業績連動型賞与
業績連動型賞与とは?
会社あるいは部門ごとの業績を賞与支給額に連動させる制度。成果主義へ移行する企業のほとんどが採用しています。一般的には全社業績で賞与原資を決め、各部門の目標達成度などに応じて配分額を決める企業が多いようです。
成果主義の浸透とともに普及
基本賞与と業績賞与で構成
それまで月給の○カ月分という基本給連動型だった賞与を、営業利益などで示される企業業績に連動させようとする動きが強まったのは1990年代後半からです。経営者にとっては、賞与支給額を企業業績に連動させることにより、企業経営の安定化を図ることができます。また企業業績の向上が賞与の増額につながることから、企業業績への従業員の意欲を高め、組織活力を喚起させる効果も期待できます。
業績連動型の賞与を採用している企業の多くは、固定部分(基本賞与)と業績連動部門(業績賞与)を組み合わせて支給しています。成果主義が浸透してきた昨今では、固定部門を縮小させ、業績連動部門を拡大する企業が増えてきました。
また、定量的(結果)な指標と定性的(プロセス)な指標を組み合わせて業績を評定したり、業績評価に企業の収益分析の代表的指標であるROA(総資産利益率)や株主に対する収益還元に重点を置いたEVA(経済的付加価値)を取り入れるなど、その手法も多様化しています。
発酵化学のトップ企業、協和発酵工業は2002年の冬期賞与から管理職約1000人を対象に管理職賞与制度を改定しました。具体的にはカンパニー制の業績を結果系(定量)指標とプロセス系(定性)指標で評定、賞与額(支給率)と評定原資に反映させています。一方、大手ガラスメーカーの旭硝子も2001年の冬期賞与から1150人の課長以上の管理職を対象に、新たな指標を取り入れた業績連動型賞与制度を導入しました。EVAに焦点を当て、これに独自の考えを折り込んだ「経済付加価値率」を業績指標としています。
業績連動型賞与の決定方法は各社各様のようですが、さらに従業員のやる気を引き出すために個人業績と連動させるなど、その企業の風土に合った賞与算定基準を確立することが必要です。
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