配偶者の転勤で退職を考える女性は約7割 企業にできるサポートとは
配偶者の転勤により、退職の選択を余儀なくされる社員が増えている。NPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が今年2月に行った調査によると、「夫が転勤したら今の職場を辞めると思う」と答えた女性は正規雇用者の69.6%、管理職やリーダー職などの役職つき女性でも63.7%にのぼった。
このような状況を受けて多くの企業が、配偶者が転勤しても継続して就労することを可能にする制度を導入している。
住友電気工業は今年4月から、配偶者の海外転勤に同行する社員に最長5年間の休職を認める制度を導入した。同社ではこれまでも、退職して5年以内であれば復職できる制度を運用していたが、新制度導入で休職前の職場に戻ってきやすい環境を整える(日本経済新聞より)。
富士ゼロックスでは昨年から「配偶者転勤帯同制度」を導入。配偶者の転勤が決まった社員に対し、配偶者の新任地にある他の拠点への転勤を認めている。拠点がない場合や適合する業務がない場合にはグループ各社に範囲を広げ、出向の形で継続就労の可能性を検討する。
人材不足が問題となっている現在、優秀な人材の確保は、企業にとって重要課題の一つ。近年は働き方が多様化していることもあり、社員のさまざまな状況を想定した上で、継続して働き続ける環境を整えることが、企業には求められそうだ。
(『日本の人事部』編集部)