日本公庫総研レポート「人材の定着を促す中小企業の取り組み」を発行~従業員への意識調査にみる離職防止のためのポイント:日本政策金融公庫
日本政策金融公庫総合研究所は、日本公庫総研レポート「人材の定着を促す中小企業の取り組み」を発行しました。
中小企業にとって現在の人手不足は、1990年前後のバブル期に近い状況がうかがえます。新規学卒者の採用が難しいなか、仮に苦労して何人かを採用できたとしても、すぐに辞められてしまうことも少なくなく、現有人材の定着を図ることがこれまで以上に求められています。
本レポートでは、就業者へのアンケートとインタビュー、企業への事例調査を基に、働き手の就業・定着・離職にかかわる意識や、人材の定着を促すポイントなどを明らかにしています。
本レポートの概要は以下のとおりです。
1.就業・定着・離職にかかわる就業者の意識
アンケートで現在の勤務先を離職したいと考える理由を尋ねると、最も多いのが収入面への不満でした。それでも離職していない理由は、「不満は多いが辞めるまでではない」であり、インタビューでも、「給料が下がったが、人間関係が良いので辞めない」という声が聞かれます。収入面への不満があっても、それが離職に直結するわけではなく、ほかの何らかの要因が絡んで離職に対する抑止が外れるケースが多いようです。インタビューで離職経験者に対し、仮にどのような手立てがあれば前職を辞めなかったのか尋ねたところ、「自分の話を聞いてくれていたら」「ビジョンやキャリアパスが明確に示されていたら」といった声が聞かれました。就業者との直接的な対話があれば、防げた離職も多いと考えられます。
2.人材を定着させるためのポイント
厳しい経営環境下にある中小企業にとって、従業員の不満を解消するだけの十分な賃上げを実現することは容易ではありません。就業者へのインタビューでも「賃金が上がったが、辞めたい人は辞めた」との指摘もあり、賃上げ以外の方策も講じる必要があります。
事例企業の取り組みを整理すると、人材の定着を促進する方策として、①従業員一人ひとりに配慮し対応する組織体制の構築、②従業員間のチームワークを半ば強引にでも促す仕掛けの実施、③経営トップと従業員の間の積極的なコミュニケーションの推進、が挙げられます。特に③は、大企業にはない中小企業の強みの一つです。直接的な対話が、就業者の不満を早い段階で解消できる機会にもなり、人材の定着に大きく寄与すると考えられます。
※本レポートの全文につきましては、こちら(PDF)をご覧ください。
<お問合わせ先>
日本政策金融公庫 総合研究所 中小企業研究第二グループ(担当:海上うなかみ)
〒100-0004 東京都千代田区大手町 1-9-4 大手町フィナンシャルシティ ノースタワー
TEL 03-3270-6070
◆本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(日本政策金融公庫 https://www.jfc.go.jp/ /6月27日発表・同社プレスリリースより転載)