【ヨミ】オープンブック マネジメント オープンブック・マネジメント

“オープンブック”のブックは企業の会計帳簿や財務諸表を指し、それをオープンにするという意味。すなわち「オープンブック・マネジメント」(Open Book Management)とは、自社のあらゆる経営指標をすべての従業員に開示し、経営の透明性を高めることによって、従業員の自律性や組織のモラールを最大限に高めようとする経営手法のことです。OBMとも略されます。
(2011/3/28掲載)

オープンブック・マネジメントのケーススタディ

“数字”を共有すれば社員は自ら動く
教育と権限委譲、成功報酬も不可欠

そこで働く誰もが業務改革、組織改革の必要を感じていながら、なかなか成果が出ないという職場には、かならずと言っていいほどある種の疑心暗鬼や他責(問題を他者のせいにすること)が巣食っています。マネジメント側は社員に対して「危機感がない」「当事者意識がない」と不満を露わにし、社員は社員で上からはっぱをかけられるほど、「業績が上がらないのは経営者のせい」「本当は自分たちの給料がもっと上がってもいいのではないか」と不信感を募らせる。これでは、組織のモラールが高まらないのも無理はありません。とりわけ上場していない多くの中小企業の社員にとって、自社の経営状況の実態は、知りたくても知りようがありません。わかるのは売上げぐらいで、その裏側にある細かい数字は想像するしかないので、かえって疑心暗鬼に陥るのでしょう。

ならばいっそのこと、すべてをオープンにして、自社の経営の実態を全員で共有しようというのがオープンブック・マネジメントの考え方です。実際、この手法は1990年代前半、不況にあえいでいたアメリカの中堅企業の経営現場で芽生えました。その後、現場主導による改善やイノベーションを促す効果が徐々に大企業や一流企業まで浸透し、注目されるようになっていったのです。

社員一人ひとりを、単なる“従業員”(言葉どおり、与えられた業務に従事するだけの人)ではなく、責任あるビジネスパーソンとして見るならば、経営者にとって、社員が自社の業績や経営の実態に関心を持つことは、本来、おおいに歓迎すべきことでしょう。個々の社員が、経営者と同じマネジメントの視点を持ち、自ら行動できるような自律性の高い組織でなければ、変化の激しい時代をとても生き抜いてはいけないからです。

オープンブック・マネジメントを自著で広く世に紹介した、マネジメント・ライターのジョン・ケース氏は、オープンブック・マネジメント導入のポイントは、何といっても徹底した情報公開だとしています。ただし業績をオープンにするだけでは効果は得られません。公開した財務諸表に示されている数字の意味を社員が理解できるように教育・研修を実施すること(ビジネスリテラシーの向上)、自社の業績へのコミットメントを高めるために現場への権限委譲を進めること(エンパワーメント)、従業員持ち株制度などのしくみを活用して成果の公正な分配をルール化すること(成功報酬)――これら四つの要素がオープンブック・マネジメントを成功させる条件と言われています。

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