マンパワー・ジャパン、日本市場における企業の採用動向を調査
調査対象企業1015社、採用に対してはやや慎重な姿勢を維持するも、
正社員や契約社員の採用に対しては前向きに検討
総合人材サービスのマンパワー・ジャパン株式会社(本社・神奈川県横浜市、取締役・代表執行役会長兼社長: ダリル・グリーン、資本金: 40億円)は、2011年4月に、1015社を対象に本年7月から9月までの企業の採用動向についての調査を実施し、この程結果をまとめました。具体的には、日本企業における雇用形態別および職種別の採用動向や、企業が採用、社員教育、人事施策を考える際に最も必要とする情報について調査しました。
■ 調査対象企業において、2011年第3四半期は正社員・契約社員の採用に前向きな姿勢
(質問:2011年7月~9月は、前期と比べ雇用形態別にどのような変化があると思いますか?)
調査対象となった1015社のうち445社(43.8%)が、雇用計画に関して「変化なし」と回答しています。また、「不明」と回答した企業も326社となり全体の32%を占めました。これにより、企業が採用に関して慎重な姿勢を維持することが予想されます。雇用形態別の結果を見ると、正社員・契約社員については、「変化なし」と回答した企業が60%を占めましたが、「増やす」の割合(15.4%)が「減らす」の割合(12.3%)を上回りました。
この結果から、正社員・契約社員の採用については、前向きに検討している企業が多いことが伺えます。一方、派遣社員においては、「変化なし」と回答した企業の割合が54%(548社)と最も多いものの、「減らす」と回答した企業が18.8%(191社)となり、「増やす」と回答した企業の割合7.2%(73社)の2倍以上となっており、企業が派遣社員の登用については消極的になっていることがわかります。また、パート・アルバイトも同様に、「変化なし」と回答した企業は53%(539社)となっているものの、「減らす」との回答が15.3%(155社)となり、「増やす」との回答11.1%(113社)を弱冠上回る結果となっています。
■ 人員を「増加させる」職種のトップ3は、「営業・販売」、「製造・軽作業」、「ソフトウェア・ネットワークIT」
(質問:2011年7月~9月は、前期と比べ職種別にどのような変化あると思いますか?)
「営業・販売」において今後人員を増加したいと回答した企業が201社(19.8%)と最も多い結果となりました。業種でみると「金融・保険・不動産」および「卸・小売」においての需要が高いのがわかります。次いで、「製造・軽作業」において社員を増やしたいと回答した企業は70社(6.9%)となっており、特に、貨物・輸送、自動車や機械メーカーなどでの需要が高い結果となりました。さらに、「ソフトウェア・ネットワークIT」において人員を増やしたいと回答した企業は7社(6.6%)で、「金融・保険・不動産」や「サービス」での需要が高まってきています。
震災後、特に損保や生保でのコールセンター業務、企業のネットワーク復旧作業などでの人材需要が高まっているようです。一方、今後企業が人員を「減らす」と回答した職種においては、「事務・管理系」が最も多い223社(22%)となりました。業種で見ると、「サービス」、「卸・小売」での需要が低迷しています。次いで、「減らす」との回答が多い職種は「製造・軽作業」で、128社(12.6%)が減らすと回答しています。特に、「卸・小売メーカー」での需要が低調です。さらに、「広告・WEB編集・制作」で人員を減らすと回答した企業が83社(8.2%)となり、「卸・小売」,「サービス」,「金融・保険・不動産」分野の企業で需要が低迷することが伺えます。
総じて、企業がグローバルな競争力を保つために必要な職種や専門スキルを必要とする職種においては、企業における雇用意欲が旺盛なことがわかります。逆に、人員を減らしても社内で内製化できる職種や企業の経営上すぐに影響の出ない職種においては、採用意欲が低調だといえます。
■ 企業が採用、社員教育、人事施策を検討する際、最も必要な情報は「次世代リーダー育成」
(質問:採用、社員教育、人事政策を考える中で、常に収集している情報と特に必要としている情報を選択して下さい)
今後企業が採用、社員教育、人事施策を検討する際に必要とされる情報は、「次世代リーダー育成」と回答した企業が249社(24.5%)と最も多い結果となりました。2番目に多かった回答は、「組織の活性化」で184社(18.1%)、次いで「グローバル人材育成」と回答した企業が、181社(17.8%)となっています。企業の技術やノウハウを継承していく次世代リーダーや、世界での競争力を保つために、グローバルなビジネスの場で活躍できる人材を育成したいという企業が多いことがわかります。さらに、「評価制度」、「労働基準法」、「メンタルヘルス」、「社員の定着率向上」といった情報を必要とする企業も多く、社員に対する福利厚生や労働環境の整備、モチベーション維持といった要素を重視している企業が多いことが推測されます。
【 調査概要 】
調査時期 : 2011年4月18日~4月22日
調査対象 : 東京・大阪・名古屋の次の7業種における企業の人事部門長
(1) 金融・保険・不動産、(2) 製造、(3) 鉱工業・建設、(4) 公共・教育(役所、学校関係)、(5) サービス(情報処理、ソフトウェア、娯楽など)、(6) 運輸・公益、(7) 卸・小売
質問内容 :
(1) 2011年7月~9月は、2011年4月~6月と比べて、雇用形態別にどのような変化があるとお考えですか?
(2) 2011年7月~9月における、貴社の雇用計画についてお尋ねします。
2011年4月~6月と比べて、職種別にどのような変化があるとお考えですか?
(3) 採用、社員教育、人事政策を考える中で、常に収集している情報と現在特に必要としている情報を選択してください (3つ回答)
調査方法 :電子メールによるアンケート
有効回答数 :1015社
今回の調査結果を踏まえ、マンパワー・ジャパンでは、今後も、労働市場の動向や経済状況を的確に把握し、企業と求職者の方々に対して今後もより多くの雇用機会の創出を目指します。企業を取り巻く経済環境は依然として厳しい状況が続きそうですが、職種によっては企業の採用意欲は徐々に回復していることも事実です。マンパワー・ジャパンでは、そのような状況を理解し、企業や求職者の方々にとって最適な人材ソリューションを提供していきます。
マンパワー・ジャパン株式会社 http://www.manpower.co.jp/ /6月29日発表・同社プレスリリースより転載