産業能率大学、上場企業の課長を取り巻く状況に関する調査(速報版)
学校法人産業能率大学(東京都世田谷区)は、従業員規模100人以上の上場企業に勤め、部下が1人以上いる「課長」を対象に、昇任前の経験や、悩み、上司の支援など現在の状況、今後のキャリアなどを尋ねた調査を実施しました。このうち、主だった質問について、単純集計結果を“速報版”としてまとめました。
調査は、9月28日〜30日の3日間、インターネット調査会社を通じて実施しました。回答サンプルは、428人です。なお、集計・分析を追加した全体の調査結果は、後日報告書にまとめる予定です。
【 結果概要 】
■ プレイヤー兼務がおよそ99%
プレイヤーとしての仕事の割合を尋ねたところ、0%はわずか1.4%にとどまりました。ほとんどの課長がプレイヤーとしての活動を兼務しているようです。 プレイヤーとしての活動割合が半分より多い(51%以上)課長は4割に達しています。昨今の課長がプレイングマネジャー化している様子をうかがうことができます。
■ 仕事の相談相手がいない2人に1人
仕事上の悩みを相談できる人がいるかどうかを尋ねたところ、「いる」「いない」がほぼ半数ずつでした。2人に1人は悩みを抱えても相談する相手がおらず、自分で抱え込まざるを得ない状況にあるようです。メンタルヘルス面からも懸念される結果といえそうです。 また、「いる」人に対して、どのような相談者かを尋ねたところ、「会社の上司」「会社の同僚」が6割前後に達していました。
■ メンタルヘルスに不安を感じたことがある 43.7%
自分自身のメンタルヘルスに不安を感じたことがあるかを尋ねたところ、「ある」とした人が4割強に達しました。半数を下回っているとはいえ、昨今の課長を取り巻く状況の厳しさを反映したものといえそうです。
「ある」と答えた人にその原因を尋ねた結果では、「上司との人間関係」「成果創出へのプレッシャー」「仕事の内容」が44%前後で上位を占めました。「部下との人間関係」「仕事の量」も目立ちます。
相談相手を尋ねた結果とともにみると、相談する相手も必ずしもいない中で様々な問題を抱えながら奮闘している様子がうかがえます。
■ 3年前より「業務量」が増加 約54%
職場の状況に関し、3年前と比較してどのような変化があるかを尋ねました。もっとも回答が多かったのは、「業務量が増加している」(54.2%)。「成果に対するプレッシャーが強まっている」(41.1%)も4割を超えています。3年前と比べて、業務量が増え、厳しい成果目標に追われることが増えたと考える課長が多いようです。
■ イキイキと働いている 6割
課長としてイキイキと働いていると思うかを尋ねたところ、「どちらかといえばイキイキと働いている」が54.9%で最多でした。「イキイキと働いている」(6.8%)とあわせると、61.7%が“イキイキと働いている”と回答していました。
■ いまよりさらに出世したい 約57%
今後のキャリアについて、現在の勤務先で最終的にどのような立場・役職になりたいと思うかを尋ねた結果、プレイングマネジャー化や膨大な業務量を抱え、相 談相手が必ずしもいない中にあっても、「プレイヤーの立場に戻る」は9.6%と1割弱にとどまっていました。部長クラス、役員クラス、経営者をあわせた “いまより出世したい”は57.2%と半数を超えています。ハードな仕事と認識しているものの、課長としての仕事にやりがいも感じている様子をうかがうこ とができます。
◆ 本リリースの詳細はこちらをご覧下さい。
学校法人産業能率大学 http://www.sanno.ac.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・10月19日