新入社員の「ワークモチベーション調査」
重視するのは、「会社の方向性」と「職場の一体感」
組織変革・経営コンサルティングのリンクアンドモチベーション(東京都中央区 小笹芳央・代表)は、今春新卒入社した新入社員にアンケート調査を行い、4月7日までの回収分について中間分析を行いました。アンケートは昨年に引き続き2度目です。
今年入社した新入社員は「方向性に共感した会社」の「一体感のある職場」で、「自分のキャリア」を高めるために「上司・先輩のサポート」を受けながら働きたいと考えていることがわかりました。
同社では、アンケート結果を、新人が会社を「報酬を得るための苦役の場」でなく、「自分を高めるための場」としてとらえているためと考えます。背景には、企業と個人の関係が、高度成長期の終身雇用・年功賃金制度を軸とした「相互拘束型」の関係から、企業と個人がお互いに選びあう「相互選択型」の関係へと変化していることがあります。
■ 集計結果
1.会社の方向性への共感して入社。キャリア形成も重視
「事業の優位性・成長性・将来性(大変重要、まあまあ重要と回答した新入社員78.5%)」が1位で、8割近くに達しました。3位にも「事業の社会的影響力や意義(66.4%)」が挙がり、会社の事業・戦略に対する注目度は高いといえます。また、「会社の理念(69.7%)」「会社の戦略(64.5%)」も重要度が高く、全体として会社が方向性をはっきりと示しているかを重要視していました。5位、6位には自己のキャリアを高める環境を求める項目が挙がりました。
一方で、「裁量の広さ(44.0%)」「話題性(42.4%)」「施設や環境(27.7%)」などは低い重要度にとどまり、キャリア形成するための場としてふさわしいかの観点から会社を捉える傾向が強いようです。
2.上司や先輩には、母親的な「サポート役」を求める
上司や先輩に求めることの1位は、昨年の「明確で納得感のある評価(今年2位)」に代わり「意見や改善点を聞き入れてくれること」で、9割近く(88.1%)となりました。全体としては、「ステップアップの方向性を提示(63.8%)」「自社の環境などの情報提供(67.5%)」といった、面と向かった父親的なアドバイスよりも、「自分の持ち味をおさえ(82.8%)」て、話を聞いて欲しいという、母親的なサポートを求める傾向が見られます。
3.職場にも、意見を活発に発言し、メンバー同士でスムーズな連携をすることを求める
職場の項目に対する重要度は、総じて会社や上司や先輩よりも高くなっています。その中でも、「活発な発言(91.2%)」「メンバー同士のスムーズな連携(90.2%)」「切磋琢磨する雰囲気(86.0%)」など、一体感を持って仕事を進めたい様子が強く出ました。相対的には「役割の明確化(76.5%)」「ノウハウの共有(80.8%)」といった効率化に関するものが低くなっています。
4.昨年からは大きな傾向の変化はみられない
昨年に引き続き2度目の調査となりましたが、順位で4位を超えて変動した項目はありませんでした。
企業が優秀な人材を集め、引き止め続けるためには、明確なビジョンの提示、キャリアップの仕組み、自己成長や刺激のあるマネジメント、職場環境といった「自立」をサポートする体制を構築することが必要と考えられます。この調査は5月末まで継続した上で、最終報告を行う予定です。リンクアンドモチベーションでは、今後も「組織」と「個人」のモチベーションに着目したコンサルティングを行って参ります。
■ 結果詳細は同社ホームページまで。
(リンクアンドモチベーション http://www.lmi.ne.jp//同社プレスリリースより抜粋・4月13日)