化した課題を聞いていきました。
まず「Q4.あなたは、求職者にアプローチする上で、現在の採用広報に限界を感じていますか。」(n=208)と質問したところ、「非常に感じている」が26.9%、「やや感じている」が53.5%という回答となりました。
求職者にアプローチする上で、情報の「伝え方」と「届け方」に課題
Q4で「非常に感じている」「やや感じている」と回答した方に、「Q5.現在の採用広報に限界を感じている理由を教えてください。(複数回答)」(n=167)と質問したところ、「カルチャーや社内の雰囲気を発信できていないから」が59.3%、「必要とする人材に自社の「働く場」としての魅力が伝わらないから」が56.9%、「採用サイトに未訪問の求職者にアプローチできていないから」が53.3%という回答となりました。
求職者にアプローチする上で、働く場としての魅力やカルチャーなどの「伝え方」と、届けたい相手にリーチする「届け方」に多くの企業が課題を感じているということがわかりました。
人事部と広報部との連携、7割以上が課題を実感
採用候補者へと情報を届けるにあたり、広報との連携が重要となるのではないかという仮説のもと、「Q7.あなたは、採用広報を行う中で、人事部と広報部との連携に課題を感じたことはありますか。」(n=208)と質問したところ、「かなりある」が29.3%、「ややある」が43.3%という回答となりました。
人事部と広報部との連携で感じている課題、「採用広報に時間を割いてもらえない」や「採用広報についての理解度が低い」など
Q7で「かなりある」「ややある」と回答した方に、「Q8.あなたが、採用広報を行う中で、人事部と広報部とで連携する際に感じたことのある課題を教えてください。(複数回答)」(n=151)と質問したところ、「採用広報に時間を割いてもらえない」が58.9%、「採用広報についての理解度が低い」が51.0%、「KPIや目的にズレがある」が43.7%という回答となりました。
部署による役割やミッションの違いにより、採用における課題を共有しながら連携して動くことに課題を感じられている方が多いという実態が明らかになりました。
その他に「牽制しあい時間がかかる」や「連携ができていない」などの課題も
Q8で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q9.Q8で回答した以外に、採用広報を行う中で、人事部と広報部とで連携する際に感じている課題があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=150)と質問したところ、「牽制しあい時間がかかる」や「連携ができていない」など79の回答を得ることができました。
大企業の経営・人事責任者の約9割が新たな採用手法を模索し、アップデートしていきたい意向
「Q10.あなたは、今後採用広報に注力するために、より効果的な採用手法にアップデートしていきたいと思いますか。」(n=208)と質問したところ、「非常にそう思う」が42.4%、「ややそう思う」が47.1%という回答となりました。
ここまでの調査結果で、さまざまな課題を抱えている実態が明らかとなりましたが、それでも必要な人材を獲得していくために、新たな採用手法を模索していきたいという意向を約9割の経営・人事責任者が持っているということがわかりました。
株式会社PR Table 共同代表取締役 大堀航のコメント
今回の調査を通して、日々さまざまな採用施策を実行している人事責任者は、特に専門人材が不足しているという自覚を持っており、求職者にアプローチする採用広報に至っては8割以上が限界を感じているという実態が判明しました。
当社が採用戦略の実行パートナーとして大企業様を支援させて頂く中でも、各社が自社の採用競争優位性を確保するため、人事主導で潜在層へ向けたリクルーティング活動へとシフトしており、戦略的な採用広報に特化した専門部署の設立など変化の兆しを感じております。
労働人口の減少や産業構造の変化が激しい時代において、採用における新しい手法やスキルの拡張が必須となる時代になってきているのかもしれません。
<調査概要>
調査概要:大企業人事の採用活動における広報課題調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年3月6日〜同年3月7日
有効回答:大企業(従業員数1,000名以上)の経営者・役員、人事責任者208名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社PR Table/ 3月23日発表・同社プレスリリースより転載)