メンタルヘルス休職 スムーズな復職のカギは?
メンタルヘルス不調により休職した労働者は、復職後、短期間で再度の休職に追い込まれてしまうことも多い。独立行政法人労働政策研究・研修機構が2013年に発表した調査では、過去3年で新たに「メンタルヘルス」を理由に病気休職制度を利用した人のうち、職場に復帰していたのは45.9%と、半数以上が復帰できていない。また職場に復帰しても、メンタルヘルスについて「ほとんど再発はない」とする割合は47.1%にとどまる。
社員のメンタルヘルス休職が企業にとって重要な課題となる中、休職期間中から復職後一定期間まで支援プログラムを組む企業が増えている。
ヤフーは、休職中から復職後6ヵ月までを7段階に分けてプログラムを組み、社員に寄り添う。休職していた社員が職場に戻るときは、まず仮復職として短時間勤務(最大4週間)から始め、問題がなければ正式に復職する。その後も6ヵ月にわたり、段階的な就業制限を設けている。またエプソン販売では、復職後最大3ヵ月の短時間勤務内で、社員が継続的に8時間勤務できることを確認するまで支援する。(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」より)
社員が復職しても、すぐに万全な状態で仕事することは難しく、以前の働きぶりを取り戻すまではしばらく時間が必要なことが多い。職場の理解を得て、復職した社員が焦らずに完全復帰に向かえるよう、環境を整えることが人事には求められている。
(『日本の人事部』編集部)