「昇給・ベアともに実施」した企業は55.4%で、2014年から3年連続で過半数を超える~『2016年1~6月実施分 昇給・ベースアップ実施状況調査結果』:日本経済団体連合会
一般社団法人 日本経済団体連合会は1月17日、『2016年1~6月実施分 昇給・ベースアップ実施状況調査結果』を発表しました。
<調査結果の概要>
1.賃金決定にあたって主として考慮した要素(二つ回答)
本項目の調査を開始した2009年から、「企業業績」(66.2%)が最も多く、「世間相場」(48.4%)、「経済・景気の動向」(23.8%)を加えた3要素が上位を占める傾向に変化はない。続いて、「人材確保・定着率の向上」(13.9%)や「雇用の維持・安定」(13.6%)が多くなっており、労働力不足への対応なども考慮していることが伺える結果となった。
2.月例賃金引上げの実施状況
「昇給・ベアともに実施」した企業は55.4%で、2014年から3年連続で過半数を超えた。「昇給実施(ベアなし)」(44.6%)した企業とあわせると、本項目の集計企業すべてで定期昇給や賃金カーブ維持分の昇給、ベースアップの実施など、何らかの月例賃金の引上げが行われた。
3.月例賃金引上げの状況
2016年の月例賃金引上げ額は6,812円で、14年、15年に続いて高い水準となっており、率も3年連続で2%を超えている。
昇給とベースアップの区別のある企業を対象に、月例賃金引上げの内訳をみると、総額6,909円(2.23%)のうち、昇給分は6,071円・1.96%、ベア分は838円・0.27%となった。昇給分は6,000円前後、2%弱という傾向に変わりはないが、ベア分は0.1%未満で推移していた、2009年~13年と比べて高い水準が続いている。
4.月例賃金の引上げ額の分布状況
引上げ額は、「6,000円台」(23.8%)、「7,000円台」(18.7%)、「5,000円台」(17.6%)の順に多く、上位3つの分布の合計は全体の6割(60.1%)を占めている。このほか、10,000円以上の分布は1割弱(9.2%)にのぼっている。
<調査の基本事項>
調査目的: 昇給やベースアップなど月例賃金引上げの実態と動向を把握し、今後の参考とするために1953年より毎年実施(東京経営者協会との共同調査)
調査対象: 経団連企業会員および東京経営者協会会員企業1,918社
調査時期: 2016年6月7日~7月1日
回答状況: 集計企業数488社(有効回答率25.4%)
(製造業51.4% 非製造業48.6%、従業員500人以上規模78.1%)
2016年1~6月実施分 昇給・ベースアップ実施状況調査結果(PDF)
◆本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(一般社団法人日本経済団体連合会 http://www.keidanren.or.jp/ /1月17日発表・同連合プレスリリースより転載)