「有給休暇取得率」アップには“取得しやすい”環境づくりが不可欠
働き方改革が進む中で、有給休暇取得率向上に向けた各社の取り組みが進んでいる。日本経済団体連合会が2016年に経団連企業会員および地方別経済団体会員企業を対象に行った「ワーク・ライフ・バランスへの取組み状況」によると、「年休取得率・取得日数向上目標の設定」を行っている企業は53%と、半数を超えた。
実際、ここへきて有給休暇取得促進を目指す企業の動きが活発化している。住友商事は年間20日の有給休暇のうち、平均16日以上の取得を目指し、今年から個人の取得目標を「最低14日以上」に引き上げた。同社では毎年1月、社員に隔月ごとの有給取得日数の「年間取得計画」を提出させ、有給取得が足りない社員には定期的に休みを促す仕組みを整えている(日本経済新聞より)。
また、オリックスでは今年2月、「リフレッシュ休暇取得奨励金制度」の新設を発表。5営業日以上の連続休暇を取得した社員に対して3~5万円の奨励金を支給する。1週間以上の休暇取得を促進することで、社員のリフレッシュはもちろん、チームワークの向上や業務の俗人化防止などが期待できる。同社では、休暇を取得しやすい環境整備を促進することで、年次有給休暇取得率80%以上を目指す。
厚生労働省が行った平成28年「就労条件総合調査」によると、平成27年1年間の年次有給休暇取得率は48.7%。政府が2020年までの目標とする有給休暇取得率70%との隔たりは依然として大きい。今後企業は単に目標を定めるだけでなく、有給休暇を取得しやすい環境や仕組みづくりが求められるだろう。
(『日本の人事部』編集部)