社内で「副業」丸紅などで導入 イノベーション創出やキャリア開発に
普段行っている業務とは異なる、他部署の仕事を、従業員に経験させる企業が増えている。
丸紅は4月から、国内で勤務する従業員2700名を対象に、「社内副業」に取り組むことを義務付ける。勤務時間のうち15%の時間を通常業務から離れ、部門を横断して動くよう促すことで、新規事業の創出につなげる狙い。通常業務をこれまで通り進めるため、社内の稟議書や会議などを削減し、業務効率化にも取り組む。社内副業による成果は、人事考課にも反映させる(日本経済新聞より)。
また、オリックスは昨年8月から10月の間、社員のキャリア形成に役立てることを目的に、社内インターンシップを実施。「他部署の具体的業務を知って視野を広げたい」「スキルや知識を吸収したい」といった社員からの要望に応え、原則5営業日の間、希望する部署での業務を経験させた。
部署を越えた業務経験によって、従業員の成長が期待できる。また、受け入れ部署の業務改善や、社内の交流促進などにもつながるだろう。近年、キャリア開発やイノベーション創出につながるとして、「副業」が注目されている。「労働時間が把握しづらくなる」「本業がおろそかになる恐れがある」などの理由から、社外での副業を認めていない企業でも、社内の副業であれば比較的導入しやすいだろう。今後、企業の取り組みはますます活発になることが予想される。
(『日本の人事部』編集部)