メンタルヘルス対策 上司のサポートが鍵
2015年12月のストレスチェック制度施行後、多くの企業が従業員のメンタルヘルス対策に力を入れている。
株式会社保健同人社と株式会社ヒューマネージが発表した調査によると、義務化二年目のストレスチェック受診率は平均88%と、高い水準となった。同調査によると、非・高ストレス者と比較して高ストレス者は「職場の対人関係でのストレス」を感じており、上司など、周囲の人からのサポートが少ないと感じている傾向があったという。
部下の不調に気付き、未然に対策を取れるよう、管理職の教育に取り組む企業も増えつつある。塩野義製薬では、管理職向けにWeb上でのメンタルヘルス教育を実施。各事業所でもセミナーを開催するなど、不調が発生しない職場づくりに取り組んでいる。また、TOTOでは、従業員のセルフケア研修に加え、不調者への早期対応や再発予防のための管理監督者研修を実施し、ラインケアの充実を図っている。
ストレス耐性は個人の価値観や性格によって大きく異なり、自分自身でも気が付かないうちに不調をきたしてしまう従業員も多い。そのため、予防には管理職が知識を身に付け、配慮を行うことが重要だ。企業のメンタルヘルス対策が求められる中で、どのように管理職の意識を高めるのか、企業の取り組みが注目される。
(『日本の人事部』編集部)