人事業務の変化から見る新型コロナの影響調査
累計13,000社260万人以上に人材育成サービスを提供する株式会社ラーニングエージェンシー(旧トーマツ イノベーション株式会社、本社 東京都千代田区、代表取締役社長 眞﨑大輔、以下「LA」)は、2020年8月3日~8月7日の期間、企業の人事・教育担当者395人を対象に「新型コロナウイルスが人事・採用に与えた影響」に関する調査を実施しました。今回は、本調査のうち人事業務の変化に関する結果と考察を公表します。
<背景>
新型コロナウイルス感染症による経済活動への制約が緩和され始めた一方、安倍首相の辞任から菅内閣への移行という大きな変化、また九州への大型台風の上陸といった自然災害もあり、いまだ不安定な状況が続いています。
LAでは、社会情勢や経済の影響を受けやすい領域を扱う「人事業務」の観点から、今後、企業が社会の変化に対応するために何が必要なのかを明らかにすべく調査を行いました。また、より具体的な対策を探るため、“企業の規模*”によるコロナ禍の影響・対策の違いを分析しました。
*本レポートでは企業の属性を従業員数で区分。従業員数300人以下を中小企業、301人以上を中堅・大企業と表記
<調査結果の詳細>
1.コロナで変化対応を迫られた業務には企業規模による差が。中小企業は「就労環境・規則整備(58.9%)」 中堅・大企業は「社員育成(64.5%)」で変化対応が必要に
コロナの影響で変更・新たに対応が必要になった人事業務は、中小企業、中堅・大企業共に「採用」が最多となりました。次いで、中小企業では「就労環境・規則整備(58.9%)」、中堅・大企業では「社員育成(64.5%)」となり、企業規模によって対応を迫られた業務に違いが見られました。
また、コロナをきっかけに取り入れた施策・ツールは、1位が採用に関連する「Web面接・説明会」、2位が「Web会議システム」となり、企業規模による順位の差は見られませんでしたが、「Web会議システム」を導入した割合は、中堅・大企業が53.6%だったのに対し、中小企業では65.6%となり、12.0%も多い結果となりました。
2.コロナで66.6%が「業績低下」、62.3%が「残業時間減少」。企業規模による差は見られず。「モチベーション」「ロイヤリティ」「チームワーク」については半数以上が変わらないと回答。一方、「社員の成長速度」が下がったと感じる企業が4割
次に、コロナが企業に与えた影響について聞きました。
影響が大きかったのは「会社の業績」の低下で66.6%。「残業時間」は62.3%が減ったと回答しました。社員のマインドに関する項目「社員のモチベーション」「会社へのロイヤリティ」「チームワーク(団結力など)」については、それぞれ半数以上が「変わらない」と回答。また、「社員の成長速度」は約4割が下がったと回答しました。本問において、企業規模による回答差は見られませんでした。
3.67.3%が教育計画の見直しを検討。強化したいスキルトップ3は業務継続に必要な「コミュニケーション力」「マネジメント力」「自己管理力」
社員の教育に関しては、教育計画の見直しを実施・予定している企業が67.3%となりました。また、企業規模別に見ると「見直している」と回答した割合が、中堅・大企業で27.3%、中小企業で10.9%、「これから見直す」と回答した割合が、中堅・大企業で10.0%、中小企業で21.4%となり、教育に対する着手のスピード感にズレが見られました。
具体的に追加・強化したいスキルについては、「コミュニケーション力(58.4%)」「マネジメント力(56.8%)」「自己管理力(47.4%)」が上位となっています。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社ラーニングエージェンシー / 9月18日発表・同社プレスリリースより転載)