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【ヨミ】マイスターセイド マイスター制度

もともとはドイツ発祥の職能訓練制度のこと。中世以来の手工業の技を引き継ぐために1953年に法制化され、ドイツの産業発展を支えてきました。近年、日本でも製造業を中心に、現場の熟練技能者から中堅・若手人材への円滑な技能継承を促す仕組みづくりが模索され、注目を集めています。
(2009/2/16掲載)

マイスター制度のケーススタディ

マニュアルでは伝えきれない技を伝える
“誇り”と“権威”をモチベーションに

ものづくりの現場には、カンやコツといったマニュアルでは伝えきれない“暗黙知”ともいうべき知財が詰まっています。その技能をOJTによって次世代にどう継承するか――日本の製造業の競争優位を左右する死活問題ですが、残された時間は多くありません。長く現場を支え続けた団塊世代を含むベテランが、まもなく労働市場から退出してしまうためです。この団塊世代の大量退職にそなえて、2008年前半までは各メーカーとも新卒採用を積極的に拡大してきました。しかし人数だけ揃えても、適切な教育の仕組みがなければ、優秀なベテランの穴を埋めることはできません。

それどころか、“技術の断絶や流出”がすでにはじまっているという指摘もあります。ここ数年、生産現場で頻発している大規模な産業事故――その背景には、1990年代の大量リストラのあおりで熟練技能者が現場を追われたことが深く関わっているといわれます。しかもそうしたベテランが、中国や韓国、タイなど成長著しい新興国のメーカーにヘッドハンティングされ、日本の匠の技を伝えているケースも少なくありません。

こうしたなか、ものづくりの現場力をもう一度鍛えなおすために、高度な技能・技術を有する従業員を「マイスター」として認定、後継者の育成に当たらせるメーカーが増えてきました。2002年から同様の制度を導入した三菱重工業では、「範師(はんし)」と呼ばれる社内の最高技能熟練者が、技能の伝承や生産改善指導に取り組んでいます。全工場でわずか17人しか認定されていない初代「範師」のなかには、いったん定年退職した後に再雇用された人材も。従来、同社の再雇用者の賃金は現役時代のほぼ6割減でしたが、07年末から平均10%引き上げられました。

待遇面を含めて、熟練技能者が「マイスター」と認定されることに誇りを感じられるようなしくみづくり、ベテランのモチベーションを喚起する権威づけが制度構築の重要ポイントとなるでしょう。

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