「会社と私の本音調査」 第3回・組織文化の本音
今の組織文化を「変革する必要あり」8割。
スピード感求める経営層、ワークライフバランス望む一般社員。
- 組織文化は重要だ:経営層92.9%・管理職層80.1%・一般社員67.4%
- 今の組織文化を変える必要あり:経営層79.2%・管理職層78.6%・一般社員74.2%
- 現在の職場環境は「石橋を叩いて渡る」。理想は「切磋琢磨し、チャレンジできる風土」
株式会社博報堂(東京都港区、代表取締役社長:水島正幸)の、グループ横断で企業・事業変革を支援するコンサルティングチーム「HAKUHODO X CONSULTING(博報堂クロスコンサルティング)」は、ニューノーマル時代の働き方と組織のあり方を探る意識調査『会社と私の本音調査』を実施しました。
第3回レポートでは自社の「組織文化」をテーマに、会社で働く3つの階層(経営層・管理職層・一般社員)の本音を比較した結果、どの層も組織文化を変革する必要性を感じている状況が明らかになりました。
(調査時期:2021年2月 対象:全国1,250名の企業勤務者 調査手法:インターネット調査)
【調査結果のポイント】
■組織文化の重要性は各層が認識。しかし半数が「ビジネスと組織文化が合っていない」と感じている。
- 「企業にとって組織文化は重要だ」は経営層92.9%・管理職層80.1%・一般社員67.4%。一般社員でも7割近くが重要性を認識している。
- しかし、「自社の目指すビジネスの方向と今の組織文化が合っている」と感じているのは経営層64.3%・管理職層48.3%・一般社員36.6%で、階層での差はあるものの、全体の過半数(平均51.3%)は自社のビジネスと今の組織文化が「合っていない」と感じている状況。
■各階層の7~8割が「組織文化を変革する必要あり」。一般社員では全面的な刷新を求める声も。
- 経営層79.2%、管理職層78.6%、一般社員74.2%(全体平均77.4%)が「今の組織文化を変える必要あり」と回答。大多数が、現在の組織文化をアップデートすべきだと感じている。
- 一般社員では「全面的なリニューアル」を求める声も強かった(23.2%、4人に1人の割合)。
■「スピード感ある組織文化」を求める経営層、ワークライフバランスを優先したい一般社員。
- 組織文化で重視する点として、「顧客志向」「目的志向」「臨機応変」は各層で共通。
- 経営層と一般社員で意識にギャップ。経営層が求める「スピード感」「中長期視点」は一般社員では低く、一般社員は「ワークライフバランス優先」が経営層よりも高い。
■現在は「石橋を叩いて渡る」職場。理想は「切磋琢磨しながらチャレンジできる」組織風土。
- 今の職場環境をことわざに例えると、「石橋を叩いて渡る」が全体のトップ(全体平均55.5%)。
- 理想の環境は、1位「切磋琢磨」(84.9%)、2位「七転び八起き」「好きこそものの上手なれ」(ともに82.6%)。仲間と切磋琢磨しながら、自己実現にもつながる好きなことにチャレンジできる風土を求めている。
【調査実施主体のご紹介】
HAKUHODO X CONSULTING(博報堂クロスコンサルティング)
組織開発プロジェクト
HAKUHODO X CONSULTINGは、博報堂が推進するブランド発想の事業変革「ブランド・トランスフォーメーション(R)」の考え方に基づく企業・事業変革コンサルティング(BXコンサルティング)の先鋭集団です。グループを横断した約300名のコンサルタントの専門性と機能をクロスさせ、共創による事業変革を支援しています。
本調査のテーマである組織変革は、「ブランド・トランスフォーメーション」を実現する重要な要素の一つです。調査を通じて得られた知見は、企業の組織変革の支援に活用してまいります。
調査結果の詳細や、組織変革コンサルティングサービスについては、HAKUHODO X CONSULTING 事務局にお問い合わせ下さい。
【調査概要】
調査手法 :インターネット調査
調査時期 :2021年2月
調査対象者:全国の100人以上の企業に勤務している人
(※個人事業主、家業手伝い、パート/アルバイト、学生、専業主ふ、無職をのぞく)
サンプル数:1250サンプル
(経営層300名、管理職500名、一般職450名)
<調査結果の詳細>
●現在の組織文化に対する本音
自社の組織文化が好きで誇りを持っているのは、経営層7割に対し、一般社員は3割強。管理職や一般社員の半数以上が「ビジネスと組織文化が合っていない」と感じている。
- 「組織文化は重要だ」と経営層92.9%、管理職80.1%、一般社員67.4%が回答、重要性は広く認識されていますが、「自分の会社の組織文化が好き」「誇りを持っている」では、経営層の7割以上が自社の組織文化への愛着や誇りを持っているのに対し、一般社員はその半分以下にとどまり、大きな意識差がみられました。
- 「自社のビジネスと今の組織文化が合っている」は管理職・一般社員ともに過半数を割り込み、多くが「合っていない」と感じているようです。
●組織文化の変革意識
現状のままでよいとする声は5%に満たず、組織文化の変革は必須の状況に。
- 今の組織文化をどの程度変える必要があるかについて、「全面的なリニューアル」を求める声は全体で2割、層別では経営層<管理職層<一般社員の順で強く、一般社員は4人に1人がそう感じています。「一部分を改めるパージョンアップが必要」は全体の6割で、あわせた約8割が「変革の必要あり」と考えていることが分かりました。
- 「今の方向のままで強化」の声は各層1割強、「今まで通りで変えなくてよい」は5%未満にとどまりました。
●重要と思う組織文化
「顧客志向」「目的志向」「臨機応変」はどの層も重視。「スピード感」「中長期視点」「ワークライフバランス優先」は経営層と一般社員でギャップ。
- 重要だと思う組織文化のトップ3は「顧客志向」「目的志向」「臨機応変・柔軟に」で、3層のいずれも重視しています。「形式重視」「仕事優先」「トップダウン」はいずれの層も重視度が低いという結果でした。
- 層別の違いでは、「スピード感」が経営層(46.5%)>一般社員(18.1%)、「中長期視点」経営層(36.5%)>一般社員(13.1%)と大きく差が開き、「ワークライフバランス優先」は経営層(23.2%)<一般社員(33.6%)となっています。
●重要だと感じるトレンドワード
「働き方改革」「生産性」に加えて、「発想」「クリエイティビティ」も全層共通の関心事に。
- 「今後自社にとって重要になると思うトレンドワード」の層別の回答率を積み上げて比較すると、トップ2には「働き方改革」「生産性」、次いで「発想」「イノベーション」「クリエイティビティ・創造性」が上がりました。いずれも経営層、管理職層では約85%、一般社員の70%以上が重要になると感じています。
- 「AI」や「DX」といったデジタル動向、「SDGs」「レジリエンス」といった社会課題への対応も上位にあがってきており、関心の高さがうかがえました。
●職場環境をことわざに例えると
理想の職場環境として、「切磋琢磨」「好きこそものの上手なれ」を求める声が強い。
- 現在の職場環境は「石橋を叩いて渡る」が最も高くなっていますが、理想は「切磋琢磨」「好きこそものの上手なれ」「七転び八起き」がトップ3にあがりました。現実と理想のギャップ(差分)は「七転び八起き」「小さく生んで大きく育てる」などで大きく、今よりもチャレンジしやすい環境を求めている様子がうかがえます。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社博報堂/11月18日発表・同社プレスリリースより転載)