社員の介護離職防止に向けて、企業による介護と仕事の両立支援策進む
介護を理由とした社員の離職を防止するため、企業独自の取り組みが増えている。一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)の調査によれば、4割以上の企業が社員の介護問題への支援を「人事労務管理上の重要課題」と位置付けているという。
ファンケルグループでは、正社員の雇用区分として「アソシエイト正社員」を2019年4月に新設。介護や長期療養が必要な身体の病気、身体障がいを抱える社員を対象に、本人の希望する時間や日数で柔軟に勤務できる雇用区分で、仕事と両立を実現できる職場環境づくりを目指す。
株式会社エイチームは、2019年2月から「介護支援制度」を導入。介護を理由とする休業期間を従来の93日から最大1年間に延長したほか、介護が必要な場合、有給による介護休暇を年10日取得することができるようになった。エイチームグループ社員の平均年齢は31.0歳と比較的低いが、今後は親などの介護が必要となる社員が増えることを予測し、制度導入に至ったという。
介護離職の影響は社員本人や企業だけではなく、経済全体にも影響を及ぼす。経済産業省によると経済損失は約6,500億円と見込まれており、国や企業による介護支援制度の充実は引き続き重要な課題と言えるだろう。
(『日本の人事部』編集部)