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ニュース
社会 教育・オピニオン
掲載日:2021/09/22

「第4回 新型コロナウイルス感染症が企業経営に及ぼす影響に関する調査」(一次集計)結果

ー新型コロナの影響は、飲食・宿泊業、運輸業等で特に厳しい状況が続くなど業種間格差
が大きくなっている。一方、企業の人手不足感は根強く、経営環境が好転する企業もあ
る中で、3割弱の企業では1年後の労働者の増加を見込んでいるー

独立行政法人 労働政策研究・研修機構は、『第4回「新型コロナウイルス感染症が企業経営に及ぼす影響に関する調査」(一次集計)結果』を発表しました。


「第4回 新型コロナウイルス感染症が企業経営に及ぼす影響に関する調査」(一次集計)結果 
(2021 年1、2、3、4、5月の変化を6月に調査・2020 年2月からの連続パネル企業調査) 

(調査結果のポイント)
◎企業の経営状況
<コロナ禍前と比較した 2021 年5月の企業の生産・売上額等は、増加 18.3%、減少 52.1%と、過半数の企業はコロナ禍前の水準に戻っていないが、2割弱の企業はコロナ禍前を上回る>

2021 年5月の企業の生産・売上額等をコロナ禍前の2年前の 2019 年5月と比較すると、過半数の 52.1%の企業はコロナ禍以前の生産・売上額等の水準に戻っていないが、2割弱の 18.3%の企業はコロナ禍以前の生産・売上額等を上回っている。前年同月との比較では、増加した企業割合は 33.1%に対し、減少した企業割合は 36.8%と、4割弱の企業では1回目の緊急事態宣言が発出されて経済活動が停滞した 2020年5月の水準に戻っておらず、引き続き厳しい経営環境にある企業が多いことが推測される。

<17.1%の企業で前年よりも人件費が減少しており、生産・売上額等の減少割合より小さいが、運輸業、飲食・宿泊業では4分の1以上の企業で減少している>
2021 年5月の企業の人件費を前年同月と比較すると、増加した企業割合は 23.5%、減少した企業割合は17.1%と、いずれも生産・売上額等の減少割合より小さい。産業別に増加した企業割合をみると、情報通信業(36.6%)、小売業(30.9%)、製造業(26.0%)、飲食・宿泊業(25.7%)、運輸業(25.5%)などで高く、減少した企業割合をみると、運輸業(27.5%)、飲食・宿泊業(25.7%)などで高くなっている。

◎企業における労働者の増減と過不足状況
<コロナ禍前の 2019 年 12 月と比較した企業の 2021 年5月の労働者は、増加 17.8%、減少 19.3%となっているが、1年後の見込みは、増加が 28.0%と、減少の 8.5%を大幅に上回っている>

2021 年5月の労働者の前年同月との増減をみると、約7割(70.7%)の企業でほぼ同じとなっており、増加した企業割合(15.6%)が、減少した企業割合(13.7%)を上回っているが、飲食・宿泊業においては4割弱(38.6%)の企業で減少している。コロナ禍前の 2019 年 12 月と比較すると、増加した企業割合(17.8%)を、減少した企業割合(19.3%)を上回っているが、両者の差は小さい。産業別には飲食・宿泊業で7割近く(68.4%)、小売業で3割近く(27.0%)の企業で減少している一方、情報通信業では4割近く(39.4%)の企業で増加している。1年後の労働者の増減の見込みは、増加見込み(28.0%)が、減少見込み(8.5%)を大幅に上回っており、3割弱の企業では労働者増を見込んでいる。

<コロナ禍においても企業の人手不足感は根強く、厳しい経営環境の中でも企業の雇用維持のスタンスが強まっている>
2021 年5月末の企業における労働者の過不足状況をみると、「過剰」と「やや過剰」を合計すると 18.1%、「不足」と「やや不足」を合計すると 32.7%となり、不足感の方が高くなっている。また、2021 年5月時点の生産・売上額等の水準が今後も継続する場合に現状の雇用を維持できる期間については、2割弱(18.8%)の企業で半年以内、3分の1弱(31.7%)の企業で1年以内を、雇用を維持できる期間としている一方、「雇用削減の必要はない」(39.6%)、「それ(2年)以上(当面、雇用削減の予定はない)」(24.8%)を合わせると6割以上(64.4%)となっており、継続回答企業でみても企業の雇用維持のスタンスが強まっているように見える。

◎在宅勤務(テレワーク)の実施状況
<テレワーク実施割合は年明け以降やや上昇傾向>

第1回企業調査からの継続回答企業における在宅勤務(テレワーク)の実施率の推移をみると、2回目の緊急事態宣言が発出された 2021 年1月には 41.0%まで上昇し、その後一旦低下した後、3月から5月にかけて上昇し、5月には 40.7%となったが、1回目の緊急事態宣言時よりも低い割合となっている。

◎雇用調整助成金・持続化給付金・金融機関による資金繰り支援等の支援策の利用状況
<主な支援策の利用状況は、「資金繰り支援」、「持続化給付金」、「雇用調整助成金」、「都道府県等による支援策」の割合が高い>

企業が利用した支援策は、「政策金融公庫や民間金融機関のコロナ特別貸付やセーフティネット保証等による資金繰り支援」(40.3%)、「持続化給付金」(37.2%)、雇用調整助成金(33.7%)、「都道府県等による支援」(24.8%)の順に割合が高くなっている。

◎企業の業績に関する今後の見通し、今後の事業継続に対する考えと将来の人材、経営戦略
<企業業績の回復の見通しは、「半年超から1年くらいかかる」、「分からない」、「1年から2年くらいかかる」の順に高く、当初よりも厳しくなっている>

企業の業績に関する今後の見通しは、「回復して元の水準に戻るには半年超から1年くらいかかる」(17.3%)、「分からない」(17.2%)、「1年超から2年くらいかかる」(15.1%)の順に高く、「既に回復して元の水準に戻った」は 11.3%にとどまっている。2020 年4~5月の緊急事態宣言時との比較では、悪くなっているが 39.7%、良くなっているが 25.2%と、当初よりも厳しくなっている。

<今後の事業継続については、5割超の企業が「現行の体制で事業を継続する」と、2割以上の企業が「業務を拡大して事業を継続する」としている一方、飲食・宿泊業では 17.7%、小売業では 12.3%の企業が「業務を縮小して事業を継続する」ことを考えている>
今後の事業継続に対する企業の考えは、「現行の体制で事業を継続する」が 50.4%、「業務を拡大して事業を継続する」が 23.7%、「別の事業を新たに始めて事業を継続する」が 6.9%、「業務を縮小して事業を継続する」が 5.9%となっている。産業別では、「業務を拡大して事業を継続する」は、医療・福祉(45.6%)、情報通信業(40.7%)、運輸業(30.3%)で高い一方、「業務を縮小して事業を継続する」は飲食・宿泊業(17.7%)、小売業(12.3%)、運輸業(10.1%)で高い。

<将来の人材戦略として、「雇用や人材の育成を重視する」、「年齢に関わりなく能力・成果に応じた登用を進め、正社員の年功賃金割合を小さくする」などの割合が高くなっている>
今後の見通しを踏まえた将来の人材戦略としては、「雇用や人材の育成を重視する」(69.1%)、「年齢に関わりなく能力・成果に応じた登用を進め、正社員の年功賃金割合を小さくする」(50.5%)、「中途採用を強化する」(36.9%)、「教育訓練・能力開発を進める」(36.1%)の割合が高くなっている。

<3分の2の企業がデジタル化対応を行っており、今後も進むと見込む企業が多い>
デジタル化に関する何らかの項目をこれまでに実施した企業は約3分の2(65.9%)となっており、「テレワークの実施」(27.8%)、「ペーパーレス化」(27.5%)、「業務におけるオンラインの活用」(22.0%)、「業務データのクラウド化」(18.6%)の順となっている。ポストコロナにおける変革については、いずれの項目においても「推進される」割合が「元に戻る」割合を上回っている。

 

◆詳しくはこちら(PDF)をご覧ください。

(独立行政法人 労働政策研究・研修機構/9月15日発表・同法人報道発表より転載)

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