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人事マネジメント「解体新書」第82回
「次世代経営リーダー」をいかに育成していけばいいのか(後編)
~新しいマーケットを切り開く「選抜型研修」の事例

『前編』は、次世代経営リーダーに関する考え方と、その確保・育成のあり方について見てきた。『後編』では、経営層自らが先頭に立って、新しいマーケットを切り開くために次世代経営リーダー育成に取り組んでいる、2社(大手建設、大手製薬)の事例を紹介する。

【事例1:A社(大手建設)】
新たな経営人材育成に向けて経営層が積極的に関与、強い期待を社内に示す

大手建設のA社では、縮小傾向にある国内市場に依存した企業体質を変えるため、グローバル化と新規事業創出という新機軸を打ち出した。スピード感を持って改革を推進するために、経営層の若返りを目指している。具体的には、現行の経営層が積極的に関与することで、次代の経営に求められる知識・スキルとともに、実践力を身に付けさせることに注力。これまでのA社に深く根付いた風土を打ち破るために、新たな経営人材の育成を目指している。

◆経営人材の若返りを目指し、役員が候補者を選出

建設市場は、少子高齢化などを背景に国内市場が縮小傾向にあり、今後、ますます経営が厳しくなると予想されている。このまま国内市場に依存していても、持続的成長が望めないのは明らか。そこでA社が着目したのが、次代を担う経営人材の育成だった。

A社の取締役の平均年齢は64歳、執行役員の平均年齢は61歳で、年々高齢化の一途をたどっているが、これでは、新しい発想はなかなか浮かんでこない。グローバル化と新規事業の創出という、新たなチャレンジを進めていくには、かつての成功体験にとらわれず、新しい視点でチャレンジできる若い人材の台頭が不可欠だ。そこでA社では、役員の早期交代を進めるために「次世代経営者育成塾」を開講した。

それまでA社では、自らが手を挙げる「公募制」の文化が根付いていた。しかし、公募制で人材を募ると応募者が多すぎて、「次世代経営者」の効果的な育成は望めないと判断。これまでの慣習を捨て、役員の推薦による「選抜制」へ一変させた。また、「次世代経営者育成塾」開催に際しては、会長・社長をはじめ、取締役が率先して参画することで、経営層が強い期待を持っていることを社内に示す必要もあった。

「選抜にあたっては、新規事業の創出という観点のほか、グループ会社全体の連携強化も視野に入れ、グループ会社の役員からの推薦も受け入れることにしました。その結果、当初の予想を超える150名ほどの候補者が挙がることになりましたが、最終的に約半数の75名までに絞り込みました。支店長、事業部長、部長・次長クラスを中心に、本社から55名、グループ会社から20名が選ばれ、平均年齢は45歳と、若手~中堅層が中心の構成にすることができました」(プロジェクトリーダー)

「次世代経営者育成塾」は、4月から11月までの8ヵ月をかけて実施される、研修プログラム。キックオフの際に社長は、次世代経営者候補としての意識づけを説いていった。「世代交代なくして、当社に未来はない」とのメッセージを明確に伝えた上で、役員の推薦で第一期生として選抜されたことの自覚を持つこと、また、選抜されたからといって将来の役員のポストを約束するものではないことを強調した。

キックオフでは、A社のDNAを再認識・再構築することに多くの時間を割いた。次世代の方向性について皆が理解し、共有するためだ。具体的には、「時代に合わず捨てたほうがいいもの」「今までにないもので、新しく加えなくてはならないもの」「今あるもので、さらに強化しなければならないもの」の三つ。役員を交えながら、オープンに議論していった。今までタブーとされていたことをあえて俎上に挙げたことに、次世代の経営人材の育成に向けた、A社のなみなみならぬ意欲を感じることができる。また、ここで議論された内容は、創業以来、脈々と受け継げられてきた諸制度を大幅に見直すという、思い切った改革へのスタートにもなった。

◆実践に近いテーマで「アクションラーニング」を実施

次のステップは、経営者として必要となる「知識・スキル」の習得である。A社には理論より行動を重視する風土があるが、これは成長路線が基調にある時は有効だが、先行きが不透明な昨今の状況では、論理的に組み立てていくことが重要になる。今後、より効率的、的確に事業を進めていくために、次世代を担う経営者は確かな理論を学んでおかなければならないと決断したのだ。

そこで5月~9月にかけて、経営者に求められる論理志向、戦略志向、マーケティング、財務などを学ぶため、2泊3日の研修を月1回の頻度で実施した。ケーススタディーを用いた内容で、MBA(経営学修士)を意識したものである。

研修ではグループ分けを行い、より実践に近いテーマを選定させて議論を行う「アクションラーニング」も実施した。現場で今後十分に起こり得る課題を取り上げるなど、将来の展開をにらんだ内容となっている。具体的には、地域ごとに四つのグループに分け、さらにそれぞれ四つのチームを編成。16のチームがグローバル事業、エネルギー事業など、新旧さまざまなテーマに取り組んだ。ちなみに、テーマは既に取り組んでいるものもあれば、新規事業も含まれている。

「現在好調な事業はさらに拡大するように工夫し、利益が低い事業はいかに再生できるかを考えてもらいます。そして、新規事業をどう育成していくか。拡大・再生・育成の三つを軸に、テーマを選んでもらいます」(プロジェクトリーダー)

その際、机上の空論にならないよう、予算も全て算出させ、事業計画も立てさせている。事業を推進する際の考え方や進め方を学ばせた上で、実際にそれを行うことができるかどうか、本気で形にできるかどうかを問う内容になっている。

今回の「次世代経営者育成塾」には各部門のエース級が集まっているものの、自分がこれまでに関わってきたテーマと違う内容であれば当然、勝手が違ってくる。アクションラーニングを通じて、他部門に自分よりも優れた人物がいることが分かるなど、大きな刺激になっているようだ。9月の中間報告では、各チームの取り組み状況を審査し、ランキングを発表。これが参加者同士の競争心をあおり、より積極的に課題に取り組むようになった。中には、研修時間外に自発的に集まり、研究を深めたチームもあったという。

また、研修にはサプライズとして、社長・会長の飛び入り参加があった。社長・会長からは「役員になったら何をしたいのか。その理由と収益性を述べよ」という厳しい質問が投げかけられる。さらには「チームのメンバーの短所を忌憚なく述べよ」など、将来的にボードメンバーとなる可能性のある人に対して、客観的に意見を言うことのトレーニングが課せられる。その上で、社長・会長からの感想と意見が述べられる。このように理論や演習だけでなく、経営トップ自らが経営者としての姿勢を見せることで、メンバーに次世代リーダーとしての強いコミットが芽生えてくることになる。

◆優秀な人材の発掘、グループ全体のシナジー効果

「次世代経営者育成塾」は、11月に社長・会長、役員の前でプレゼンテーションを行うことで幕を閉じるが、実際に優秀な人材の発掘につながっているという。第一期生からは、すでに新規事業を担う者が5名、執行役員が3名誕生した。

「事業間・グループ会社間の連帯感が醸成された」という成果も報告されている。「次世代経営者育成塾」で培った横のつながりがその後も続いていて、定期的に親睦会や意見交換会が開催されているのだ。

「市場拡大が望めない現在、グループ内で競争している場合ではありません。そのため以前は、自分の仕事に関する情報以外には誰も関心を持たず、活かすことがありませんでした。しかし今では、他のグループ企業の役に立ちそうな情報があれば、すぐに教え合うほどに情報交換が盛んになりました。中には、事業企画まで意見交換をするケースもあるようです」(プロジェクトリーダー)

「次世代経営者育成塾」のつながりを通して、グループ全体を考える視点が備わり、情報が共有されるようになったわけだ。グループ全体のシナジー効果を考えると、これからの次世代リーダー育成のあり方の一つのモデルとなるように思われる。

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