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【ヨミ】ムキテンカンルール 無期転換ルール

「無期転換ルール」とは、平成25年4月の労働契約法の改正により、同一の使用者(企業)との間で有期労働契約が5年を超えて反復更新されたときに、労働者からの申込みによって無期労働契約に転換されるルールのことです。例えば、契約期間が1年の場合は、5回目の更新後の1年間に無期転換の申込権が発生。契約期間が3年の場合は、1回目の更新後の3年間に申込権が発生します。有期契約労働者が使用者に無期転換の申込みをした場合に無期労働契約が成立し、使用者は断ることができません。
(2017/12/21掲載)

無期転換ルールのケーススタディ

登用には中長期的な視点が必要
抜け穴を突き自動車メーカーでは適用回避の動き

「無期転換ルール」が生まれた背景には、期間従業員や派遣社員など、雇止めの不安と共に働く有期労働者、非正規社員の増加があります。法改正には、有期雇用の反復更新で長期的に雇われている労働者を、実態に合った無期労働契約に変え、雇用の安定を図る狙いがありました。

このルールにより、有期労働者には無期労働契約への転換を申し込む権利(無期転換申込権)が発生し、これを行使することで契約期間の定めがなくなります。ただし、契約終了後から再雇用までに空白期間が6ヵ月以上あると、それ以前の契約期間はリセットされ、通算されないという抜け道がありました。

これを利用し、大手自動車メーカーは契約終了後に6ヵ月の空白期間を設けて、無期雇用への切り替えを回避する制度変更を行う動きが見られています(2017年11月4日付朝日新聞デジタルより)。また、多くの大学で、有期契約の教職員を最長5年で雇い止めにする規則を定め問題となっていましたが、東京大学がこの規則を撤廃する方針を示し(2017年12月15日付朝日新聞デジタルより)、他の大学の動きが注目されています。

それでは、企業が「無期転換ルール」を導入するときには、どのようなステップが必要になるのでしょうか。厚生労働省のポータルサイトには「(1)有期社員の就労実態を調べる→(2)社内の仕事を整理し、社員区分ごとに任せる仕事を考える→(3)適用する労働条件を検討し、就業規則を作成する→(4)運用と改善を行う」といったステップが紹介されています。

無期転換後の雇用区分は、会社によって制度が異なるため、どのような雇用形態になるのかは各社が決めることになります。そこで考えられる選択肢は「労働条件はそのままで契約期間のみを変更」「多様な正社員(勤務地や労働時間、職務などの労働条件に制約を設けた正社員)へ転換」「正社員へ転換」など。本人の意向も踏まえつつ、業務にふさわしい雇用形態を選ぶ必要があります。

今後、人手不足が進む中、多様な人材からのさまざまな要望に応えるには、中長期的な視点に立ち、より柔軟な人材の登用を考えることが求められます。例えば「契約期間の変更→多様な正社員→正社員」といった段階的な登用の変更を行う制度を設けるなど、企業には一層の工夫が求められるでしょう。

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