【ヨミ】ストーリーテリング ストーリーテリング

「ストーリーテリング」とは、伝えたい思いやコンセプトを、それを想起させる印象的な体験談やエピソードなどの“物語”を引用することによって、聞き手に強く印象付ける手法のことです。抽象的な単語や情報を羅列するよりも、相手の記憶に残りやすく、得られる理解や共感が深いことから、企業のリーダーが理念の浸透を図ったり、組織改革の求心力を高めたりする目的で活用するケースが増えています。
(2010/12/20掲載)

ストーリーテリングのケーススタディ

グローバル展開に必須の「ウェイ」を浸透
トップの経験談や現場発の物語が社員に響く

すぐれた“物語”には、重要だが難しいことを、わかりやすく、しかも面白く伝える効用があります。「もしドラ」の愛称でおなじみの、経営学と高校野球を組み合わせたビジネス小説『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』が、発売から1年あまりで発行部数202万部(2010年12月14日時点)に達するほど支持されたのも、ストーリーの力を活用した成功例の一つといえるでしょう。

経営理念や事業への志、価値観といった暗黙知を“ウェイ”などの形で明文化し、経営トップが国内外の組織に浸透させようと、積極的に説いて回る企業が目立ってきました。リーマンショック以降、新興国を中心に事業のグローバル展開が急務となるなかで、その必要性はますます高まっています。経営トップともなれば、社員の関心を引き付ける成功体験や失敗体験も豊富です。発展の礎を築いた先人の逸話や貴重なエピソードもたくさん知っているでしょう。そうしたさまざまな物語を、伝えたい内容に応じて使い分けながら引用することが「ストーリーテリング」の要諦です。

たとえば「顧客の視点を大切にする」という理念があっても、その言葉だけでは実際の業務にどのようにして具現化すればいいのかは想像しにくく、聞き手の価値観によって捉え方も変わってしまいます。象徴的な例として、「あのとき、こう考えて、こう行動したらお客様に喜ばれた。その経験から顧客の視点に立つことの重要性を学んだ」という実体験のエピソードを物語風に引けば、相手の想像力を刺激して具体的なイメージを喚起させることができるでしょう。

1950年代から国外進出に乗り出したYKKでは、海外事業のさらなる現地化を進めるために、吉田忠裕社長が世界各国の拠点を巡回。現地社員と「車座集会」を重ね、創業者の思想や理念について話し合いながら、その意味を掘り下げる取り組みを続けています。2004年に「花王ウェイ」を策定した花王でも、尾崎元規社長が「企業間競争とは個性の磨き合い。だから理念の浸透、つまり花王らしさの徹底が不可欠」と考え、ウェイの浸透活動に力を注いでいます。特筆すべきは、現場への精力的な視察によって伝えるべきストーリーを自ら掘り起こしていること。「あの部署はこうして成功した。だから“絶えざる革新”が必要なんだ」という具合に、社内事例を引用して他の部署にもウェイの重要性を説いて回るのです。尾崎社長は「理念の浸透に有効なストーリーは、現場に行かなければ見つからない」 と指摘します。

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