パーソル総合研究所×東京大学 中原淳准教授「希望の残業学プロジェクト」を発足~長時間労働の真の要因を多角的に探る数万人規模の調査を実施 日本企業に有効な残業削減の打ち手を検討:パーソル総合研究所
株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:渋谷和久、以下パーソル総合研究所)は、東京大学 中原淳准教授との共同研究として、「希望の残業学プロジェクト※」を開始いたします。
本プロジェクトでは、様々な業界・職種の管理職および従業員約15,000人を対象とした大規模調査を実施し、日本で長時間労働が常態化する要因を定量・定性の両面から分析します。さらに、残業を減少させた場合に起こりうる企業と労働者双方への影響を明らかにした上で、有効性の高い残業削減サービスの開発を目指します。
※「残業学」はパーソル総合研究所と東京大学 中原淳准教授にて共同考案し、現在商標登録を出願中です。
■プロジェクト発足の背景と概要:日本の長時間労働の要因を大規模調査から分析し、有効な対策を検討
昨今の働き方改革への機運の高まりから、企業には長時間労働是正が求められています。しかしながら、職場環境を考慮せず一律かつ強制的に残業を削減する取組みは、早期に形骸化してしまうだけでなく、労働者の意欲を低減させる恐れもあります。また企業活動を持続する上でも、単に残業を削減するだけでなく、労働者の仕事に対するモチベーションや組織の状態を向上させ、業績を維持することが不可欠です。
そこで本プロジェクトでは、企業・組織における人材育成を専門とする東京大学 中原淳准教授を共同研究者として迎え、日本で長時間労働が常態化する要因について分析し、効果的な打ち手を検証します。
様々な業界・職種の管理職および従業員を対象とした大規模定量調査により、残業を発生させる組織風土や上司の特徴、残業しやすい個人の特徴を分析。影響度の高い要因については定性調査を用いて分析を掘り下げていきます。さらに本調査結果を基に、企業と労働者双方に意義のある効果的な残量削減サービスの開発を目指します。なお研究結果については、書籍やフォーラム、研修プログラム等を通じて発表するほか、パーソル総合研究所のコーポレートサイトや公式SNSでも随時公開予定です。
■中原淳准教授からのコメント・プロフィール:「やらされ感」のある働き方改革の「その先」を検証
これからの多様性あふれる社会に思いを馳せるとき、「働き方改革の必要性」は言うまでもなく、繰り返される「違法な残業」は、ただちに一掃されるべきだと考えています。しかし一方で、現場で働く人々の現状を顧みない、性急な施策が矢継ぎ早に計画され、実施されていることにも危惧をもっています。
長時間労働を生み出してしまう職場のマネジメントの機能不全や、不適切な仕事の量等の「根本的な原因」を放置して、労働時間のみを削減する「改革」が今、日本全国で進行しています。その分のしわ寄せは、現場で働く多くの人々に重くのしかかります。
これに加えて、現在行われている改革の中には、「労働時間をとにかく短くすればいい」という短絡的な視点で実施されているものも少なくありません。長時間労働を是正した後に広がる「働きがいの向上」「将来の成果や希望」に対して目配りが欠けていることも、見逃せません。長時間労働を見直しつつ、どのように仕事の付加価値を高めていくのか。業績を維持するためにどうするか。長時間労働削減の「その先にある未来」に目配りしていくことが重要だと感じます。「希望の残業学」プロジェクトが、仕事の現場に広がる「やらされ感」を「希望」に変え、「働き方改革」の「その先」を描くことを願っています。
中原淳准教授 プロフィール
東京大学 大学総合教育研究センター 准教授 中原淳(なかはら じゅん)
東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院人間科学研究科、メディア教育開発センター(現・放送大学)、米国・マサチューセッツ工科大学客員研究員等をへて、2006年より現職。専門分野は人的資源開発論、経営学習論。単著(専門書)に『職場学習論』(東京大学出版会)、『経営学習論』(東京大学出版会)、『人材開発研究大全』(東京大学出版会)。一般書に『研修開発入門』『駆け出しマネジャーの成長戦略』『アルバイトパート採用育成入門』など、その他共編著多数。
<問い合わせ先>
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◆本リリースの詳細はこちらをご覧下さい。
(株式会社パーソル総合研究所 http://rc.persol-group.co.jp/ /8月29日発表・同社プレスリリースより転載)