健康保険組合連合会、【健康保険に関する調査】
(1)「高く」「増え続ける」健康保険料が負担に
(2)日本の健康保険制度、8割が「不安」
健康保険組合連合会(会長:大塚 陸毅)では、健康保険制度についての理解や認識の度合いを測るべく、本年9月に20代~70代の男女1,200名を対象にアンケート調査を実施しました。その結果から、少子高齢化の進行による高齢者医療費を支える健康保険料の負担や、日本の健康保険制度への不安を強く感じている人が多いという現状が浮かび上がりました。
<調査結果サマリー>
(1)健康保険料「高い」が約7割、「最近、増え続けている」が6割以上
健康保険料についての印象を尋ねたところ、最も多かったのが「健康保険料は高いと思う」で69.6%(「そう思う」と「ややそう思う」の合算。以下、同様)でした。次いで、「最近、毎年健康保険料が増え続けている気がする」が63.1%でした。一方、「勝手に天引きされる(控除)から気にしても仕方ない」という人も4人に1人程度(25.3%)存在することが分かりました。
(2)日本の健康保険制度、8割が「不安」
日本の健康保険制度についての印象を尋ねたところ、「高齢化による医療費の増大を考えると、将来的に制度が維持できるか不安」が80.8%(「そう思う」と「ややそう思う」の合算。以下、同様)や、「将来、自分も制度の恩恵を受けられるか不安」が74.9%と、不安に感じる人が多いことが分かりました。
(3)少子高齢化は「不安」も、高齢化の影響を受ける健康保険制度への意識は若年層ほど低い
少子高齢化については、「少ない人数で高齢者を支えられるか心配」が88.7%(そう思う+ややそう思うの合算。以下、同様)、「漠然と将来に不安を感じる」が87.4%と、9割近い人が不安に感じています。
一方、高齢化により影響を受ける健康保険制度について、全体では70%以上(関心がある+やや関心があるの合算。以下、同様)が関心を示しているものの、20代・30代では60%前後と若い世代ほど関心が低いという結果になっています。
【調査概要】
調査対象者 : 全国の20代~70代の男女
調査手法 : インターネット調査
回収サンプル: 有効回収数1,200人
20代~70代男女を、性別ごと年齢階層別(20代30代40代50代60代70代)に
スクリーニング調査で抽出し、抽出対象に本調査を実施。各カテゴリの設定数を
100人とし(10代につき男性100人、女性100人)、合計1200人を回収した。
※なお、集計の際、日本の性別・年代の人口推計比率に応じたウェイトバック集計を行った
調査時期 : 2015年9月
※調査結果スコアの表記について:
グラフに記載されている%スコアは、全て小数点第2位を四捨五入し小数点第1位までを表記。
「あしたの健保プロジェクト」とは
健康保険制度に関する問題について、国民のみなさんに知ってもらうため、健康保険組合連合会は2014年6月に「あしたの健保プロジェクト」を立ち上げました。増加する医療費の問題に目を向け、考え、みなさんの「声」をあげる場として、WEBサイトを中心とした活動を行っています。
WEBサイトでは、給与明細を活用し定年まで支払う健康保険料が分かるシミュレーションコンテンツ、医療費の問題に対する改善意識の「声」を集める「みんなの声の募集箱」、その声を発信する「みんなの声の掲示板」、「みんなの声の集計結果」など、充実のコンテンツをご用意しております。
これらのコンテンツを通じて、医療費問題への関心を高め、「国民皆保険制度」の現状への危機感を共有し、みなさんの「声」を社会に向け発信していきます。
【参考】 現役世代の健康保険料の負担増について
健康保険組合連合会が本年10月2日に発表した「平成26年度健康保険組合決算見込の概要」によると、2014年度(平成26年度)の被保険者一人当たりの年間保険料は475,522円で、2007年度(平成19年度)に比べ保険料負担は91,910円(約24%)も増加しています。
健康保険組合連合会では、後期高齢者医療制度が創設された2008年度(平成20年度)以降、赤字が続いていました。2014年度は、保険料率引き上げに加え、景気好転も影響し、7年ぶりに636億円の経常黒字となりました。一方、現役世代に偏る高齢者医療費の負担構造は変わらず、高齢者医療への拠出金は3兆2,794億円で過去最高を記録しています。
詳細は、健康保険組合連合会「平成26年度健保組合決算見込の概要」(PDF)を参照ください。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(健康保険組合連合会 http://www.kenporen.com/ /10月15日発表・同連合会プレスリリースより転載)