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採用の進化を担う リクルートのRPO
経営戦略に貢献する採用活動を実現

「経営の最重要事項は採用」とよくいわれます。しかし、近年は労働力人口の減少に歯止めがかからず、企業は質と量の両面で、欲しい人材を確保することが難しくなっています。2016年1月の有効求人倍率は1.28倍と、1991年12月以来、実に24年ぶりの高水準。当面は深刻な人手不足が続きそうですが、そうしたなか注目を集めているのが「RPO」と呼ばれる欧米発の人材サービスです。欧米でのRPOは、一般にRecruitment Process Outsourcingの略。つまり、採用業務のアウトソーシングですが、リクルートキャリアでは、これをRecruitment Process Optimizationとワードを置き換え、2011年から新しい価値――「採用の最適化」を実現する、新しいRPOサービスとして提供しています。「強い人事部を創る一助に。コストダウンや業務効率化を狙った、単なるアウトソーシングではありません」と語る、HRソリューション部マネジャーの良村太生さんにくわしいお話を伺いました。

プロフィール
良村太生氏 photo
良村 太生(よしむら たお)氏株式会社リクルートキャリア HRソリューション部 マネジャー
2002年、総合メーカーでの営業経験を経て、2004年リクルートキャリアへ中途入社。 HR中途斡旋領域における様々な業界の顧客へのサービス事業部を経験。 2012年より現職。これまでの知見を活かし、RPO(Recruitment Process Optimization)サービスの企画立案、業務設計、導入・サービス拡大に携わっている。

採用業務のバリューチェーン全般を最適化するリクルートのRPOサービス

―― 企業の採用業務をアウトソーシングする「RPO」。欧米ではすでに広く普及・定着しているサービスですが、日本企業でも近年、活用が進み、注目が集まっています。その背景を教えてください。

欧米では、2008年頃から急速に伸びてきました。最大のきっかけはリーマンショックです。それ以前は、各社が社内に自前のリクルーターを大量に抱えて、中途採用者を集めるというモデルをとっていたのですが、リーマンショックで中途採用が止まり、リクルーターも解散せざるをえなくなりました。以来、人件費の削減と変動費化をねらって、多くの企業が採用業務の外部化を進めてきました。日本でも、基本的に同じようなことが起こっていると見ていいでしょう。一方で、近年のテクノロジーの急速な進化は、採用の手法やチャネルにもすさまじいまでの多様化、複雑化をもたらしました。例えば、採用ツールの主流だった紙媒体の求人誌は、ここ数年でほぼ姿を消してしまいました。ほんの10年前に、企業がSNSで人を採用する時代が来るなんて、誰が予想できたでしょうか。過去の採用の成功体験があっという間に使えなくなってしまう。これほど激しい変化を、一つの企業の人事部が、自社内のノウハウやデータだけを頼りにキャッチアップしていくことは、正直、きわめて難しいと言わざるをえません。

―― RPOは本来、Recruitment Process Outsourcingの略ですが、リクルートが提供するサービスはRecruitment Process Optimization。単なるアウトソーシングではありませんね。

私たちがあえてOptimization=「最適化」という言葉を使っているのは、業務の外部委託による人件費の変動費化だけでなく、クライアントの採用活動全体の「最適化」を図り、採用目標数の達成など、採用計画を充足させていくことこそが最大の提供価値であると考えているからです。弊社のRPOは、採用の効率化を超えて、お客さまの「採用の最適化」の実現を加速させるサービスなのです。

良村太生さん インタビューの様子

―― 「採用の最適化」と、既存のRPOとの違いは何ですか?

従来の採用分野のアウトソーシングでは、企業が社内で採用計画を立てた後、この期日までにこんな人材をこれだけ集めてほしいという形で、業者に依頼するのが一般的な流れでした。コストダウンを狙うケースが多いですから、“川下”の部分だけを外注すればいい。そうなると「質」「量」ともに満たすことが難しくなるのです。

しかし採用活動は本来、企業の中長期の経営計画の実現や事業計画の達成に資する「最適な人材」を集めるための活動であり、そのゴールはあくまでも各社の事業成功でなければなりません。採用の「量」に重きを置きながらも、「質」をしっかりと担保した採用を目指すべきです。「量」だけを求めるのであれば、オペレーション代行などのアウトソーシングで十分かもしれませんが、「量」「質」ともに重視した採用活動の支援を行うのであれば、弊社のRPOです。

経営と直結した採用活動は、「自社と自社の事業にとって“最適な人材”とは何か」を定義・共有することから始まります。ところが、往々にしてそのプロセスが不十分で、人事とビジネスの現場との間の目線合わせがしっかりできていないケースが少なくありません。その結果、採るべき人材が採れず、自社に合わない人材を抱えることになり、ビジネスのチャンスを逃してしまうこともある。弊社の掲げる「採用の最適化」とは、募集要件や募集メッセージを経営戦略に沿って再構築するところから始め、採用業務のバリューチェーン全般を最適化するということです。お客さまと採用活動におけるゴールを共有し、そのゴールを目指して一緒に全力で走っていくイメージです。お客さまには、事業計画の実現へとつながる採用戦略をたてる“川上”のところから、弊社をパートナーとしてご利用いただき、質・量の両面で「最適な人材」を確保していただきたいと思います。

自社商品に限らず世の中に存在する最高のサービスを使う、なければ創る

―― 「採用の最適化」としてのRPOは、グループ全体で変化の激しい人材市場とたえず向き合っているリクルートだからこそ、実現できるサービスだと言えますね。

昨今はビジネス環境の変化が激しく、企業には変革やスピード感のあるビジネスが求められていますが、採用活動でもそれは同様で、従来よりもスピード感のある採用活動が求められています。また、先ほど申し上げたように、採用の手法やチャネルも急速に多様化・複雑化しています。そうした背景から、採用領域における時流のフロントラインに立つ弊社への期待の高まりは、私たち自身も強く実感しているところです。

RPOの案件をご発注いただくと、専門性の高いメンバによって組成されたプロジェクトチームが発足。それぞれの専門性を持って対応します。たとえばマーケティングチームは世の中のあらゆるデータや新たなテクノロジーを研究し、その情報を提供します。その際、求人メディアの「リクナビNEXT」や人材紹介の「リクルートエージェント」など、リクルートグループが持つ圧倒的な規模のデータも使用することは言うまでもありません。コンサルタントはそれらのデータを用い、精度の高いシミュレーションによって最適な採用戦略を策定し、採用計画に落とし込んでいきます。こうした専門性も、お客さまの採用活動を成功へ導くために必要な要素なのです。

実際に使う採用ツールの選択にも当然、妥協はありません。「お客さまの採用計画を充足させるために、世の中に存在する最高のサービスを使う。良いものがない場合は、お客さまの要望や目標にあわせて自ら創る」――それが私たちのポリシーだからです。リクルートグループ全体のアセットを有効活用するのはもちろんですが、決してそれだけではありません。さまざまな求人メディア、人材紹介会社、採用システム、アウトソーサーなども使用するほか、SNSやデジタルマーケティングなど、さまざまな手法を柔軟に組み合わせて、あらゆる業種・職種、地域の採用に対応しています。

―― 「良いものがなければ自ら創る」ということですが、オリジナルで開発されたツールにはどういうものがありますか。

最近の例として、「GLOVER」(グラバー)という商品があります。これはリファラルリクルーティング、いわゆる「社員紹介採用」を導入・促進するためのツールです。お客さまの求める人材が、既存の採用ルートからはなかなか現れない希少人材や転職市場にまだ出ていない人の中に存在する可能性もあります。より重要で難易度が高いポジションを充足させていくために、転職潜在層に効果的にアプローチする手段の一つとして有望視されるのが、リファラルリクルーティングです。私たちの分析では、とくに専門性の高いスキルや才能を持つ人材は、社内の活躍者の人脈や、同じようなプロフェッショナル人材の周辺に存在するのではないか、という仮説を立てています。しかし企業の人事担当者からは、「社員紹介採用を導入したいがどうしたらよいかわからない」「導入しているがうまくいかない」との声が上がっているのも事実です。弊社では、こうした声に応えるために「GLOVER」を開発し、2014年10月から提供開始。すでに国内最大規模の採用成功実績があります。

【図】RPOサービススキーム図
RPOサービススキーム図

5年後の事業ポートフォリオから“逆算”して採用戦略を構築

―― 実際にサービス利用に至るきっかけについておうかがいします。RPOに関心をもつ企業の人事の方は、どういう課題感や採用背景をもっているのでしょうか。

相談は、企業によって異なります。たとえば、中長期で目指したい事業ポートフォリオがありその実現のための人材確保や育成についてご相談をいただくことがあります。先ほどの バリューチェーンの川上・川下のたとえで言えば、まさに“最上流”からのご相談になるわけですが、このあたりから入ったほうが、採用計画の立案や採用手法の最適化、部門ごとに求める人材像の再定義、メッセージングといった戦略論に落とし込みやすいんですよ。「採用の最適化」というRPO導入の価値に対して、お客様にも納得感をもってご発注いただくことが多いですね。

また、先ほど「量」「質」ともに重視した採用活動を行うべきだと申し上げましたが、数多くの案件の中には、「量」を求められることももちろん多いです。事業計画の実現のため、昨年の2倍採用する必要がある、と経営陣からのオーダーが来たといったご相談ですね。決して簡単ではありませんが、そのような場合も、必ずお客さまと採用活動が意味するゴール、実現したい事業の未来を共有し、あらゆるノウハウを駆使して対応しています。

―― 導入企業のリピート率はいかがでしょうか?

RPO部門が発足して4年で、約80社1万人の採用実績がありますが、利用されたほとんどのお客さまからリピートをいただいています。というのも「1年目の戦略はこうだったけれど、2年目はもっとこうしなければ」と、経営環境や採用市場の変化に応じて、課題やニーズがたえずアップデートされるケースは少なくないからです。“新しい最適化”を求めて、サービス利用のリピート率も当然、高まるわけです。また、お客さまによっては、入社後の定着・育成まで一貫性をもってサポートするなど、リピートのたびにより広い人事領域を含めたプロジェクトへと発展することも増えてきました。RPOのゴールはお客さまの事業成功。「おかげで、中期事業計画が前倒しになった」といったフィードバッグがいただけると、うれしいですね。

【図】RPOサービス実績
RPOサービス実績

人事が強くなれば企業も強くなる――採用を通じて企業の事業成長を支援

―― お話を伺って、日本の中途採用市場においても、RPOサービスの存在感が高まっている理由がよくわかりました。

ニーズそのものは、今後も間違いなく拡大していくでしょう。企業が求める人材を質、量の両面で、十分に確保することは年々難しくなってきています。一方で、再三申し上げているように、採用活動をめぐる環境もますます多様化、複雑化し、従来の採用手法だけでは採用計画の充足に対応していくことが難しくなっています。だからこそ弊社は、採用活動のあらゆる事態に迅速かつ柔軟に対応できる、高度な知識を持ったプロフェッショナル集団として、お客さまの「採用の最適化」に貢献できるサービスを提供し続けなければならないと考えています。

また、入社後に活躍できる人材を、より確実に確保するためには、採用前後の人事領域まで含め、これまで以上にお客様と密接に連携して取り組んでいかなければなりません。今後は採用した人材の定着、育成、早期戦力化のフェーズまで視野に入れて、サービスをバージョンアップさせることも考えています。

―― ありがとうございました。では最後に、採用を通じて企業の経営戦略の実現を担う、人事担当者の方々に向けて、メッセージをお願いします。

一般的に、日本企業の人事部門の生産性は決して高くないと言われています。しかしこれを言いかえると、日本企業の人事はもっと強くなれるし、人事が強くなれば企業そのものも間違いなく強くなれる、ということです。人事の仕事は本来、経営に直結している、重要かつ戦略的なポジションなのですから。企業の人事担当者の方々には、事業成長につながる人材戦略の立案などコア業務に集中し、人事としての生産性を高めるために、「採用の最適化」を支援するRPO=Recruitment Process Optimizationをぜひご活用ください。私たちもお客さまと共に進化し、未来を切り拓くパートナーでありたいと願っています。

良村太生さん インタビューの様子

詳しい内容についてはお気軽にお問い合わせください。

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