企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】ショクバフッキシエンプログラム 職場復帰支援プログラム

「職場復帰支援プログラム」とは、メンタルヘルスの不調で長期休業していた労働者の復職を会社側が支援するにあたって、いつ、どこの職場であっても適切な対応がとれるように、関係者の役割や活動の基本を、社内の実情に即した形であらかじめルール化しておくものです。メンタルヘルス対策上は「職場復帰支援プログラム」が整備され、復帰する不調者ごとに個別の「職場復帰支援プラン」が作成されることが重要です。
(2011/2/14掲載)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

職場復帰支援プログラムのケーススタディ

メンタルヘルス不調者の職場復帰支援は
専門家を中心に組織的・計画的な対応を

メンタルヘルスの不調で休業した従業員の円滑な職場復帰・再適応を支援することは、企業経営にとって、貴重な労働力の維持・活用を図るという観点からもきわめて重要な、喫緊の課題ですが、現状では対応に苦慮している企業が少なくありません。その要因としては、病気自体の難治性や再発率の高さもさることながら、「復帰に向けた社内制度が整備されていない」「短期間で復職させたが、適応できず再休職になった」など、支援体制の不備や不調者への対応の誤りが指摘されます。とりわけ性急な復帰は、本人の病状の安定を妨げるだけでなく、周囲の人間関係にも悪影響を及ぼしかねません。結果的に、職場全体の生産性が低下してしまうことも懸念されます。「職場復帰支援プログラム」に基づいた組織的かつ計画的な対応が求められるゆえんです。

そのガイドラインとして厚生労働省は、2004年に「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」を公表しました。もともと職場復帰支援は各企業の意欲や裁量に委ねられていたため、対応にばらつきがありました。同省が手引きを公表した背景には、現場の管理監督者や人事労務担当者に求められるメンタルヘルス不調者への対応に統一性、一貫性をもたせるねらいがあります。

職場復帰支援プログラム」は、各企業の衛生委員会などで調査・審議し、産業医や看護師、カウンセラーなど産業保健スタッフの助言を受けながら、職場の実態に即した形で策定・運用されることが求められます。策定にあたってはまず、休業開始から通常業務への復帰まで、不調者が辿る標準的な“プロセス”を明確にしなければなりません。たとえば〈療養休職に至るまで→療養から回復→復職の意思表示→主治医による復帰可能の判断→産業医による評価・助言→職場復帰と就労上の配慮の決定→復帰と復帰後のフォローアップ〉といった流れです。この流れに沿って、各プロセスで本人や関係者の果たすべき役割を定め、あわせてプログラムを円滑に実施するために必要な関連規定や体制の整備、それらの周知徹底を進めるのです。

さらに主治医によって復帰可能と判断されたら、同プログラムに基づいて、対象となる労働者ごとに個別の「職場復帰支援プラン」を作成、具体的な復帰のタイミングや処遇、仕事内容、労働条件などを詰めていくことになります。職場復帰支援プランの作成・実施にあたっては、労働者のプライバシーにくれぐれも配慮すること、 産業保健スタッフを中心に労働者本人や管理監督者が互いに連携を図ること、主治医との連携を図ることなどに十分留意する必要があります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

産業保健活動総合支援事業
「産業保健活動総合支援事業」とは、企業の産業保健活動に対する効果的な支援を促進するために、厚生労働省が2014年4月から運営を開始した新事業です。「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(201三年12月24日閣議決定)をうけて、同省は、産業保健を支援する既存の三つの事業――地域産業保健事業、産業...
リワーク
「リワーク」(Re-Work)とは、ある程度まで回復した休職中のメンタルヘルス不調者を対象に、復職に向けたウォーミングアップを行うことをいいます。いきなり職場へ戻って働きはじめるのではなく、専門の公的機関や医療機関などに通い、オフィスに似た環境で実施されるさまざまな復職支援プログラムを通じて再発リ...
試し出勤
「試し出勤」とは、うつ病などメンタルヘルスの不調で会社を長期休職していた社員が、スムーズに職場復帰へ移行できるようにするための支援策の一つ。時間をかけて出勤時間や日数を段階的に増やし、勤務や業務負担に慣れていくやり方が一般的です。「リハビリ出勤」「慣らし出勤」とも言われます。 (2011/1/17...

関連する記事

企業におけるメンタルヘルスの実態と対策
近年、メンタルヘルス不調者が増加し、メンタルヘルス対策が企業の大きな課題となっているが、実際に企業の取り組み状況はどうなっているのだろうか。
2010/10/08掲載人事・労務実態調査
人事担当者157人に聞いた「メンタルヘルス対応の実際」
一般財団法人 労務行政研究所(理事長:矢田敏雄)では、メンタルヘルス対応に関して、企業の現場はどう変化しているのか、人事担当者はどういうことに悩んでいるのか、どんな点が課題なのかを浮き彫りにするため「メンタルヘルス対策“本音”アンケート」を実施。本記事では、そ...
2013/08/19掲載人事・労務実態調査
職場のストレスをどう解消している?メンタルヘルス対策の最新実態を探る
実務担当者にとってメンタルヘルス対策は無視できない問題となってきましたが、その取り組みは今、どこまで進んでいるのでしょうか。企業のメンタルヘルス対策をめぐる事情について、労務行政研究所の調査をもとに探ってみます。
2005/07/11掲載人事・労務実態調査

関連するQ&A

メンタルヘルス対応について
非常にデリケートな問題ですが、面接時にある程度判断できる質問例を検討しております。よろしくお願いいたします。
メンタルヘルスの従業員の職場復帰
 メンタルヘルスで休職していた従業員が職場復帰したいとの申出をしてきました。当該人には、休職期間中に、会社では主治医からの診断書の提出を受け、産業医に相談、指導を受け、その後職場復帰の計画書を作成する予定と話しておりましたが、職場復帰し、その後診断書が提出され、計画が済崩しとなってしまいました。  ...
職場復帰の原則について⇒何故、元の職場へ復帰が原則なのか?
いつもお世話になっております。 タイトルの件、質問させていただきます。 メンタルヘルス不調で休職した後の職場復帰について、うかがいます。  1.職場復帰の原則、何故、元の場所(職場)なのか?    根拠、理由は?  2.元の職場(場所)について、たとえば、一つの部の中に、課が2つある場合、  ...
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
人事・労務の専門家が親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 人事管理 ]
分類:[ 就業管理 ]

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


ミスなく!手間なく!リスクなく!<br />
「奉行シリーズ」で中堅・中小企業を熟知するOBCのマイナンバー対応サービスとは

ミスなく!手間なく!リスクなく!
「奉行シリーズ」で中堅・中小企業を熟知するOBCのマイナンバー対応サービスとは

マイナンバーの個人への通知開始まで、半年を切った。企業のマイナンバー対...


優秀な人材の流出を未然に防ぐ ~リテンション・マネジメントの最新技術とは~

優秀な人材の流出を未然に防ぐ ~リテンション・マネジメントの最新技術とは~

「日本は雇用の流動性が低い」とよく言われます。「流動性が低いことは問題...