2019 年度起業と起業意識に関する調査(特別調査)
日本政策金融公庫(略称:日本公庫)総合研究所は、起業と勤務の垣根が低くなっている現状を確認するために、「ボーダーレス起業家」(※1)「ボー ダーレス勤務者」(※2)について調査しました。主な調査結果と調査の要領は次のとおりです。
(※1)現在事業を経営しており、その直前の職業は勤務者。かつ、過去に現在とは別の事業を経営したことがあるが、その事業からは退いている人。
(※2)現在の職業は勤務者で、過去10年以内に自分で開業した事業を経営したことがあるが、その事業からは退いている人。
<主な調査結果>
自営と勤務をボーダーレスに行き来する人の事業拡大意欲や起業意欲は高い
1 ボーダーレス起業家やボーダーレス勤務者は、仕事において「収入」を最も重視
仕事をするに当たって「収入」を最も重視する人の割合は、ボーダーレス勤務者(43.1%)とボーダーレス起業家(38.1%)が、その他の起業家(26.0%)やその他の勤務者(37.0%)に比べて高い。また、ボーダーレス起業家やボーダーレス勤務者は、正社員や非正社員として勤務した社数がその他の層に比べて多い。
2 ボーダーレス起業家は、事業の拡大志向が強い
ボーダーレス起業家は、その他の起業家に比べて開業時の従業者規模がやや大きく、起業費用も高い。今後の事業規模については、売上高、従業者数ともに「増やす」という割合がその他の起業家を上回っており、事業を「承継したい」という割合も相対的に高い。
3 ボーダーレス起業家は仕事のやりがいやワークライフバランス、ボーダーレス勤務者は収入について「満足」
ボーダーレス起業家は、仕事のやりがいに「満足」している人が60.2%と多く、ワークライフバランスに「満足」している割合(54.2%)もその他の層に比べて高い。一方、ボーダーレス勤務者は、収入に「満足」している割合が38.8%とほかに比べて特に高い。
4 ボーダーレス勤務者の4割以上が「勤務するよりも自分で事業を経営したい」
ボーダーレス勤務者の42.5%が「企業に勤務するよりも自分で事業を経営したい」と回答しており、同割合はその他の勤務者(14.0%)に比べてかなり高い。
<調査の要領>
・調査時点:2019年9月・調査方法:インターネットによるアンケート
<お問い合わせ先>
日本政策金融公庫 総合研究所
小企業研究第一グループ
Tel:03-3270-1687(担当:桑本、青山)
◆本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(株式会社日本政策金融公庫/1月29日発表・同社プレスリリースより転載)